《【書籍化】男不信の元令嬢は、好殿下を助けることにした。(本編完結・番外編更新中)》【間話】魔ジュレミは思い出す
時は遡って。
朝もやの中。
クレアが、魔ジュレミとノアに見送られて、転移小屋から森のり口に転移した後。
ジュレミは、ふう、と、息を吐いた。
「……行ったわね」
「ん。行った」
コクリと頷くノア。
ジュレミが、クスリと笑った。
「ふふ。今頃、窟の外で待っているジルベルトに驚いている頃かしら」
「ん。多分、すごく驚いてる」
「まったく。手間のかかる二人よねえ」
「ん。手間がかかる。でも、知らないフリするの楽しかった」
耳をぴくぴくさせながら楽しそうに言うノア。
ジュレミは、その艶やかな黒髪をでながら微笑んだ。
「私達が出來るのはここまでね。あとは、二人の幸せを祈りつつ、クレアが昨日作ってくれた薬を持って帰りましょう」
「ん。了解」
転移小屋を離れ、預かった鍵を使って、魔の家にる二人。
ノアがジュレミを振り返った。
「じゃあ、行ってくる」
「一人で大丈夫?」
「ん。大丈夫。任せて」
しっぽをゆらゆらさせながら作業場に向かうノア。
その後姿を見送った後、ジュレミは、ふと、二階に上がる階段を見上げた。
「……そういえば、もう七年くらい二階に上がっていないわね」
磨き込まれた手すりを軽くなでると、ゆっくりと階段を上がっていくジュレミ。
二階に到著すると、一番奧にあるラームの部屋のドアを開いた。
「ふふ。全然変わってないわね」
木製のベッドにクローゼット、ドレッサー、窓際の赤い椅子。
窓枠に吊り下げられている、隨分前にジュレミがプレゼントした古いガラスランプ。
びっくりするくらい昔と一緒だ。
そっと中にって、昔のようにベッドに腰かけるジュレミ。
そして、いつもラームが座っていた窓際の赤い椅子の方を向くと、小さく呟いた。
「……ねえ、ラーム。私は間違っていたのかしら」
ジュレミがラームに初めて會ったのは約二十年前。
付き合いのあった製薬が出來る魔が引退するにあたり、新たな取引相手として紹介されたのがラームだった。
年齢が近いこともあり、二人はすぐに仲良くなった。
一緒に旅に出たこともある。
魔の友人は貴重だ。
これからも親友として助け合っていくのだろう、と、ジュレミは思っていた。
しかし、約七年前。
二人の関係を変える出來事が起こった。
ラームが突然店に現れて、「神作を強化する魔道を作ってしい」と、依頼してきたのだ。
ラームの屬は闇。
神作は得意分野だが、本當に作できるのは、や子供くらい。
魔力の高い大人にはかかりにくいし、すぐに解けてしまう。
神作を強化する魔道の作依頼は、魔力の高い大人をろうとしていることを意味する。
驚いたジュレミは、その場で斷った。
ただでさえ忌扱いの神魔法を強化する魔道など作れるはずがないと思ったからだ。
そして、その日からラームの態度が一変。
表面上はいつも通りだが、どこか拒絶されるようになってしまった。
「あの時は、何が何だか分からず、落ち込んだわね」
ベッドに倒れ込んで、天井を見上げながら、溜息をつくジュレミ。
でも、今ならわかる。
あの時。ラームは、王妃と王妃の実家である公爵家に「暗殺に手を貸さなければ、森を焼くぞ」と脅されていたのだろう。
魔道をしたのは、王妃と公爵をって、森を守ろうとしたに違いない。
しかし、ジュレミに魔道の作を斷られて、為すがなくなり、暗殺に手を染めた。
それがどこか後ろ暗くて、ジュレミと上手く付き合えなくなったのだろう。
ジュレミは、溜息をついた。
「あの時、魔道を作るべきだったのかしら。ううん、違うわ。もっとちゃんと事を聞くべきだったのよ。そうすれば、一緒に何とかする方法を考えられた」
痛む心と、湧き上がる後悔に、思わずを押さえるジュレミ。
でも、聞いたところで答えてもらえなかったような気もする。
「まったく。どこまでも不用な人だわ」
ふう、と、息を吐いて起き上がるジュレミ。
今、ラームは重罪人としてこの國で指名手配されている。
隣國に住むジュレミの元に捜索依頼が來るのは時間の問題だろう。
「……その時、私は何を思うのかしらね」
ぽつりと呟くジュレミ。
と、その時。
コツコツコツ
二階に上がってくる軽い足音。
開いているドアから、ノアがひょっこりと顔を出した。
「師匠。終わった」
「あら。早いわね。ご苦労様」
「ん。帰る」
ジュレミは立ち上がると、にっこりと微笑んだ。
「そうね。帰りましょう」
ラームの部屋のドアを閉めて、一階に降りる二人。
玄関のカギを閉め、転移小屋に向かって、庭園の中を歩いていく。
そして、転移小屋にる前に。
ジュレミは、ふと、足を止めると、振り返ってラームの部屋の窓を見上げた。
朝日を反して輝く、四角い窓とガラスランプ。
彼はしばらくその窓をながめた後。
ゆっくりと転移小屋に消えていった。
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