《【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ》53.第一部:エピローグ:ライカののとパーティの旅立ち
【追加更新のお知らせ】
第32話に「ライカ、魔力の目覚め」を新しく投稿しました。
そちらもぜひ、ご覧ください!
◇ ライカのの
「いやぁ、ダンジョンで変質者に出くわすなんてさんざんだったね」
冒険者ギルドでの聞き取りが終わり、お師匠様はふぅと息をはく。
とはいっても、本當のことを話したわけじゃない。
お師匠様は変質者を捕縛した手柄を、あの冒険者のお姉さんたちに譲ってしまったからだ。
目立ちたくないからと、むしろ、なすりつけたじだけど。
お師匠様は本當に不思議な人だと思う。
褒められたいとか、稱えられたいとかそういうのに全然関心がないようだ。
せっかく大きなモンスターを倒したのだし、私だったら、もっと褒めてもらいたいけどなぁ。
「ライカ、今回は本當にすごかったよ! 魔法使いとして、貴重な経験になったね! 犬魔法の完にも一歩近づいたよ!」
そんなことを思っていたら、お師匠様は不意打ち気味に私を褒めてくれる。
相変わらずの笑顔で、大きな瞳がまぶしい。
「ありがとうございますっ。お役に立ててうれしいです! これからも頑張ります!」
お師匠様のいいところは、こういう何気ないところなんだなぁって思う。
一緒にいて安心できて、そして、私を導いてくれる。
魔法學校の最底辺にいて、毎日、泣いていたあの頃の私はもういない。
私はお師匠様のもとで切磋琢磨しようと志を新たにするのだった。
お師匠様、大好きです!
◇ エピローグ
「それじゃ、アロエ様、ライカ様、お世話になりましたぁああ!」
數日後、ソロは隣國の街に移っていった。
彼は一族の寶を探す旅を一人でしているらしい。
若いのに、あっぱれなの子である。
ふぅむ、旅か。
旅っていいよねぇ。
ワイへ王國での駆け出し冒険者生活も楽しかったけど、んな街をめぐってみるのもいいかもしれない。
そう、私たちは好きな街に行って、好きなことができるのだ。
なんせ、Fランク冒険者なのだから!
「お師匠様、大賛です! わたし、海の幸でも山の幸でも大好きですよ! お刺食べたいです!」
ライカは尾をぱたぱたさせながらとても嬉しそうだ。
セリフの後半に本音がダダれしてるけど、味しいものを探す旅も悪くない。
駆け足の冒険だった勇者パーティ時代には食べられなかったものも多かったし。
そして、旅で出會った獣人たちに魔法を教えていくなんてのもありかも。
まぁ、あくまでも厳守だけどね。
「素晴らしいですね! まるで七聖獣人のお話みたいです!」
ライカは獣人のおとぎ話の話をだして、すごいすごいという。
かつて七人の獣人とそれを率いるリーダーが巨大な悪を倒したとかいう、そういう話。
私は別に悪を倒すなんて大それたことは考えちゃいないけど。
とはいえ、旅をしながら弟子を指導するっていうのは面白いかも。
大陸のいろんな場所で広げていけば「獣人は魔法が使えるんだ」って分かってもらえるし。
そして、そんな人材がそろえば魔法學校への道筋もたつかもしれないし。
「私、お師匠様に弟子りできて本當に良かったです! 魔法って本當に面白いですね!」
ライカは道中、屈託のない笑顔でそんなことを言う。
確かに彼は魔法が使えるようになった。
弟子りしてよかったっていうのは本心だと思う。
だけど、私は思うのだ。
彼によって、私も救われているし、心底楽しいっていうことを。
宮廷魔師を解雇されて、やさぐれていた私の心を癒してくれたのは彼の無垢な心だった。
それに彼の言う通りなのだ。
魔法ってやっぱり面白い!
世界で一番面白い!
當たり前だけど、大切なことをライカは私に気づかせてくれた。
だから私は言うのだ。
「ライカ、ありがとう! これからも頑張ろうね! 一流の魔法使いになるよっ!」
照れくさいから抱き著いたりとか、そんなことはしない。 だけど、心からの謝を込めて手を握る。
「はいっ! 一生、ついてきます!」
ライカは笑顔でそういうのだった。
一生かぁ、一生ついてこられるのは大変そうだなぁ。うん。
「じゃあ、次は海の街だよっ!」
「はいっ、シーフードですねっ!」
私たちは意気揚々と新天地へと向かうのだった。
気心のしれた弟子と気楽な珍道中も悪くないよね。
せっかくの人生なんだ、楽しまなきゃ!
◇
「青いですねぇええ! うぅん、シーフードのいい匂い!」
到著したのはランナー王國との國境の町、ルルロロ。
港町で味しい海産で有名な港灣都市である。
の香りが鼻腔をくすぐる。
街にも活気があるし、いい雰囲気。
人も大らかで、空気もおいしい。
これこそが私のんだものだよ。
しばらくのんびりしようじゃないか。
しかし、その街の郊外で私たちはとある人を偶然助けてしまう。
「……げぇっ、この人、クラリス様じゃん!?」
それはランナー王國の第五王、クラリス様だった。
でぇえええええ、な、なんでこんなところに?
お読みくださりまして、ありがとうございました!
これにて第一部、アンジェリカとライカの出會いと冒険編はおしまいとなります。
→ただし、ライカの日記みたいな形で彼の長記録をちょいちょい付け足していく予定ですが。
獣人のかわいいの子のお話を書きたい!
しかも、「灼熱の魔様」よりもキャラ數を絞って、書いてみたい!
そんな思いで執筆しました。
エピローグを除けば、いいじでお話が終わったので、とっても満足です。
こちらのお話はブックマーク數はびませんでしたが、それでも書ききったぞっ!という思いです。
皆様のご想や貓ネタ・犬ネタを頂けたことも幸せでした。
さて、続編につきましては、『灼熱の魔様』などとの調整を行いながら、執筆していきたいと思います。
現在の作りかけのプロットではランナー王國の王様が出てきて、わちゃわちゃになります。毎度のことですね。
連載再開は「活報告」にてお知らせいたしますので、ぜひ、チェックしてください。
それでは、ここまで読んで面白かったという方は、ブックマーク・評価を頂けますと幸いです!
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