《【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ》48.賢者様、大臣の部屋を破壊しようとする変質者を必死で止めようとするも、あわわわ
「くははは、終わりだ! 何もかも終わりにしてやるぅうう!」
あの変質者の男を追いかけると、そこは例の部屋だった。
そう、古代跡の魔法陣が書かれている場所である。
「俺の人生の集大が、くそぉおおお、悪黨どもがぁあああ!」
男はその中央に立っての子を抱え、狂気に満ちた聲をあげていた。
ありゃりゃ、追い込まれ過ぎて正気を失っちゃったのかな。
わけわかんないことを言ってるよ。
それに、まずいんだよ、その魔法陣は。
もしも、あいつが魔力を送り込んだら、この魔法陣が発しちゃうわけで。
発したら何が起こるかって!?
吹っ飛ぶんだよ、大臣の部屋が!
ちょっと小気味いいけど、後味悪いでしょ。
「ちょぉっと待った! 早まっちゃダメだよ! いったん、そこから降りようか? 危ないよ? 大人しく自首した方がのためだよ?」
この変質者が魔法陣を発させたらえらいことになる。
大臣の寢室が吹っ飛ぶのはいいとしても、リス獣人のの子の命はまず助からないだろう。
せっかく助けたのに、そんなことにはしちゃいけない。
「何が自首だ! ふざけるなぁああああ!」
男は追い詰められた聲でぶ。
途中途中が裏返っている聲で、下手に刺激するのはよくないと私の直が告げている。
「おっとくなよっ! この魔法陣には俺の魔力が込められている! 変な真似をしたら、このガキをいけにえにして、すぐさま発させてやる!」
「ひぃっ!? いけにえ!? 絶対、嫌ですぅうう!」
半狂の変質者に抱えられ、泣きぶの子。
そりゃそうだ、誰であっても魔法陣のいけにえなんかになりたくはない。
しかし、奴の言うとおり、魔法陣は青白くり始め、作し始めているのは確かだ。
張りつめた空気が流れる。
彼はどうしてそこまでするんだろうか。
虎の子のモンスターはやられ、仲間たちも捕まったというのに。
尋常ではない怒りにとりつかれているかのように見える。
「君はそれが何かってわかってるのかい?」
「ふははは、聞いて驚くがいい! これはワイへ王國を滅ぼす絶界魔法陣なのだ! 俺が発を命じれば、ワイへは終わる!」
あ、やっぱり分かってない。
足元の魔法陣をちゃんと読んでみれば分かると思うけど、標的は大臣の寢室なのである。
この人、錯してるみたいだし、今さら読む気もなさそうだ。
私が親切に指摘しても、聞く耳を持ってくれそうにもないし。
「その子を放しなさい! 反省してないんなら、シャイニング柴犬ドリルでお腹にを開けますよっ!」
たじろぐ私とは対照的に、ライカは無茶苦茶好戦的である。
リアルでが開きそうだから、めったなことは言うもんじゃない。
こうなったら隙をついて魔法で拘束しよう。
私はこっそりと魔法を詠唱し、尾をばし始める。
いつぞやのスライムを倒した【死の尾鞭(デスもふテイル)】の魔法だ。
あの人が死なないように細心の注意を払わなければ。
「もう遅い! すべてを失った俺の恨みを思い知れぇええ! 魔法陣よ、この娘を代償として…」
しかし、追い詰められた男ほど恐ろしいものはいない。
奴は魔法陣の上に手を置いて、いけにえの儀式を始めようとするではないか。
魔法陣から無數の青い手が浮かび上がり、の子に絡みつく。
「うっそぉおおお!? 私はいけにえにしても味しくないですよぉおおお!? 小さいし可食部分がないですぅううう!」
の子は悲鳴を上げながら、青い手によって空中に浮かびはじめる。
このままじゃ、彼の命は奪われてしまう。
彼をぶっ飛ばしても儀式が中斷されない可能が高い。
もっと魔力の高い何かを捧げものにしない限り。
「ひ、ひえぇええ、私、魔力ゼロですよぉお? 魔法學校の保証書だってあります!」
ライカはこんな時に限って自分は魔力ゼロであることを宣言する。
そもそも、あんた、さっきまで魔法使ってたでしょうが。
それに、弟子をいけにえにするわけないじゃないの。
私を一、誰だと思ってるんだ。
もはや一刻の猶予もない。
男は狂ったように笑い、魔法陣は怪しく輝き始める。
あの子より魔力のあふれているものを供に差し出せばいいのだが、私の今日の裝備は「ぬののふく」に「ひのきのぼう」だ。
Fランクにふさわしい武と防しか持ってこなかったことが本當に悔やまれるよ。
こうなりゃ空間浸食魔法【シュレディンガーさんちの貓】を発して、魔法陣ごと、いや、ダンジョンごと消失させるしかない。
うん、しょうがない!
今、やらなきゃいつやるのさ!?
「えぇええ、そんなの困りますよぉおお! 何か持ってきてないんですか!? ほら、あの長いのむくむくの中とか」
大規模破壊魔法でダンジョンごと消し飛ばすと伝えると、涙目のライカである。
そんな簡単に魔力にあふれたものなんて持ってないよ。
他に持っているのは、さっきこの部屋で収穫した魔道ぐらいだし……。
あれにはたいして魔力が込められているわけじゃないからなぁ。
ん?
長いのむくむくの中?
「そうだっ! あれがあったよ!」
この時、私の脳裏に素晴らしいアイデアがひらめく。
「魔法陣よ、この魔法弾を代償として、その威力を発揮せよっ!」
私はマジックインベントリを発させると、魔法弾を取り出す。
これは大量の魔力を含んでおり、発させたら非常に危険な代。
逆に言えば、お供えとしてはの子なんかよりはるかに優秀なはず。
「なっ、なんだとぉおお!? なぜお前がそれを!? やめろぉおおお!」
変質者の男は大聲をあげるも、私の手元から弾がふっと消える。
つまりは契約立ということだ。
ゴゴゴゴゴゴゴ!!
魔法陣は青白く輝き始め、猛烈な音をたてて式を放出したのだった。
ごめんね、大臣!
でも、あなたの貴重な犠牲のおかげでの子が救われたんだからいいよね。
まぁ、真っ晝間から寢室にいるはずなんてないし、部屋の一部が消し飛ぶだけだし!
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