《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:勇者特急で帝國にただいま到著

銀のつばさにのぞみを乗せたりはしないのです。

強大な闇の力を出してる勇者フェイク。いや、もう勇者という呼び方も相応しくないのかもしれない。あれは既に災厄が形となったものだろう。じゃないから魔では無いけど。

「闇の気配に慌てて駆けつけてみたらなんかえれぇ事になってんなあ!」

私らの、というか澪ちゃんのお手製勇者トーマス君だ。ここまでどうやってってきたのかとかは非常事態なので省こう。うん、ドアの向こうに倒れてる騎士とかいるけど見なかった事にする。

「その子を放すだ!」

「やかましい! これでも喰らえ! 咎人裁き(ギロチンスラッガー)!」

「へァ!」

フェイクは振り向きざまに斬撃をトーマス君に飛ばす。トーマス君は気合いでそれを叩き潰した。

「なにぃ?」

「お前の攻撃は効かんだや!」

「生意気な……ならば俺が改めて相手してやろう!」

フェイクはストラちゃんを呪縛したままトーマス君に向き直った。トーマス君はそんなフェイクに剣を構えたまま対峙している。ふむ、強くなったんだなあ、きっと。

「無慘に斬られ果てるがいい!」

フェイクが先ず先手をとった。一足飛びにトーマス君のところへ行くと上段から力任せに剣を振り下ろした。

「なんの!」

トーマス君はそれをけ流し、巻き込みながら前に出る。懐にったトーマス君だったが、その顔面にフェイクの拳が飛んできた。

「あメェよ」

「うわっ!」

間一髪でを後ろに反らしてそのまま下がるトーマス君。どちらも相當鍛えられてる。楓ちゃんがしヤキモキしてた。あのね、普通の人間は顔面で攻撃をけ止めてそのまま毆るとかはしないと思うんだよ?

「やるじゃねえか」

「そっちもの」

「だが、遊びは終わりだ!」

フェイクのに剣から闇が立ち上り、フェイクのを覆っていく。フェイクのを覆ったその闇は漆黒の鎧となって顕現した。

「俺の鎧、悪魔の鎧(デモンメイル)だ。能も悪魔的なんだぜ?」

「勇者が闇にとらわれたっての?」

「とらわれたんじゃねえ。闇すらも俺の手足同然って事だ」

とは言ってもどう見ても闇に飲み込まれてるようにしか見えない。

「そんならオラも!」

おおっ、トーマス君もなんか纏うの? やっぱりの鎧、輝いて煌めいてる帝王みたいなやつよね?

「はあ!」

アーマーパージ……え? いや、なんでいだの? ドラゴン座の聖闘士かなんかなの?

「鎧はを無くしますだ。だからで直接攻撃をじられる様にいだのですだ」

うーん、まあ世の中にはげばぐほど強くなる活殺拳とかの拳法もあるしなあ。いやいや、それはいくらなんでも……

「楓ちゃん、楓ちゃん」

「あ、ひとみさん、どうしました?」

「どうしました、じゃなくて、なんでいでんの?」

「あー、それは私とやってると鎧が意味無いから回避に専念する為にぐ事を選択したからだと思います」

つまり、楓ちゃんの地獄の特訓なわけですね。なるほど。

「ちなみにの子たちにも好評でしたよ。キャーキャー言いながら指の間から食いるように見てましたから」

……うん、まあその辺はそっとしておいてやろう。トーマス君が全力発揮できるなら構わんのだよ。

「地獄に送ってやる!」

「闇は全て駆逐するだ!」

凄まじい勢いで二つの塊がぶつかって、最後に立っていたのは一人だけだった。

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