ちょっと短いです。夜また更新します。

「仕事ができない程度で、一度保護した子供を放り出したりはしない。もし錬金のことで役に立たなくてもだ。公爵邸には他にも仕事がある。この國や公爵家に害を及ぼさない限りは、ここにいていい」

この人は、私のことを子供だと思っているから、こんなにも配慮してくれるんだろうか。

本當は大人だと分かってしまったら、優しくはしてくれないんだろう。そのことを思うと、自分がディアーシュ様の善意を利用しているようで、心苦しい。

「お前はもう果を出しているんだ。一日や二日休んでも問題はない。王陛下も、話せばそう理解してくれるだろう」

そういえばアインヴェイル王國の王様はだったか。

だから……アリアにほだされたりしなかったのかな？

霊にされている聖なら、から手が出るほどしいだろうに、要求に応じなかったのは、だからだったのかもしれない。

アリアは仕掛けで人を作しようとするから、元々けが良い方ではなかった。あの勝手さを危険だとじていたんだろう。

「王陛下は子供のことを思いやってくださる方だ。縁戚の私のことも、気遣ってくれる。たとえばお前の國に行った聖から、側に侍って靴を舐めろと言われて私は斷固拒否した。それで怒らせ、國に悪影響を與えるとわかっていて、王陛下も庇ってくださったほどだ」

はぁ！？

私は頭の中が真っ白になりそうだった。

一國の公爵に靴を舐めろって、いったい何を考えてたのアリアは！

「え、ディアーシュ様、あの聖からそんな被害もけてたんですか……」

王陛下が庇うのも納得だ。

ただ「逆らうことイコール國の行く末をかけた案件」になるせいで、ものすごく決斷に苦悩したと思う。

「ああ。そのせいで王陛下は、あのに『若さに嫉妬していじめられた』などとありもしない話をばらまかれてしまった。申し訳ないことをしたと思っている」

アリアは元から卑劣な人だとは思っていたけど、そこまでひどいとは。

想像しただけでめまいがする。

霊を従えられるから気が大きくなったのかしら。

「なんにせよ、多のことは気にするな」

ディアーシュ様が私に向かって手をばす。頭をでるつもりかなと、それをぼんやり見ていたんだけど。

「だから安心するといい。もう眠りなさい」

彼の手は私の目を覆った。

「え」

ちょっと待って、これ、逆に恥ずかしいんですけど？

異の手がれているだけでも、なんだか気にしてしまうのに、視界を遮られるのは……。

でも暴れて拒否すると、それこそ意識してるみたいだ。

子供のふりをするなら、嫌がらない方がいい？　それともの子なんですよと叱るべき？

迷っているうちに、書きをしてて目が疲れていたのか、手の溫かさでじんわりと癒される気がする。

心で焦っていたら、ディアーシュ様はとんでもない方法に出た。

「眠れ」

その言葉の後、すとんと意識が落ちた。

……朝、ベッドの中で目覚めて、あれが眠らせる魔法だったと気づいた私は、呆然とする。

ええとディアーシュ様？

けっこう力技すぎでは。子供だからさっさと寢付かせてしまえ！　とでも思ったのだろうか。

その分だけ恥ずかしさがすっ飛んだので、まぁ、良かった？　かな？