《【書籍化】薬でくなったおかげで冷酷公爵様に拾われました―捨てられ聖は錬金師に戻ります―》部屋には多問題があるようで
部屋を移るのは、守りにくいからかと思っていた。
ピンクをれたいのは、私の外見のせいだろう。十二歳だと偽っているのだし。
しかし私の部屋を、王陛下用レベルにまでする必要はないはず。
ナディアさんがちょっと困った顔をした。
「公爵閣下の指示だと、アガサ様が言っていたわ。どうしてもそうする必要があるって」
「必要ですか」
ディアーシュ様が必要だと指示したのなら、その通りなのだろうけど。
理由はさっぱりわからないままだ。
首をかしげていると、ふっくらした頬のメイドさんが、さっと居住まいを正して一禮する。ナディアさんも遅れて同じようにした。
そして誰かが歩いて來る足音がする。
振り返ると、重たいマントを羽織った、帰って來たばかりと言った様子のディアーシュ様がいた。
「部屋はここにしたのか」
「はい。オイゲン様とアガサ様でそのように」
ふっくらした頬のメイドさんが答える。
「もうし、の子らしい家やしつらえに変えようかと思っております」
ナディアさんが言うと、ディアーシュ様はうなずきながらも私に聞いてくれる。
「お前の要は?」
「できればこれ以上は派手にならない方がうれしいです」
そう言ったら、ディアーシュ様はし考えるそぶりをして告げた。
「多は我慢するように。あと、部屋を移した件について話がある」
彼が先に立って、部屋の中のソファに座る。
一緒にと言われたので、向かい側に私は座った。ナディアさんやもう一人のメイドさんはその後ろに立つ。
「単刀直に言うと、リズ、お前は今日から貴族令嬢のふりをして過ごせ」
「き、貴族令嬢ですか?」
「王陛下から、王都から離れた地域の貴族令嬢を保護したことにする許可を頂いた。分も経歴も、王陛下の方で証拠を作っておいてくださる。真実味をもたせるため、今日、私は王陛下に會い、保護の報告をし、「公爵家で預かるように」と建前の指示をいただいた」
「お部屋を豪華にというのは、リズという名前の、貴族令嬢を作り出すためだったのですね」
ナディアさんの言葉に、ディアーシュ様がうなずく。
「そうだ。実在するという証拠をつくるためにも、客としての待遇をけている錬金師ではなく、王陛下の命令で保護する貴族令嬢がいるらしい部屋に住み、令嬢らしく生活をしてもらいたい」
萬が一のための証拠づくりの一環だ、とディアーシュ様が付け加えた。
「錬金師とは別の存在とするのですね」
「そうだ。錬金師は、いずれ弟子達に名乗らせて前面に押し出す。薬師ギルド長もいるので、その辺りの対応は任せられるはずだ」
「そうして、リズを神殿が探している者ではない、ということにするのですね」
なるほどと私はうなずいた。
神殿がやいのやいのと言ってきても、「私はお探しの錬金師ではありません」と言えるし、王陛下が認めている貴族令嬢なら、強引に追い返せる。
「ラーフェン王國に対しても、目くらましになりますね」
公爵家にリズという名前の人間がいるとしても、アインヴェイル王國の貴族令嬢ならば、錬金師とは別人であるという印象が強くなるはずだ。
「そうだ。とにかく錬金師について匿する必要がある。今後、リズは王陛下よりお預かりした貴族令嬢として扱う。食事は基本的に部屋で。公爵家の人間以外の目にあまりれないようにするか、人の目がある場所へ行く場合には、貴族令嬢らしくしてもらいたい」
貴族令嬢らしくというのは、無理な注文ではない。聖の時には貴族令嬢らしく暮らしてたわけだし。
「あ、でも作業場へ行く時は人目にれると思うんですが、どうしましょう。ドレスを著るわけにもいきませんし」
発や失敗どころか、調合途中でドレスを汚すこともある。
「髪を変えるか、目立たないように出りしてもらうしかない。もしくは、男裝なりメイドの服裝をしておけばいいだろう」
まぁ、髪のや服裝が違うだけでも目くらましにはなる。
「あと、萬が一にでも部屋に侵する者がいたら、隣の部屋に通じる扉から逃げろ」
私は目をまたたいた。
「部屋が繋がっているんですか?」
「外からは繋がっているかどうかわからないはずだ。萬が一の避難路の一つだが、有効な使い方だろう」
ディアーシュ様は淡々と説明してくださった。けど……。
「そうですね。神殿も魔法を使う者が多くいます。窓からの侵を試みることはないとは思うのですが、萬が一がありますから。閣下のお部屋に逃げ込めるようにしておいたほうがいいと思われます」
ふっくらした頬のメイドさんは、安心した様子で同意していた。
「なるべく私もリズの部屋にいるようにするけれど、夜はどうしても手薄になってしまうわ。萬が一の場合には、閣下を叩き起こしてもらった方が安全だと思うの」
ナディアさんまでそんなことを言うのだけど。
―――ん?
閣下を、叩き起こして?
てことは、隣はディアーシュ様の部屋!?
「え」
ディアーシュ様の部屋と私の部屋が繋がってるって、どうして!
びそうになった聲を、ぐっと飲み下す。
いやいや、冷靜になれ自分。この部屋に決めたのはオイゲンさんとアガサさんだ。二人はそれも承知の上で、私の部屋を移したわけで。
たぶん、安全のためなんだろうけど。
(わかってるけど! 私は本當は十七歳なの!)
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