《【書籍化】生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件【コミカライズ】》誤算の相手
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目の前には人間の冒険者たちが剣を構えて険しい表を浮かべている。
どいつもこいつも及び腰で、俺の瘴気を強めればたちどころに恐慌をおこすだろう。
「ん?」
そんな中に異質な人間を俺は見つけた。若い人間の男とエルフのだ。
この2人はまるで俺を恐れていないのか、武を持つとこちらの出方を伺っている。その態度に若干の苛つきを覚えるのだが…………。
「ど、どうしたっ! かかってこい!」
そんな中、この集団のリーダーを名乗っていた男が挑発してきた。
俺はそいつを観察していると……。
「なぜかかってこない!」
「ん。どうした? 救援を呼びに行ったのだろう? 待っててやろうというのだ」
「なっ!?」
男から恐怖のが湧きおこる。我らデーモンにとっては人間の恐怖は極上の馳走なのだ。
「俺としても移するのが面倒なのでな、人數が揃うまでは攻撃をしないでやろう」
把握している限り奴らはこの近辺に點々とベースを構えている。
それらを一つずつ潰して回るのは効率が悪かろう。それならば全員が集まってから叩いた方が楽というもの。
「ふざ、ふざけやがってえええーーー!」
冒険者の1人が剣を抜くと俺に斬りかかってきた。
「【ダークウェイブ】」
「ぐあああああああああああああああああっ!」
黒の衝撃波が男を包み込む。に黒い靄がとりつくと、男は苦しそうにび続ける。そして…………。
「クレッグ!?」
男はかなくなった。どうやら死んだらしい。
「はっはっはーっ! 脆い! 脆すぎるぞ! せめてしは俺を楽しませてしいものだなっ!」
周囲からじる恐怖の。それが心地よい。
俺は人間どもから向けられるにを委ねていると…………。
――ゾクリッ――
「なん……だ?」
面から今まで験したことのないがく。
「エルト。まだこの人息があるよ……」
いつの間にかエルフのがクレッグとかいう男を見ていた。
「ふん、息があるだと? だからどうした。俺の【ダークウェイブ】は邪神の技を真似て500年かけて編み出したのだぞ。の側が蝕まれいかなる治癒も意味をなさない」
黒い衝撃がを包み込み側からズタズタにするのだ。最上位の回復魔法ですら治しきれるものではない。だが…………。
「俺が見よう」
若い男が近寄ると、何でもないようにクレッグにれる。
「【パーフェクトヒール】」
次の瞬間、白いがクレッグを包み込んだ。
「あれ。俺はいったい?」
「なななななぁっ!?」
俺はアゴを大きくひらくと驚く。
「クレッグ、お前死にかけてたんだぞ」
「もしかしてお前が助けてくれたのか?」
「間に合って良かったです。もう無茶はしないでくださいよ」
クレッグが起き上がると男に禮を言った。どうやら本當に治っているようだ。
「ふざけるなっ! 俺の【ダークウェイブ】は食らったからにはのから蝕む攻撃だぞ! 貴様程度に治せるわけがない!」
俺の怒鳴り聲に周囲の人間共が俺に注目する。だが、その表は先程までの恐怖を纏っておらず…………。
「人が集まるまで待つというから靜観してましたが、これ以上は見過ごせない」
男が歩いてくる。すると俺の中に何かのが生まれた。
「エルト。どうするつもりだ?」
リーダーの男がエルトへと質問をする。
「こいつの相手は俺とセレナがします。皆は巻き添えを食わないように避難していてください」
「ほざくなよっ! 人間めっ!」
俺は湧き出す怒りと共に目の前のエルトと呼ばれた男へと攻撃を開始した。
「【カオスウイング】」
俺は空に浮かび上がると自分の翼をはばたかせ衝撃波を叩きつける。
この技は瘴気を纏わせた風をおくることで継続ダメージを與えるもの。広範囲を攻撃するので、避けようがない。
「【ウインドシールド】」
だが、エルフのが魔法を唱えると風のが出來上がり防がれる。
「生意気なエルフめ! 霊魔法か!」
エルフの中には生まれつき特殊ステータスを持つ者がいて、霊を使役することができる。
目の前のエルフはどうやら風の霊と契約をしているようだ。
「油斷大敵だぞ」
「なっ!」
風の魔法で飛ばされてきたのか、気が付けばエルトが俺の前まで迫っていた。
「く、くそおっ!」
咄嗟に腕を出しガードをする、デーモンのは生半可な武で傷をつけることはできない。け止めた上でカウンターを叩きこむ。そう考えていたのだが…………。
――ザンッ――
黒い腕が宙を舞っていた。一瞬、思考が停止した。だがすぐにそれが俺の腕だとわかると……。
「ぐああああああああああああああっ!」
「ついでに翼も奪っておくか」
背中にじる痛み。そして落下していく。
俺は地面に激突した。幸いなことに枯れ落ちた葉が積もっていたのでさしてダメージは無いのだが…………。
「おのれっ! 俺のを斬ったばかりか土をつけただとっ!」
これまでじたことのない屈辱に俺は目の前のエルトを睨みつけた。
「どうした? まだやるのか?」
肩に擔ぐ剣を見る。その剣に見覚えがあった。
「そ、その剣はまさかっ!」
デーモンロードと共に邪神の城を訪ねた時に邪神の後ろに飾られていた【神剣ボルムンク】。かつて勇者と呼ばれた人間が邪神に挑み唯一傷をつけた武。そんなものをなぜこの男が……。
「ん。この剣を知っているのか?」
エルトが無造作に近寄ってくる。この剣がここにある理由と魔人王が『最近邪神が沈黙している』という言葉が蘇る。
その時になり、初めて俺は自分が抱いているを示す言葉がわかった。
俺がエルトに描いている。
それは――
【恐怖】
――に他ならなかった。
「まあいいさ。ここで逃がすと厄介そうだし、余計なことを言われる前にその口をふさぐとしよう」
まるで薬草を摘み取るような気楽さで俺の命を刈り取ろうとする。
「ああああ……」
焦りが生まれ、近寄ってくるエルトに俺は……。
「だ、【ダークウェイブ】」
最後の賭けとばかりに最大の技を放った。だが…………。
「なん……発しない?」
はあった。だが、発した瞬間何かに吸い込まれたかのように消えてしまった。
「くっ! こうなったらっ!」
「あっ! 飛んで逃げるっ!」
エルフのがぶ。デーモンにとって翼は飛行の為に必須の部位ではない。
この巨大なは魔力によって構されており、純粋な質とは言い難い。空を飛ぶだけならば魔力を作すれば出來なくはないのだ。
「くっくっく。油斷したなっ! だが、お前という存在を知ることが出來たのは収穫だった。今は引き下がる。だが、これから先枕を高くして眠れるとおもわぬことだなっ!」
神剣とエルフの存在も知っていれば対処できる。今回遅れをとったのは報が不足していたからだ。俺は最後にエルトの悔しがる顔を見ようとを傾けるのだが…………。
「馬鹿なっ! それは……っ!」
エルトは両手をの前で近づけていた。そしてその中心には黒い波があった。
俺のダークウェイブとは比べにならないほどの存在を放つ。
「き、貴様がまさか邪神の…………」
次の瞬間それが解き放たれた。目の前に黒い波が迫る。
俺が最後に目にしたのはその波がを貫く景だった……。
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