《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:聖饗応

「ようこそいらっしゃいました、カエデ殿。お噂はここまで屆いておりますぞ」

「あ、はい、ありがとうございます」

「ヒトミ殿、この方が王都で一番とも言われる騎士のカエデ殿だ。と言ってももう知り合いの様だが」

グレゴールさんはニヤリと笑った。つられてアリスたんもニヤリと笑った。グレゴールさんのはいやらしさとか怪しさがあるけど、アリスたんのは可いしかないよ!

「それで私をこちらにお呼びになられたのは?」

おおっ、楓ちゃんが敬語で丁寧に話してる。いや、元から敬語使ってたと思うけどなんかイマイチイメージがね。

「ふむ、まあ一つはそこのヒトミ殿を紹介しようかと思っておったんじゃが必要なさそうでな」

「はい、すごく仲良しですので」

「そ、そうか。で、出來れば模擬戦などをしてもらえればと」

なにぃ!? 楓ちゃん相手に模擬戦……って危ない危ないって!

「それはやる意味がありません。私は既にヒトミ殿に敗北しております」

「なんと! 王都の大會で鎧袖一だったそなたでもヒトミ殿には勝てぬだと?」

おおっと、なんだか私の評価上方修正されてない? 楓ちゃんはこっちにこそっとピースしてるし。

「なればそこの吸鬼とも戦ったのか?」

「戦ってはいませんが私の方が強いと思います」

「おおー? 言ってくれるじゃーないかー」

「本當の事ですから問題ありません」

「そこまで言うなら細切れにしてやっても構わんよー?」

「出來るものなら」

おいおーい! なんでそんなに喧嘩腰なの!? 二人が爭うことなんて……

「ひとみさんを養うのは私です。ハルさんは引っ込んでください」

「現実でもこっちでもひとみんを養うのは私って決まってんのさー」

……いや、お前ら。仕方ない大事な事を言うか。

「勝負するのは止めないけど、どっちが勝ってもグレゴールさんの屋敷からく事はしばらくはないよ?」

「えっ!?」

いやあ、そりゃあそうだろう。この街にせっかく拠點を置いたんだし、暗黒熊(ブラックベア)退治しかしてないんだよ? それに……

「おねーたん、どっかいっちゃうの?」

「どこにもいきませんよ。アリスたん」

不安そうに見上げてくるアリスたんを抱き締める。ハルと楓ちゃんは悔しそうに見ていた。

「さて、本題なのじゃが、カエデ殿には聖國の聖様の出迎えと護衛をして貰う様に國王陛下からの指示があっての。わしはその饗応役という事じゃ」

「聖様……ですか」

「そうじゃ、はるばるこちらに立ち寄られるらしい。目的は不明だそうな」

目的不明でここに訪問? 商業都市だからんなものは集まってるけどなんか目新しいものでもあるのかな?

「分からんが聖様のたっての頼みという事じゃ。失禮のないようにもてなさねば。そこでヒトミ殿には料理を教えてしいのじゃよ」

「私がですか? 別に料理人じゃないんですけど」

「スープや料理が味かったからな。あれほどのものが作れるのは王宮でもそうは居らん」

褒めすぎというか出をとるという文化がないからだと思うんだよなあ。教えたら出來ると思うんだけど。でもまあせっかく私を指名してくれたんだし、頑張ってみますかね。

「材料費をもってくれるのでしたら」

「勿論じゃ! 頼んだぞ」

「わーい、おねーたんのおいしいごはんたべるー」

うんうん、アリスたんには味見をしてもらわなきゃね!

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