《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:から魔王討伐支援

からマモってるのです。

「で、私らは何をやったらいいの?」

「それは……この世界に君臨する魔王を倒す事ですわ!」

「よし、ちょっと行ってくるか」

「お待ちになってください!?」

なんだよー。ホイホイ行ってばばーんと倒してくればいいんじゃないの?

「その、人間の手で倒さねばならないのですわ」

「私も人間では?」

「お姉様はハイエルフでしてよ?」

あー、別に人間に作り替えられた訳じゃないのか。あれ? でも私、耳が短いよ?

「無意識で偽裝されているのですわ」

「なるほど。それなら……おっ、確かにでっかくなっちゃった」

どうやら元の世界と種族は変わってないらしい。なんでも、この世界の者が倒さないと魔王が復活するんだそうで。それで人間なのね。

「私どもの方で勇者を用意しておきましたからそいつを使ってくださいですわ」

「用意したって……なんか異世界転生とかで別の世界から引っ張ってきたの?」

「それだとまた魔王が復活しますし、それならお姉様に捻ってもらったほうが早いのですわ」

という事は現地住民を勇者に目覚めさせるやつか。どこの王子様とか勇者の家系とか?

「いえ、その、農家の三男坊ですわ」

「……は?」

どうやら戦闘経験もないやつを選んだようだ。いや、一なんでよ。

「下手なのに権力持たすと調子に乗って他の國を攻めたりするからですわ」

あー、確かに。魔王の脅威がすぐそこに來ているならともかく、そんな事もないんだよなあ。脅威來てたらまず私らが対処してるし。

「ですのでどうか導き手をよろしくお願いしますわ!」

澪ちゃんは天からバックアップに回るそうで。というか世界の修正に忙しいんだって。全く面倒な。という訳でその子の名前……トーマスだってさ。トンヌラじゃなくて良かったよ。

という事はアリスたんともお別れになるのかなあ。なんか寂しい。あ、そいつをから支援すればいいからちょっと行ってちょっと戻るくらいでいいんじゃね? よし、そうと決まればそいつの顔を拝みに行くか。

トーマスは激怒した。必ずかの邪智暴の魔王を除かねばならぬと決意した。トーマスは武蕓が解らぬ。トーマスは村の農家の三男坊である。口笛を吹き、イッヌと遊んで暮して來た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏であった。

そんなトーマスの元に神からの神託を攜えたが現れた。神託を攜えた絶世のは誰でしょう。そう、私です。

「なんだぁ、あんた」

「あなたがトーマスですね?」

「い、いかにもおらがトーマスだが?」

「あなたに神の神託を。勇者となって魔王を討ちなさい!」

私の言葉と共に天からトーマスにが降り注いだ。それを浴びたトーマスのは金り輝いたのだった。

「おらが……勇者!?」

「そうです。あなたは神に選ばれし伝説の勇者となったのです!」

「だどもおら、戦ったことなどねえですし、畑の手伝いもあるんだが」

家の中に案されて、父親も母親も兄もトーマスを止めなかった。農村は人手よりも食い扶持が減る事を求めていた。それに……

「こちらで旅支度をしてください。それとこちらは家族の方への補償です」

金貨のった袋を二袋ドンとテーブルに出す。両親も兄も目のを変えた。

斯くして勇者は魔王討伐の旅へと旅立ったのである。

「よし、旅立たせたから後は街に導して……一番近いのは王都か。ここって王都の穀倉地帯なんだな」

一旦戻って楓ちゃんとハルを迎えに行くかね。

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