《【書籍化】生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件【コミカライズ】》霊魔法
「……それでねエルト」
「ああ」
セレナの言葉に相槌を打っていると――
「セレナばかりずるいわよ。私たちだって英雄さんと話をしたいのに」
數人のエルフが俺を囲んでいた。全員が顔を赤くしていることから酒が回っているようだ。
「ふふーん、エルトは私と話をしているだもん。悔しかったらブラッディオーガに攫われて助けてもらったら?」
上機嫌で寄りかかってくるセレナ。俺は立ち上がると……。
「あれ? エルトどうしたの?」
「ちょっと酔いを醒ましてくるよ」
大人數のに囲まれるのが苦手な俺はその場から離れた。
「いいぞっ! やれーっ!」
「負けるなフィル!」
のエルフを避けるように歩いていると男たちが盛り上がりを見せていた。なんとなくそちらを見ると、木でできたステージの上で2人の男が戦いを繰り広げている。
「あれは……」
片方はセレナの兄であるフィル。もう1人は村のエルフなのだろう。
両方とも木剣を握り締めていて、お互いに攻撃を仕掛けては一進一退を繰り広げている。
他人が戦っている様子に興味を持ち、何となく知り合いのフィルを心の中で応援していると……。
——カァーンッ――
相手のエルフの木剣がはじかれステージの上に転がった。
「ま、參った!」
両手をあげて降參するエルフ。周囲からは野次が飛び、勝者のフィルが稱えられていた。
「ったく。あとしだったのによぉ」
ぼやきながらステージから男が降りてきた。そこでフィルは俺に気付くと……。
「よおエルト。楽しんでるか?」
大きな聲のせいで全員が振り返り俺を見る。
「ああ、お蔭様でな」
答えないのも気まずいので俺は無難な返事をしたのだが……。
「よかったらやっていかないか? 俺に勝てたら賞品を出すぞ」
そう言って木剣を向けてくる。
俺はし考えると木剣を手に取った。
「おーーい! 村一番の剣の使い手フィルと巨人殺しの英雄が戦うのかよ!」
良く通る大聲に村中のエルフたちが集まってきた。
「それじゃあ、ブラッディオーガを倒したお手並みを見せてもらおうか」
フィルが木剣を掲げ俺もそれに合わせて剣を持ち上げる。そして2つの剣がぶつかるのが合図だったのか勝負が始まった。
「やっ! はっ! うらっ!」
フィルは真剣な表を浮かべ木剣を振り続ける。そのきは素人の俺から見て鋭く、よく見ているのに剣筋を見失いそうになる。
「おっと!」
上から振り下ろされたと思っていたが気が付けば左の死角から剣が迫っていた。俺はそれを木剣を合わせることでやり過ごす。
「どうしたっ! そっちからも打って來いよ!」
先程からこの調子だ。俺がこの勝負をけたのはしでも実戦経験を積んでみたかったからだ。ステータスの差があるお蔭でフィルのきは完全に見えている。
それなのに、こうして打ち込まれているのは俺に実戦経験が足りないからだ。
この先、自分の故郷に戻るまでに自衛手段は必要だ。
イビルビームを使えば敵を全て倒すことはできるのだろうが、あれは手加減できるスキルではない。殺したくないときに無力化できるように加減できる力が必要なのだ。
「……そろそろ頃合いか?」
フィルも俺の意図がわかっていたのか徐々に攻撃速度を上げていたのだが、限界らしい。俺はそろそろ攻めに転じようと気合をれなおす。
「ようやくやる気になったか? 言っておくがそう簡単に攻撃はもらわないからな!」
フィルは剣を握りなおすと不敵に笑うのだった。
「はぁはぁはぁ……馬鹿なっ!」
それから數分後、フィルは木剣にもたれかかり息を切らしていた。
俺はそんなフィルをじっと見ていると……。
「おいおい、村一番の剣の使い手のフィルが剣で人間におくれをとるだと?」
「あいつのき速すぎる。本當に人間なのか?」
「まさか賞品があいつの手に落ちるなんてことないよな?」
若干気になる言葉もあるが、揺が伝わってくる。
「さっきから繰り出してるそれ、俺の剣技じゃないか。まさか見て覚えたのか?」
そう、俺はフィルに打ち込ませることで彼の剣のきを覚えた。そしてそれをそっくり返して見せたのだ。
周囲を見ると、村中のエルフが集まっている。そして最前列の観客に俺は知っている顔を発見した。先程別れたセレナだ。
彼はに手を組むと真剣な顔をしている。
「セレナ。応援に來てくれたのか!」
フィルが嬉しそうに呟くと元気を取り戻したのか俺を見た。
「いやまったく予想以上だったよ。ブラッディオーガを倒したんだから當然だけど、ここまで強いとは」
フィルの賞賛に周囲のエルフたちも熱っぽい視線を俺に向けている気がする。
「だが、俺も負けるわけにはいかない。この賞品は誰にも渡すわけにはいかないからだ」
真剣な表だ。余程賞品を渡したくない様子が見て取れる。
「ところでエルト。父から話は聞いていると思うが、魅力によるオーラが見える條件って知ってるか?」
「いいや?」
「オーラを見ることができる眼のことを霊視っていうんだ。これができるエルフは霊と契約することができ、その力を使役することができる」
フィルの周りに風が集まるのをじる。
「つまり?」
「剣では確かに後れを取った。だが霊魔法を使った俺に勝てるかな?」
「むっ?」
フィルの周りを風が纏わりついているのが見える。攻撃しようにも風が遮るに違いない。
「なんつーか、大人げない」
「そこまでして賞品を守りたいのか……」
「いいぞフィル! 絶対に守り切れよっ!」
ギャラリーの聲にフィルは橫を向く。
「セレナっ! この兄はお前につく悪い蟲は排除してみせる!」
その言葉がきっかけで霊の力が増し、ステージを暴風が吹き荒れる。全力で打ち込めば突破できるだろうが、それだとフィルのに怪我をさせてしまう。
打つ手がなくなり俺はどうするか考えているとセレナが口を開いた。
彼は俺と目が合うと……。
「エルトーーー! がんばれー!」
「セ、セレナっ!?」
次の瞬間、風が止みフィルが棒立ちになった。
「隙ありっ!」
この機會を逃すものかと飛び込んだ俺はフィルの木剣を叩き落とし穂先を元に突き付けた。
「勝負ありっ!」
「やったあああああっ!」
嬉しそうに飛び跳ねるセレナ。まさか兄ではなく俺を応援するとは思っていなかった。
【最強の整備士】役立たずと言われたスキルメンテで俺は全てを、「魔改造」する!みんなの真の力を開放したら、世界最強パーティになっていた【書籍化決定!】
2022/6/7 書籍化決定しました! 「フィーグ・ロー。フィーグ、お前の正式採用は無しだ。クビだよ」 この物語の主人公、フィーグはスキルを整備する「スキルメンテ」が外れスキルだと斷じた勇者によって、勇者パーティをクビになった。 「メンテ」とは、スキルを整備・改造する能力だ。酷使して暴走したスキルを修復したり、複數のスキルを掛け合わせ改造することができる。 勇者パーティが快進撃を続けていたのは、フィーグのおかげでもあった。 追放後、フィーグは故郷に戻る。そこでは、様々な者にメンテの能力を認められており、彼は引く手數多であった。 「メンテ」による改造は、やがて【魔改造】と呼ばれる強大な能力に次第に発展していく。 以前、冒険者パーティでひどい目に遭った女剣士リリアや聖女の能力を疑われ婚約破棄されたエリシスなど、自信を失った仲間のスキルを魔改造し、力と自信を取り戻させるフィーグ。 次第にフィーグのパーティは世界最強へ進化していき、栄光の道を歩むことになる。 一方、勇者に加擔していた王都のギルマスは、企みが発覚し、沒落していくのだった。また、勇者アクファも當然のごとくその地位を失っていく——。 ※カクヨム様その他でも掲載していますが、なろう様版が改稿最新版になります。
8 68【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】
書籍化が決定しました。 レーベルはカドカワBOOKS様、10月8日発売です! 28歳のOL・哀川圭は通勤中にとある広告を目にする。若者を中心に人気を集めるVRMMOジェネシス・オメガ・オンラインと、子供の頃から大好きだったアニメ《バチモン》がコラボすることを知った。 「え、VRってことは、ゲームの世界でバチモンと觸れ合えるってことよね!? 買いだわ!」 大好きなバチモンと遊んで日々の疲れを癒すため、召喚師を選んでいざスタート! だが初心者のままコラボイベントを遊びつくした圭は原作愛が強すぎるが為に、最恐裝備の入手條件を満たしてしまう……。 「ステータスポイント? 振ったことないですけど?」「ギルド?なんですかそれ?」「え、私の姿が公式動畫に……やめて!?」 本人は初心者のままゲームをエンジョイしていたつもりが、いつの間にかトッププレイヤー達に一目置かれる存在に? これはゲーム経験ゼロのOLさんが【自分を初心者だと思い込んでいるラスボス】と呼ばれるプレイヤーになっていく物語。
8 175【書籍化】解雇された寫本係は、記憶したスクロールで魔術師を凌駕する ~ユニークスキル〈セーブアンドロード〉~【web版】
※書籍化決定しました!! 詳細は活動報告をご覧ください! ※1巻発売中です。2巻 9/25(土)に発売です。 ※第三章開始しました。 魔法は詠唱するか、スクロールと呼ばれる羊皮紙の巻物を使って発動するしかない。 ギルドにはスクロールを生産する寫本係がある。スティーヴンも寫本係の一人だ。 マップしか生産させてもらえない彼はいつかスクロール係になることを夢見て毎夜遅く、スクロールを盜み見てユニークスキル〈記録と読み取り〉を使い記憶していった。 5年マップを作らされた。 あるとき突然、貴族出身の新しいマップ係が現れ、スティーヴンは無能としてギルド『グーニー』を解雇される。 しかし、『グーニー』の人間は知らなかった。 スティーヴンのマップが異常なほど正確なことを。 それがどれだけ『グーニー』に影響を與えていたかということを。 さらに長年ユニークスキルで記憶してきたスクロールが目覚め、主人公と周囲の人々を救っていく。
8 171僕は精霊の王と契約し世界を自由に巡る
僕は生まれながらにして、不自由だった 生まれてからずうっと病院で生活していた 家族からも醫者からも見放されていた そんな僕にも楽しみが一つだけあった それは、精霊と遊ぶことだ 精霊は僕にしか見えなかったがそれでも精霊と遊んでいるときはとても楽しかった 僕は死んだ だが、異世界に僕は転生した! その世界で僕は精霊の王と契約し自由に生きていく
8 180これって?ゲーム?異世界?
余命2年の宣告をされてから1年後…朝、目を覚ますと…見知らぬ草原にパジャマ姿 両親からのクリスマスプレゼントは 異世界転生だった 主人公、森中 勝利《もりなか かつとし》 あだ名『勝利(しょうり)』の、異世界転生物語 チートスキルの冒険物(ノベル)が好きな高校2年生…余命は、楽しく、やれることをして過ごす事にする
8 134ひざまずけ、禮
「ひざまずけ、禮」 理不盡な死を遂げた者たちが、その運命に抗うため、化け物を退治する。どこまでも平凡な少年と文學少女が織りなす、學園ストーリー。・・・になるといいな!(白目)
8 71