《【書籍化&コミカライズ】創魔法の再現者 ~『魔法が使えない』と実家を追放された天才年、魔の弟子となり正しい方法で全ての魔法を極めます。貴方の魔法は、こうやって使うんですよ?~》124話 今は、まだ
「なんだか、エルの聲を聞いたのも久々な気がするわ」
「僕も同じことを考えていました」
苦笑いを換し、そこから二言三言近況報告や軽い言葉をわしたのち。
「……エル」
カティアが、しだけ揺らぎを見せた聲で彼の名を呼ぶと。
そのまま近づいてきて……ぽすりと。彼の元に、頭を預ける。
「カティア様?」
「ごめんなさいね。……しだけ、こうさせて」
縋り付くような勢。けれど抱きつくほどではなく、靜かに、しだけ重を預けるような格好だった。完全に縋り切ることだけは、なんとか自制しているような。
……なんとなく。今なら、気持ちがエルメスもわかる気がした。
このまま、縋り切ってしまったら。お互いに肩を預け切ってしまったら。このまま立ち上がれなくなるんじゃないかという不安が、エルメスもあったから。
だって──まだ、何一つ終わっていない。
「まだ、ここからですもんね」
エルメスの言葉で理解してくれたことを察したのだろう、カティアも答える。
「ええ。あの魔を打倒することもそうだし……私たちにとっての本當の戦いは、まだこの先だもの」
「……はい」
そうだ。
現狀カルマの対処に全てのリソースを割いている、割かざるを得ないが。それでも二人にとっての本番は、この先。カルマを倒した後の、王都に突してからの戦い。
本當に倒すべき相手。話をするべき相手は……二人とも、王都の中にいるのだから。
カティアは、ユルゲンと。
エルメスは、ラプラスと。
互いに因縁深い相手、最初から相容れないと悟っていた相手、或いは同じ志を持っていたと思っていたけれど心のでは破滅をんでいた相手。
「…………」
……ふと、今ならば思う。
ユルゲンが裏切った時、カティアは『どうして』と何度もんだ。エルメスも全く同じことを思った。どうして──あんなことをしてしまったのかと。
その的な容については、まだ分からない。
けれど……大まかな機ならば、今ならなんとなく分かる気がする。
簡単な話だ。
ユルゲンも、そしてラプラスも。自分の信じるもの、どうしてもせずにはいられないもの、或いは自分にとって『正しい』と思ったものに従って。
誰も、彼も──好き勝手やった(・・・・・・・)にすぎないのだろう、と。
その容を。
自分も理解することはできないのかもしれない。ましてや納得や共なんて、安易にできると思うこと自が傲慢なのかもしれない。
でも、それでも。
──知ることは、ちゃんとしたいと。今は素直に、そう思ったから。
そのためにも……こんなところで、立ち止まってはいられないのだ。
きっと、カティアの心も似たようなものだろう。
だから、今は。お互いそのために気を張り詰めていなければならない。それを見據えて、進み続けなければいけない時間だ。
……けれど。
それでも、やっぱり一番長い時を共に過ごしてきたからこそお互いは特別で。こうして軽くれ合っているだけでも、心の中の何かが回復していくような気がしたから。
「ありがとう。もう大丈夫よ」
數分ののち、カティアがを離す。その瞳に浮かぶのは、いつも通りの凜とした。
……お互いやるべきことは、もう分かっていたから。
「勝つわよ、エル」
「はい。必ず」
馴染で、主従で、共に歩める人。
その二人にとって、余計な言葉はいらず。
それだけをわすと、また二人は別々の方向に歩み始める。
……先ほど考えていた不安も、しだけ解消されているような気がした。
そうして。
彼らにとっての一つの決戦の日が、やってくる。
短めですみません!
次回、決戦開始です。
最初から飛ばしていく予定なので、ぜひ楽しみにしていただけると!
そして、前回告知した別サイトでの新作も更新進めております!
畫面下部のリンクから飛べると思うので、よろしければそちらも読んでいただけると嬉しいです!
聖女が來るから君を愛することはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖女が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?【書籍化&コミカライズ決定】
「私は聖女を愛さなければいけない。だから君を愛することはない」 夫となるユーリ陛下にそう言われた私は、お飾りの王妃として靜かに日々を過ごしていくことを決意する。 だが、いざ聖女が召喚されたと思ったら……えっ? 聖女は5歳? その上怯え切って、體には毆られた痕跡が。 痛む心をぐっとこらえ、私は決意する。 「この子は、私がたっぷり愛します!」 身も心も傷ついた聖女(5歳)が、エデリーンにひたすら甘やかされ愛されてすくすく成長し、ついでに色々無雙したり。 そうしているうちに、ユーリ陛下の態度にも変化が出て……? *総合月間1位の短編「聖女が來るから君を愛することはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、夫と聖女の様子がおかしいのですが」の連載版となります。 *3話目だけ少し痛々しい要素が入っていますが、すぐ終わります……! *「◆――〇〇」と入っている箇所は別人物視點になります。 *カクヨムにも掲載しています。 ★おかげさまで、書籍化&コミカライズが決定いたしました!本當にありがとうございます!
8 142サブキャラですが世界と戦います
2222年に10000人中1999人の高校生に能力が発癥した。 その能力は様々であるがその三年後、いち早く適応したのは日本だった。 主人公ムラサキとその親友アオは自らの能力と立場から己を「サブキャラ」としている。 しかし、能力の発癥が遅かった2人は世界の殘酷さを知っている。 これは何気に強い2人がなんやかんやで政府(そして世界)に立ち向かっている行く恐らくサブキャラ?の話である。
8 78三人の精霊と俺の契約事情
三人兄妹の末っ子として生まれたアーサーは、魔法使いの家系に生まれたのにも関わらず、魔法が使えない落ちこぼれである。 毎日、馬鹿にされて來たある日、三人のおてんば娘の精霊と出逢う。魔法が使えなくても精霊と契約すれば魔法が使えると教えてもらう。しかしーー後から知らされた條件はとんでもないものだった。 原則一人の人間に対して一人の精霊しか契約出來ないにも関わらず何と不慮の事故により三人同時に契約してしまうアーサー。 おてんば娘三人の精霊リサ、エルザ、シルフィーとご主人様アーサーの成り上がり冒険記録!! *17/12/30に完結致しました。 たくさんのお気に入り登録ありがとうございます。 小説家になろう様でも同名作の続編を継続連載してますのでご愛読宜しくお願いします。
8 107異世界はチートなカードで乗り切ろう!?
中學3年の夏休み、部活帰りの途中に不慮の事故で亡くなってしまった主人公、対馬(つしま) 空(そら)は神にミスだったと謝罪される。お詫びとして異世界に転生させてもらえることになった。(ついでにチートスキルも貰った) そして、のんびりと異世界ライフを堪能……できない?! 不定期更新です。一月以上更新しないこともあるけどその時は許してね☆(なるべくそうならないように努力します)
8 103創造神で破壊神な俺がケモミミを救う
ケモミミ大好きなプログラマー大地が、ひょんなことから異世界に転移!? 転移先はなんとケモミミが存在するファンタジー世界。しかしケモミミ達は異世界では差別され,忌み嫌われていた。 人間至上主義を掲げ、獣人達を蔑ろにするガドール帝國。自分達の欲の為にしか動かず、獣人達を奴隷にしか考えていないトーム共和國の領主達。 大地はそんな世界からケモミミ達を守るため、異世界転移で手に入れたプログラマーというスキルを使いケモミミの為の王國を作る事を決めた! ケモミミの王國を作ろうとする中、そんな大地に賛同する者が現れ始め、世界は少しずつその形を変えていく。 ハーレム要素はあまりありませんのであしからず。 不定期での更新になりますが、出來る限り間隔が空かないように頑張ります。 感想または評価頂けたらモチベーション上がります(笑) 小説投稿サイトマグネット様にて先行掲載しています。
8 156私、いらない子ですか。だったら死んでもいいですか。
心が壊れてしまった勇者ーー西條小雪は、世界を壊す化物となってしまった。しかも『時の牢獄』という死ねない効果を持った狀態異常というおまけ付き。小雪はいくつもの世界を壊していった。 それから數兆年。 奇跡的に正気を取り戻した小雪は、勇者召喚で呼ばれた異世界オブリーオで自由気ままに敵である魔族を滅していた。 だけどその行動はオブリーオで悪行と呼ばれるものだった。 それでも魔族との戦いに勝つために、自らそういった行動を行い続けた小雪は、悪臭王ヘンブルゲンに呼び出される。 「貴様の行動には我慢ならん。貴様から我が國の勇者としての稱號を剝奪する」 そんなことを言われたものだから、小雪は勇者の証である聖剣を折って、完全に勇者をやめてしまった。 これで自分の役割を終えた。『時の牢獄』から抜け出せたはずだ。 ずっと死ねない苦しみを味わっていた小雪は、宿に戻って自殺した。 だけど、死ぬことができなかった。『時の牢獄』は健在。それに『天秤の判定者』という謎の稱號があることに気が付く。 まあでも、別にどうでもいいやと、適當に考えた小雪は、正気である間を楽しもうと旅に出る。 だけど『天秤の判定者』には隠された秘密があった。 アルファポリス様、カクヨム様に投稿しております。
8 145