《【書籍化】男不信の元令嬢は、好殿下を助けることにした。(本編完結・番外編更新中)》〈番外編〉騎士カーティスの波萬丈な二日間④
<これまでの話>
忘れをしたクレアを追って、ノアとカーティスは旅に出ることになった。
旅人風の服に深緑の外套を羽織ったカーティスが、ジュレミの店の裏庭に通じる木戸を叩いていた。
隣には、見るからに立派そうな鞍を付けた、艶やかな鹿の馬。
(あー。張するなー! ノアちゃんもう準備終わってるかな?)
ドキドキしながら待っていると、重そうな扉が開いてジュレミが顔を出した。
「思ったより早かったわね」
そして、橫に立っている馬を見て目を丸くした。
「まあ! 隨分立派な馬ね! しかも、その鞍! かなり高価なものなんじゃない?」
「いえいえ、そんなことはありませんよ」と控えめに微笑みながら、カーティスは心の中でガッツポーズを決めた。
(強引に王家専用の鞍を借りてきて良かったー! ノアちゃんを乗り心地の悪い鞍に乗せる訳にはいかないもんね!)
ジュレミがドアを大きく開けた。
「どうぞ。ってちょうだい。馬も一緒で大丈夫よ。り口につないでおいてちょうだい」
「はい。お邪魔致します」
中にり、言われた通り馬をり口につなぐと、カーティスは初めてった中庭を見回した。
高い塀に囲まれており、広さは騎士団長の執務室二つ分ほど。
下は綺麗に手れがされた芝生で、左右に建が立っている。
(思ったよりも広いな。位置的に左側が店だよな。……となると、右側の建は何だ? 置か?)
首を傾げるカーティスに、ジュレミが微笑んだ。
「ふふ。驚いた顔をしているわね。一応魔の家だから々とがあるのよ」
ジュレミが、他言無用よ、と人差し指を口元に當てながら、右側の未知の建に通じる木戸を開ける。
し張しながら彼の後に続いて建の中にるカーティス。
中は白い壁に囲まれた作業部屋のようになっており、壁一面に魔法陣が描かれている。
(おお……。こんな部屋があったのか)
カーティスが圧倒されていると、ジュレミが壁を指さして説明した。
「これは転移魔法陣ね。ここから々な場所に転移できるようになっているの。まあ、魔力登録しないと使えないから、私とノア、あと一部の人間以外には意味がないけど」
そして、そのうちの一つに近づくと、カーティスを手招きした。
「ちょっと來て」
「はい」
大人しく従うカーティス。
言われるがままに壁の魔法陣に手を當てて魔力をこめると、魔法陣が鈍くった。
「これで登録完了よ。あとはノアの準備が終わるのを待つだけね」
張り切って早く來すぎたかもしれない。と、思いつつ、カーティスが尋ねた。
「もしかして、ノアさんはまだ準備中ですか?」
「ええ。あの子、旅慣れてないからしかかってるみたいで。ごめんなさいね、お待たせして」
「いえ! とんでもないです! 私の方こそ、もうしゆっくり來れば良かったかと」
「遅いより早い方が良いに決まってるじゃない。大丈夫よ。もうすぐ來ると思うわ」
と、その時。
カツカツカツ
という爪でドアを叩くようなノック音と共に、ドアが開いた。
カーティスはドアの方向を見て、思わず息を飲んだ。
そこに立っていたのは、赤いフード付きの外套を羽織ったノア。
外套の下には、いつものメイド服ではなく、緑の縁取りがしてある赤のワンピースをにまとっており、皮の小さなリュックサックを背負っている。
「お待たせ。ごめん。遅くなった」
申し訳なさそうに言うノアを見ながら、カーティスは思わず口元を押さえた。
(やばい! やばい! かわいい!)
あまりのに脳語彙力が五歳児並みになるが、そんなことはおくびにも出さず、彼は表を何とか普通に戻すと、紳士的に微笑んだ。
「そこまで待っておりませんので、心配しないで下さい」
「ん。ありがとう」
ノアが、ホッとしたような顔をして頷く。
ちゃんと謝れたりお禮を言えるところもノアちゃんのいい所だよな。と思いながら、カーティスが魔に尋ねた。
「もしかして、目的地まで魔法陣で行くのですか?」
「正確には途中までね。ここから馬で行ってもいいけど、下手したら一週間くらいかかると思うのよね」
一週間ということは、かなり遠方だな。と推測するカーティス。
(なるほどな。我が國が魔を守っていると知った時は驚いたが、この部屋を見れば納得だな。確かにこれは他國に渡せない)
一昔前は魔は不幸を運ぶものだと信じられていたと聞く。
その概念を打ち破って友好関係を築いた先代國王はすごいな。と心する。
ノアが持ってきた荷の中をチェックしていたジュレミが振り返った。
「準備ばっちりよ。出発しましょう」
「馬も一緒にですか?」
「馬は後から私が送るわ。ここは極事項だから見せる訳にはいかないのよ。貴方たち二人は先に行ってて」
「ん」と頷くノア。
トコトコと歩いて壁の魔法陣に手を當てると、後ろを振り返った。
「行こう」
はい。と頷いて、同じように魔法陣に手を當てるカーティス。
そして、その下にあるノアの小さくて可らしい手を見ながら、決意を新たにした。
(騎士として、男として、絶対にノアちゃんを守るぞ!)
依頼を遂行して、楽しい旅にする! あと、できればちゃんと名前を覚えてしい。
「いいわよ! 魔力を高めて!」
ジュレミの聲と共に、魔力を高めるカーティスとノア。
そして、靄のようなものに包まれ……
気が付くと、カーティスは緑の香りが漂う薄暗い小屋の中に立っていた。
冒険が始まった!
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