《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:てめぇーどこ中よ?

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頭の中に澪ちゃんの聲が響いた。

「澪ちゃん?」

「ああ、麗しのお姉様のお聲!」

「あのさ」

「まるで小鳥のさえずりの様な爽やかさと心地良さ……たまりませんわぁ」

あかん、完全にトリップしとる。

「澪!」

「ひゃい! あ、お姉様申し訳ありません」

「分かればよろしい。それで何の用?」

「そこに居るのは前任の神が指名した勇者ですわ」

あ、偽って訳じゃないんだ。それは悪い事をしたなあ。

「私が引き継いだ時に素行があまりにも悪かったので解任を言い渡したのですけど、どうやらまだ活していたみたいですわ」

「素行、悪かったの?」

「戦闘はともかく、酒場に押しりタダ飯タダさけ。の子は襲うし商人から金を巻き上げるしストレス発散にスラムで暴力行為ですわ」

それ、単なるゴロツキなんじゃない? そんな奴らが勇者とは……

「ですからトーマスを勇者にしたんですわ」

つまり、経歴詐稱って訳だね。よし、分かった。

「ひゅー、このお嬢ちゃん、エルフじゃねえか」

「マジか? はねえけど楽しめそうじゃね?」

「ばっか、あっち見てみろよ」

「おおーっ、ありゃあ男好きする型だわ。挾まれてえわ」

我が友ハルは黙っていればだもんね。健康的なしてるし。

「どうかね、世界樹の守り手殿?」

「どう、とは?」

「勇者パーティに參加するのであろう?」

それを聞いて勇者パーティの面々はめきたった。

「マジかよ! 歓迎するぜ。手取り腰取り可がってやるよ」

「ばーか、取るのは足だろ」

「俺はケツ取ってやるぜ」

聞くに耐えない下品さ。それでの子がなびくとでも? いや、こいつらにとっちゃ玩でしかないのか。

「お斷りします。私の勇者はこんなアホではありません」

その言葉に勇者フェイクは目を鋭くらせる。

「それはどういう意味だ、小娘?」

「言ったままの通りですよ」

「小娘! 俺をコケにしてタダで済むと思ってんのか?」

息を荒らげて怒る勇者(仮)。ストラちゃんはじることすらしない。

「言うこと聞かないなら力づくで何とかすれば? ちょうど三対三なんだし」

三対三って……あー、私とハルもってんのね。いやまああの程度のオス共に負けたりはしないんですけど。

「それはなかなかに面白いな」

皇帝陛下が楽しそうな聲をあげて側近のヤツらがいていく。

「それならば勇者一行と守り人殿のパーティで模擬戦を行う事とする!」

皇帝陛下の宣言が高らかになされた。三対三って事は私たちにも働けって事だよね? なんというかストラちゃんに任せてあとは観戦してるだけってのは通らないらしい。

私らは闘技場に通された。勇者パーティ? 私らか弱い(當社比)の子だけのパーティだからね。きっと楽勝とか思ってんだよ、あいつら。

「おい、泣いて命乞いするなら今だぞ?」

「ここで命の危険があるんですか?」

「無いように気をつけてもらうが事故は起こるかもしれぬ」

まあ殊更に私らを手にれるためなら怪我とかあっても深刻なダメージはないと思う。

「最初は俺が行かせて貰うぜ」

斥候役のチビ……背の低い男が出てきた。こっちは……私が行くか。ハルは弓兵戦、ストラちゃんは大將戦で擔當する事になった。はあ、めんどくさい。こうなったらさっさと終わらせようっと。

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