《【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ》46.賢者様、ライカの説得に応じて石破キャット&ドッグ天驚ドリルみたいなのを出す

「だ、ダメですよっ! なんですか必要経費って! この間の雷の魔法もそうですけど、激しすぎるのは危険です! もっとやんわりしたのにしてください!」

ライカは私の目付きから何かをじ取ったのか真剣な顔で留めにってくる。

弱點を見抜きながら攻撃するのってめんどいし、昔から「ガンガン行こうぜ」って言うじゃん。

私ってそこまでやんわりした攻撃魔法を持ってないんだよなぁ。

どっちかというと、大規模破壊が得意だし。

「劣等種どもめ、何をごちゃごちゃとやっている!?」

「そうだ、魔法の仕えないお前たちが、我らの扱うモンスターに勝てるはずはないのだっ!」

「怪しげな幻を使いおって、この劣等種が!」

二人で話し合ってると、三人組はこちらをやたらと煽ってくる。

なるほど、こいつら未だに私の魔法を認めてないってわけね。

あれだけ間近で見せてあげたっていうのに。

頭ごなしに獣人である私たちを否定する態度。

それはどこかの誰かさんたちにそっくりだよ。

あたしゃねぇ、そういう決めつけが一番嫌いなんだよ。

「よぉし、ライカ、こうなったら二人でやっちゃうよ!」

「え、え、えぇえええ!? 私もですか!?」

煽り耐がないわけじゃないけど、売り言葉に買い言葉である。

変質者三人組に獣人の放つ魔法を見せてあげようじゃないの。

「そうだよ、劣等種だなんて、絶対言わせないかんね! いい? ここでこうして……」

「お、お師匠様! ふむふむ、なるほど!」

そんなわけで、私はとある作戦をライカに伝える。

先ほどのモンスターの復活の様子から考えると、あいつの弱點の予想はつく。

たぶん、きっと倒せるはず。

「あんたたち、刮目して見てなさいよっ! ライカ、行くよっ!」

「はいっ、お師匠様!」

私たちはぎょろぎょろ目玉の化けに向かって一気に駆け出す。

そして、後ろ足にぐんと力をれて思いっきりジャンプ!

「撃ち落とせ、ゲシュタルト!」

大柄の男の命令を聞いて、しゅばばっとこちらに向かってくる魔手。

それはまるで強靭な鞭のようにしなり、私たちを捕まえようとする。

しかし、絡めとられるわけにはいかない。

それなら、どうするかって!?

「貓ドリル!」

「柴犬ドリル!」

そう、ドリル魔法で跳ね返すのみ。

しかも、それだけじゃ終わらないよっ!

「ライカ、いっくよぉおおお!」

「はい! 私のドリルがって唸る! お前を倒せと輝きぶ! 」

ライカに合図を送ると彼は謎の口上をおっぱじめる。

魔力が溢れているのか、彼のドリルはオレンジを放ち始めていた。

うっそぉ、こんなところでかっこつけるの!? 何その!?

ええい、しょうがない、こっちが合わせてあげよう。

「「でりゃああああ! 犬貓ドリルぅうううう!!」」

私たちは息の合った連攜で、そのまま怪の目玉にドリルを直撃させる。

ドリルはそのまま敵のを貫通し、私たちは無事に著地。

ぐごがぁあああああああ!

は斷末魔をあげて、沈黙するのだった。

この魔は目玉こそが本であり、それを同時に破壊することで息のを止められると踏んだのだ。

ふふふ、計算通り!

「や、やりました! これが犬貓ラブラブ天驚ドリルですぅうう!」

嬉しそうに飛び跳ねるライカ。

いや、そんな技の名前じゃなかったと思うけどね。

なんだそのラブラブっていうのは。

「な、なんだ貴様ら、いまの技はぁああああ!?」

「なぜ背後に犬や貓が浮かび上がるぅううう!?」

「こんなものが魔法だとぉおお!? 認めん、認めんぞぉおお!?」

私たちの連攜魔法を目にした変質者たちは驚きの聲をあげる。

仮面で顔は見えないけど、唖然としてるんだろう。

しかし、驚きあきれる様は稽の極み。

この人たちのき、どこかで見覚えがあるじなんだけどなぁ。

まぁ、変質者の知り合いがいるのは嫌だし、仮面の下はどうでもいいや。

「さぁ、お師匠様と私の前に敵はいませんよっ! 大人しく毆られてください!」

ライカは魔法がうまく決まって気が大きくなっているのだろう。

びしっと敵を指さし、かっこいいセリフを発する。

ただし、彼に大人しく毆られたら骨が砕け、中があわわわになることは必須。

いくら悪人とはいえ、この場で私刑にするわけにはいかないぞ。

「くそがぁああああっ!」

「劣等種の分際でぇええ!」

大柄の変質者と年寄りの変質者は私たちに向かって魔法を放つ。

ファイアストームとかそういう上級魔法である。

まぁ、そこそこ使えるのかなとは思えるけど、貓魔法に死角はないよ!

「【長の神盾(ロングコートイージス)】!」

私たちの前に突如として大量のの壁ができあがる。

これはただのモフモフではない。

種の貓神様の魔力を宿しているモフモフなのである。

それは炎を防ぎ、雷を防ぎ、さらには寢袋代わりにもなる必需品!

変質者の炎などものともしないのである。

「な、何だぁああっ!?」

「け、の壁だとぉおおっ!?」

神々しい防魔法に唖然とする二人の変質者。

くふふ、隙だらけだよっ!

「ライカ、優しく留めをさしちゃいなさい!」

「はいっ! ふんわりたぁあっち!」

私が號令をかけると猟犬のごとくライカは走る!

そして、変質者二人の後頭部にいいじの手刀をれるのだった。

あぁよかった、理を持ち合わせていたみたいで。全然、ふんわりじゃないけど。

「くそぉっ、こうなったら! 貴様も來い!」

「きゃああっ!?」

しかし、敵もさるもの引っ搔くもの。

黒髪の変質者が休んでいたリス獣人のの子をさらって連れていくではないか!

「逃がしませんよっ! お師匠様、行きましょう! 私、追いかけるの大好きです!」

ライカは尾をぶんぶん振って変質者を追いかける。

ひえぇえ、私はそこまで好きじゃないんだけどなぁ。

【賢者様とライカの使った魔法】

犬貓ドリル:二人が魔力を親和させて放つ、それはそれは尊いドリル魔法。より強力なドリルで敵をうがつ。背後には犬と貓の両方の聖霊が現れ、首をドリル狀にしている様を拝むことができる。

の神盾(ロングコートイージス):長種のはとにかくもって頑丈である。もふもふとしており、むくむくともしている。その圧倒的な防力に目を付けて開発されたのが、この魔法である。賢者様にしては珍しく防魔法。床に敷けば最高のふわふわを験できる。眠くなるのも必然。

「面白かった」

「続きが気になる!」

「犬貓コンビの前に敵はなし……」

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