《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:皇帝陛下との対面

真打は遅れて現れる(今はまだその時では無い)

ハルの部屋にると縛られて転がってる衛兵とベッドの上で寢転びながら棒読みの悲鳴をあげているハルが居た。何やっとんだお前は?

「あ、ひとみーん、助けてーん」

出してたんならもっと早く出てこんか」

「だってー、ひとみんに助けてもらいたかったんだもーん」

そしてハルの視線が私にしがみついて泣きじゃくってるストラちゃんに向いた。

「あ、もしかして早く助けなきゃ行けなかったやつー?」

「そうだよ(真顔)」

「うわー、ごめーん、ひとみんが大丈夫なのは分かってたけど、ストラちゃんの事忘れてたー」

あー、まあ、普段はストラちゃんの枠が楓ちゃんとか澪ちゃんだもんね。ほっといても大丈夫とか思う様になるわな。

「さて、それじゃあ隊長のワイーロさん? 私たちを皇帝陛下のところに連れて行ってくださる?」

「わ、私の権限じゃ無理だ!」

「あれぇ? 皇帝陛下の前で斷罪するんじゃなかったっけ?」

「そういえば大抵の人間は諦めるからな」

なるほど。実際はどうでもいいか。さて、それじゃあどうしようかとか思ってたらストラちゃんがおずおずと手を挙げた。

「あの、私、世界樹の守り役として皇帝陛下に謁見できますけど……」

あれ? じゃあこんな危ない橋渡らなくても良くない? なんで言わなかったの?

「聞かれなかったので」

あー、そうですね。會えるかどうかとか聞いてませんでしたね。まあ會えるなら手っ取り早いからお願い。

皇城は雄大で歴史よりも新鋭というじの造りだった。最先端技を費やして改築するデビルガンダ……城。それが帝國の皇城。門番にストラちゃんが謁見を申し込み、許され通されるまで半刻も掛からなかった。

立派な廊下を通り、皇帝陛下のいらっしゃる謁見の間に通される。両側には近衛であろう騎士が詰めており、段差があって上には皇帝陛下が鎮座されていた。うん。あの椅子に座ってたら偉そうだって直ぐにわかるね。

歳の頃は四十をしすぎたくらいであろうか。なかなかにナイスミドルなおっちゃんである。その皇帝陛下が口を開いた。

「世界樹の守り人よ。用事というのは何だ? 世界樹に何かがあったのか?」

「いえ、違います。私が魔王を倒すための旅に出る事になりましたのでご挨拶をと」

「ほほう? ちょうど今我が國に勇者と名乗る一行が來ておってな。それも導きかもしれん。會うてみるか?」

あれ? もうこっちまで來てたのかな? 楓ちゃんが無理でもさせたかな?

「誰か、勇者の一行をこちらにご案せよ!」

メイドの何人かが走って行ってしばらくすると三人くらいの足音が聞こえて來た。って來たのは……誰だ、こいつら?

戦士風の男は格が良くて二メートルくらいはあるだろう。バスタードソード?みたいなのを裝備してる。後ろには弓兵。軽裝だから猟師出かな?背も高い。二メートルはないけど百八十近くはあるんじゃないかな? 最後の一人は斥候っぽい。武は短剣かな? 長はし低めで百五十ちょい。

「勇者フェイク、ここに參上しました」

名はを表す。いや、それはもういいって? どう見ても偽だよなあ。でもまあそこそこの実力はあるのかもしれない。この際魔王を倒せるならこいつでも良くない?

「お姉様、今、私はお姉様に直接語りかけています」

むっ、頭の中に聲が。この聲は澪ちゃん? 急通信かな?

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