《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:勇者vs竜人

リュー「くやしいけど私の負けよ(必殺技KO)」

「師匠、プリシラどんはどうしただか?」

「んー? あと一時間くらいしたら取りに行くから今はほっといて大丈夫」

「おい、オレを無視してんじゃねえよ!」

リューが楓ちゃんの橫っ面に拳を叩き込もうとした。楓ちゃんは指でそれを止めた。

「あっはっはっ、ツッコミやるにはちょっと殺意が乗り過ぎじゃないかな?」

「なんなんだ、あんた……巫主様と同じくらいやべぇな」

「巫主様って?」

「あ、私です」

あー、まあそうだろうな。なんでも里でやんちゃする度に〆てたそうなんですっかり怯えられて逆らわなくなったそうな。そこは同しよう。

「あんたがパーティリーダーか?」

「いや、飽くまでリーダーはトーマス君だよ。私らしばらくの付き添い」

「え? 師匠も一緒に行ってくれるんじゃねえだか?」

「私は勇者パーティにカウントされないからある程度鍛えたらそこまでだよ。後は君たちのやる気だけだ」

おおっと、どうやらトーマス君は楓ちゃんを頼る気満々だったみたい。まあそうだよな。多分勇者パーティ全員揃って、魔王が加わっても楓ちゃんの相手にはならなさそうだし。いや、魔王の強さはわかんないけど。

「という訳でそこの竜人の子とトーマスの勝負?それはやっちゃってやっちゃって。仲間になる人の実力は知っときたいでしょ?」

「オレはまだ仲間になるとは……」

「あれ? 葵さんから仲間になれって言われてないの?」

「……やっぱりあのババアの知り合いかよ」

その言葉を聞いて葵ちゃんが靜かにキレた。

「ちょっとあのクソガキぶっ殺して來ますね」

「待って、待ってよ葵ちゃん!? ガマン、ガマンだよ。あの子たちに魔王倒して貰わないといけないんだから!」

私らの葛藤は彼らには屆く事はなく、リューとトーマス君は決闘する運びとなった。二人とも剣を構えている。トーマス君はスモールシールドを前に持って片手剣を構える姿勢、リューの方は大剣を両手で持ってし後ろに引き摺るようにしている下段の構え。

「はじめ!」

楓ちゃんの號令に、リューが大剣を引き摺りながら前に出る。トーマスはスモールシールドを持った手に力を込めた。

「そりゃあ!」

下段からリューの大剣が跳ね上がって逆袈裟気味に斬りあげる。トーマス君はそれを盾でけずにしスウェーバックしてかわす。跳ね上がった剣がそのまま落ちて來た。トーマス君は盾でけ止めながら前に出た。

「なんだと!?」

そのまま盾をらせる様に懐にって、剣を手放し、拳を叩きつけてそこに寸勁を叩き込む。

「かはっ!?」

リューはそのままお腹を抑えて蹲った。

「そこまで! この勝負、トーマスの勝ち!」

楓ちゃんの宣誓にトーマス君はへなへなと足から崩れ落ちた。

「勝っただか……」

「トーマス、なんで最後剣じゃなくて寸勁にしたの?」

「竜人の裝甲はいって聞いとったんで裝甲の上からでも「徹し」が出來る寸勁にしただ。あと、仲間になろうってやつに刃を向けるのは違うと思っただ」

ほほう、いい判斷と気遣いだ。

「……いてて、悔しいけどオレの負けだ。この、好きにしてくれ」

「そんじゃ魔王討伐に力を貸してくれるだか?」

「ああ、魔王討伐だろうがどこだろうがついて行ってやるよ」

し顔が赤かったのは気の所為?

「あの子、私以外の里の男は相手にならなくて、旦那になるのは自分を負かした奴にするって言ってましたからね」

「あー、なるほど。そういう基準ね」

ますますトーマス君のハーレムになりそうだ。それにしてもプリシラちゃんは大丈夫なのかな? 現場の霊さん?

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