《[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!》佳奈ちゃん
「——って、ちょっと待って。昨日? ……なんで昨日言ったこと知ってんの?」
これなら安心して修學旅行を楽しむことができるだろう、なんて考えていたのだが、淺田がハッと気づいたように眉を寄せながら宮野へと問いかけた。
「え? あ——」
淺田の言葉をけて宮野は何かに気がついたようで、目元が赤くなった瞳でチラリと俺のことを見てきた。
……そういやあ、こいつには昨日の電話を宮野が聞いていることを伝えてなかったっけ。
あー、こりゃあ……もしかしてまずい狀況だったりするか?
……いや、気のせいだな。俺は悪くない。
「えっと、ごめんなさい? 昨日の伊上さんとの電話、その……私も聞いてたのよ」
「は——」
宮野の言葉を聞いた瞬間、淺田はその視線を俺と宮野に互に向け始めた
こっちを見たり宮野のことを見たりと忙しいやつだな。
とりあえず笑顔で親指でも立てておいてやるか。
なんか知らんが、勢いよく立ち上がって俺のことを睨み始めた。いやー怖いわー。
ああそれと、もうしお淑やかに立ち上がったほうがいいぞ。
「あ、あああ……」
「どうした? 聲が震えてるぞ。嬉しくて震えてるってか?」
「あんたなにしてんのよ!」
音を立てながら立ち上がって俺のことを睨んでいた淺田は、手を振り払って大袈裟にを表しながら怒鳴った。
……ふぅ。まあ、確かに勝手に話を聞かせたのは悪いと思わなくもないが、昨日のあれは必要なことだったと思ってる。
「どうせあのままじゃお互いにろくに話もできずにつまんねえ旅行になってたろ。お前、宮野とまともに話す自信あったか?」
「それは……ううう〜〜〜〜。そうだけど……! そうだけどおおおお!」
淺田も自の心や宮野の態度を理解していたからか、言いたいことはあるようだがそれをはっきりということはできないようだ。
「なに、教導の気遣いってやつだ。気にすんな——っぶねえ!」
淺田は食堂のテーブルの上に置いてあったティッシュの箱を摑むと、それを俺に向かってねげつけてきた。
「すっごく恥ずかしいこと言ったじゃない!」
かもしれないが、そんな照れ隠しでを投げるなよ。ティッシュの箱だってお前が投げれば兇に早変わりだぞっ!?
「元から俺が聞いてたんだから気にすんな」
そもそもの話、恥ずかしいことを言ったっつっても、そんなもん最初っから俺は聞くことになってたんだ。
あの時點で多の確執はあったが、それでも俺より付き合いが長くて同で同い年の宮野に聞かれたところで、そんなに恥ずかしくないだろ。普段からあんな雰囲気のことを言ってるし。
まあ、あそこまで直球ではっきりとしたことは言わないが、似たようなもんだろ。
「それとも何か? 俺なら恥ずかしい言葉も聞いてもいいってか?」
だがまあ恥ずかしいってのもわかる。だからそんな空気を誤魔化そうと冗談めかして言ったのだが……
「……」
なぜか淺田はモニョモニョと口をかしながらついっと視線を逸らした。
「……そこで口籠んのやめてくんね?」
「別に……いいかもって思ったし……」
……そりゃあ、まあ、お前がどう思ってるかなんてのは散々聞いてきたが、それでもここでそんなことを言われてもどう反応すれば良いのか反応に困る。
俺たちが黙ったことで他の三人も喋らないし、なんか変な雰囲気になってしまった。
「伊上さんって、割と自する時ありますよね」
そんな沈黙を破るように北原がそんなことを言ってきたが、この場合は変な空気を作ったのは俺のせいになるのか?
自っつったら、俺じゃなくて淺田のせいじゃね?
「この場合はこいつじゃねえか?」
「どっちも」
そうかー。どっちもかー。なら仕方ねえな。
「あー……まあいい。そろそろ行くぞ。もう時間だろ」
そう言って俺が立ち上がると、安倍と北原も立ち上がり、宮野もそれに続いた。
その時に見た宮野の顔には、今後の人生を左右する可能さえあった真剣な話をした直後のものとは思えないほどに、なんのりもなくなっていた。
良いじにほぐれたようだし、ふざけた甲斐があったな。
だが、淺田だけはまだ立っていなかったので、さっきこいつが投げたティッシュの箱を拾って機の上に置きながら話しかける。
「脳筋娘。お前もさっさと立て。行くぞ」
「……またそんな呼び方して。もうちょっと違う言い方があんでしょ」
淺田はそう言うと不貞腐れたように立ち上がり、俺たちは集合地點に向かうために歩き出した。
「伊上さん、私たちのことを苗字で呼びますけど、そろそろ名前で呼んでも良いんじゃないでしょうか?」
だが、和解してからは嬉しそうに笑っていただけだった宮野がそう口を挾んだ。
その目元は泣いたとは思えないくらい元に戻っているので、多分北原が治癒をかけたんだろう。
「佳奈も一応の子。流石に脳筋って呼ぶのはひどい」
「一応ってなによ。あたしは立派なの子よ!」
安倍の言葉に淺田はそうんだが、まあ無視だな。
「あー? 名前ぇ〜? あー、まあ特に考えてのことじゃないが……慣れっつーか、流れか?」
俺は正直そこまで呼び方に重要を見出していない。名前で呼ぼうが苗字で呼ぼうが、そこにさえ込められているのなら、どっちだって親を表すには十分だと思ってる。
逆にどれほど親しく接していようが、そこになんのも込められていなかったり、侮蔑が込められていたのなら、その態度に意味はない。
俺は俺なりにこいつらに親……ってーとあれだが、まあ親しみは込めていた。
が、態度や言葉で示せってのも、まあわかる。人間はテレパシーで意思疎通ができるわけじゃないんだからな。
しかしなんだな。こいつらのことを名前呼びか……。
「じゃあそうだな。佳奈ちゃんおいで〜、なんて呼べば良いのか? ……悪い、自分で言っててキモかったから、無しだ」
四捨五すればもう四十になるおっさんが子高生のことをちゃん呼びしてるのははっきり言ってキモい。
名前で呼ぶのはありだとしても、流石に『ちゃん』はなかったな。やばい。はずい。
が、そんな顔を覆いたくなるようなことを言った俺の他に、実際に顔を顔を覆っている奴がいた。
「そいつはどうしたんだ?」
「悶えてる」
「……」
それはあれか? 名前を呼ばれたからってか?
……まあ、放っておこう。突っ込んでも藪蛇になるだろうし。
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