《【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ》51.ジャーク大臣の破滅:魂を癒してくれた唯一のよりどころがアレになってしまう。ドンマイ!

「な、なんですってぇえええ!? レイモンドが捕まったですって!? カヤックも!? なぁっ、ジャグラムもだとぉおおお!?」

ここはランナー王國の大臣の執務室。

彼の部屋に部下が大慌てで駆け込んできて、驚きの報告をした。

大臣の腹心であるレイモンド、カヤック、ジャグラムの三人が捕縛されたというのだ。

本來であれば、ジャグラムの作戦の功を耳にするべきタイミングのはず。

それがまさかの捕縛である。

「まさか作戦が敵にバレたというのだろうか? おのれ、冗談にもならないことを!!」

大臣のは急速に乾き、膝がわなわなと震え始める。

このままではワイへ王國に大義名分を與え、こちらが攻め込まれる可能すらある。

「いえ、お三方ともワイへ王國の近くのダンジョンで冒険者を襲った変質者としての捕縛だそうです」

「なぁあぁっ!? 変質者ですって!?」

三人が捕縛された理由は全く予想外のものだった。

「あの面汚しどもがぁあああ!」

今思えば、三人とも自分のに正直そうな愚かしい顔をしていた。

あんな人間を四天王にしていたこと自が間違いだったのだ。

大臣は激しい後悔の念に襲われるのだった。

しかし、そうは言っても三人の作戦に多大な投資をしてきたのもの事実だ。

レイモンドの魔道、カヤックのモンスター軍団、そして、ジャグラムの怪しい研究。

いくら潤沢な資金を有する大臣とはいえ、全てが水泡に帰したのは痛かった。

大臣は唖然とした表で部下の失態の知らせを聞くのだった。

「くそっ、忌々しい! 今日の仕事はこれまでにしますよっ!」

大臣はワイへ王國侵略計畫が一向に進まず、イライラしていた。

彼は仕事を切り上げると屋敷に戻り、人払いをして寢室へと向かう。

そこには彼の心のよりどころ、すなわち、あの手この手で収集した寶飾品が収蔵されているのだ。

どんな苦境に立っていても、どんなに部下が愚かでも、金銀財寶を見ていれば心はかになっていく。

キラキラと輝く寶石や永遠のきらめきを宿す金の像、それらは絶対にいなくならない。

まるで砂漠の中のオアシスのような存在なのだ。

そして、この財力こそが大臣を権力の座にとどめる最大の要因だったのだ。

「ただいまぁ、私の寶ちゃん!」

大臣は寢室の隠し扉を開けると、寶に貓なで聲をかける。

まったくもって不気味な習慣である。

ゴゴゴゴゴゴゴ……、ゴゴゴゴゴゴゴ……。

しかし、そこで事件が起こった。

突如として床や壁が揺れ始めたのだ。

「な、なんですか!? じ、地震ですか?」

大臣は思わず、壁に手をついて揺れが収まるのを待つ。

忌々しい地震め、などと天変地異にすら悪態をつきながら。

しかし。

しゅどごぉおおおおおおおおん!

次の瞬間、大臣は目にすることになる。

庫の床に魔法陣が現れ、その範囲の全ての寶を消滅させる様を。

金銀財寶の全てが、青いの中に溶けていく様を。

「ぴ?」

人はあまりに強いショックをけると、冷靜にけ止めるどころか、まともに反応することさえ難しい。

大臣の場合、小鳥のさえずりのような聲をから発すると、5秒ほど直するのだった。

「ぴ、ぴぇええええ、私の寶がぁあああ!? 全財産がぁああああ!?」

大臣は絶する。

避けようのない、突然の悲劇に。

これまでの人生をかけてきた我が子同然の寶との別れに。

彼の脳裏には「破産」の二文字がくっきりと浮かび上がる。

彼は知らない。

すべての災難は彼が追放したアンジェリカによってもたらされた、ということを。

大臣はただただむせび泣くのだった。

※次回で第一部がおしまいとなります!

「面白かっタ」

「続きが気になル!」

「アンジェリカは何もやってないのに……」

と思ったら、

下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直にじた気持ちでもちろん大丈夫です!

ブックマークもいただけると本當に勵みになります。

次回の更新も何卒よろしくお願いいたします。

    人が読んでいる<【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔術師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください