《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:衛兵さん、こっちです!

衛兵がチンピラと繋がるのは良くあること。

二人組の衛兵がハゲを助け起こす。

「ハゲーノさん、大丈夫ですか?」

「ううっ」

どうやらハゲーノという名前らしい。名はを表す。

「貴様ら、何をやった? 正直に話してもらおうか?」

「えーと、イカサマされたんでー、暴いて帰ってきたら私を捕まえようとしたので抵抗しましたー」

「よし、イカサマして暴行したんだな! 逮捕だ!」

おいおい、話が聞けない子なんですかね? それとも分かっててやってる?

「この街で俺たち衛兵に逆らうとどうなるか分かってるか? 帝國への、皇帝陛下への反逆罪になるぞ!」

あー、まあそういうもんだろうね。というか全然怖くない。いざとなったら國ごと潰せば良いんだし。一般帝國民に被害が出るのはどうかと思うけど。

「おい、こいつらを連行しろ!」

「はっ!」

後から來た衛兵たちに指示を出す。どうやら衛兵の中でも上の方らしい。

「あなた、衛兵隊長か何か?」

「衛兵第三隊、隊長のワイーロだ。大人しくしろ」

名はを表す。なるほどだ。まあ一旦捕まるかね。

「二人とも、大人しく捕まるよ」

「え?」

「ほら、勇者探すのに闇雲に探すのもなんだから皇帝陛下とやらを脅して探してもらった方が良いかなって」

「ひとみーん、ちょっとそれは無茶苦茶過ぎないー?」

「いいのいいの。いざとなったら力づくで何とかすれば良いでしょ」

「まー、そーだけどー」

ストラちゃんは何も言わずに素直に従ってる。私が言ったことは絶対みたいに言ってたことがあるから従ってんのかな?

「大人しくしてるなら暴な事はせんぞ?」

下卑た笑いでワイーロが私らに縄をかける。いやいつでも燃やして出できますけど。ハルも霧になれば簡単。キツそうなのはストラちゃんだけか。

「とっとと歩け!」

と連れられて行ったのは宿屋。あれ? 駐屯地みたいにしてんのかな?とか思ってた時もありました。三人を別の部屋に押し込めると、私はベッドに転がされた。

「へっへっへっ。取り調べをしてやるぜ」

「取調室とかじゃないの?」

「こっちの方が橫になれて楽だろう? お前は人だからな。はねえが」

関係ねえ……ああ、そういうことか。つまり役得を部下に味わせて裏切らなくするんだね。それで若くもなくもない私が貧乏くじ……ちくせう。頭に來たぞ。

「さあ、観念して……」

「イフリート」

私のが炎に包まれて縛ってる縄を焼き切った。なお、來ている服には焦げ目もつかない様にしている。

「なっ、なっ、なっ!?」

「帝國の役人がここまで腐ってるとはね。いや、帝國だからかな? ともかく貴様らのやった事は萬死に値する!」

逃げられないように部屋の中を炎で覆った。このまま焼き切っても良いんだけど、先にストラちゃんかなあ。ハルはほっといてもいいや。

「ストラちゃん!」

「いやあ、このお、離し、て!」

「へっへっへっ。大人しくしろよ。どうせ助けなんて來ねえんだからよ!」

良かった。まだ間に合ったみたいだ。そのままつかつかと歩み寄り、思い切り蹴りをれる。

「ヒトミ様!」

ロープを焼いてやるとストラちゃんが飛びついてきて泣きじゃくってた。あー、まあ、世界樹の世話で俗人との流が殆どないストラちゃんにはキツかったかな。

逆隣の部屋からは「キャーイヤータスケテー」などと無茶苦茶棒読みの悲鳴が聞こえてくる。私の耳だから聞こえるんだけど。仕方ない、迎えに行くか。

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