《【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ》47.変質者三人の難:奧の手をすべて封じられて涙目になるも、さらなる奧の手の登場だ!

「待っていろ! いますぐとっておきの魔道を持ってくるぞ!」

「よぉし、持ちこたえてやる!」

「ここはわしらに任せておけ!」

信じられないことが起きた。

我々が用意していた、古代モンスター「雙眼のゲシュタルト」が倒されたのである。

一つ目のレッドアイの姿も見えず、おそらくは討伐された可能が高い。

このままでは我々の野が潰される可能もある。

そう考えた俺は武を取りにアジトへと戻ることにした。

あの獣人どもは何かがおかしい。

嫌な予がするのだ、特にあの緑髪の貓を見ていると背筋に嫌な汗が流れる。

「くそっ、獣人の癖になんてやつらだ!」

走りながら俺は歯噛みをする。

敵の一人は犬人、そして、もう一人は貓人だ。

貓人の方は私の知っている間抜けなにそっくりだが、髪のが違う。

おそらくは他人の空似という奴だろうが、それにしても忌々しい。

しかし、それでも俺は諦めてはいなかった。

まだだ、まだやれる!

我々のアジトの奧には、俺の集めた珠玉の魔道が置いてあるのだ。

それは俺が人生をかけて集めてきた兇悪なアンティークコレクション。

古代の跡から発掘された逸品ぞろい。

古代魔法の粋を集めた非人道的な効果が付與されており、今では國際條約で止されたものもある。

「ふははは、負けるわけがない! 俺たちが! こんなところで!」

忌の魔道を実戦で使えることに、俺は場違いながらワクワクしていた。

それを使えば一発逆転どころか、ワイへまで攻めることさえ可能なのだ。

「我々を本気にさせたことを後悔するがいい!」

聲をあげて笑いだしたい気持ちを押さえつつ、俺は部屋に駆け込む。

さぁ、狩りの時間だ!

「……ぱ?」

しかし、俺はの奧から奇妙な音を飛び出させることになる。

「な、ないぃいいいい!? お、俺の大事なコレクションがぁああああ!?」

俺の魔道が消えていたのだ!

俺の魂の魔道が!?

何の痕跡もなく、まるで蒸発するかのようにごっそりと。

「だ、だ、誰がこんなことをぉおおお!?」

自分の命よりも大切にしていたコレクションを奪った悪黨への怒りでどうにかなりそうだ。

俺は地団太を踏んで、ふぅーふぅーと息を吐く。

殘っているのは足が速くなるという魔法の靴程度である。くそが。

「ぐぎゃああ!?」

「ひぃっ、來るなこの化け犬がぁあああ!?」

カヤックたちの悲鳴が聞こえる。

いかん、今は犯人を捜している場合ではない。

恐るべき獣人二人を始末しなければならないのだ。

しかも、俺の魔道抜きで!

くそぉ、くそぉ、くそぉおおおおお!

「奧の手だ、奧の手を使ってやる!」

俺は素早さの靴を履くと、カヤックたちのところに踵を返す。

そして、うろちょろしていたリス獣人のをさらって再び走り出す。

全てに決著をつけるべく、あの部屋へと向かうのだった。

「面白かった」

「続きが気になる!」

「奧の手ってまさか……!?」

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