《[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!》一難去って……
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「いやー、終わった終わった。こんなに楽に終わったのは久しぶりだったね」
両手で握らなければ持ち上がらないような重さの剣を片手で擔ぎながら笑っているジークだが、その前はドラゴンので真っ赤に染まっている。夜道で遭遇したらちょっとしたホラーだ。
「ドラゴン相手に楽だとか言えんのはお前くらいだよ」
本來、ドラゴンってのは國を落とすことができる力を持っているもんだ。
今だって俺たちのいた建だけではなく、周囲の建を巻き込んで派手に壊されてしまっている。
もし仮に今の奴らみたいなドラゴンを相手にするんだったら、宮野達だってそれなりに危ない戦いになるだろうと思う。あいつらは強いけどまだまだ強敵相手の実踐経験が足んないし。
ジークだって最初は大して役に立たなかったんだ。俺みたいな搦め手をえた戦いを理解はしていても、多分ドラゴン相手ってことだと気圧されていつも通りにはけないと思う。
だがまあ、それも『もし相手にするんだったら』って仮定の話だ。今気にするようなことでもないだろう。
「そう? でも誰も死んでないし、大怪我もしてない。十分楽だったってのは共してもらえると思うんだけど?」
「まあ……まあ、そうか」
周りを見回してみたのだが、倒壊しまくった建やそこらじゅうで手當てをされている負傷者の數を見ると楽だったとは言い難いとも思うが、それでもあれだけのドラゴンを相手にして死者がいないってのは奇跡的だと言っていいだろう。
「そうそう。……それにね? こいつら、ドラゴンって言ってもそんなに強くなかったし……んー、言うなれば、ドラゴンの中の三……や、二級くらいの奴らだと思うよ」
ドラゴンの中の二級の存在か。それならば、まあ強くなかったっていうのも理解できる。
それでも十分に脅威だったけどな。
けどまあ、言われてみれば以前にこいつと一緒に戦ったドラゴンよりは簡単に終わったな。
あの時はまだ俺もこいつも今より弱かったし、カーター達騎士だって最初から戦いに參加していたわけじゃないからそのせいで苦戦し、最初から準備できていた今回はスムーズに終わったんだと思った。
だが、そもそもの強さが違うんだってんなら、簡単だとじた理由にも納得できる。
「多分、本來はもうしいて……倍くらいかな? まあ數で押してくるようなダンジョンだったんだと思うよ」
「なら殘りが出てくる可能もあるってことか? でも……」
見たじ、ゲートから殘りなんて出てくる気配はないし、カーター達がゲートの中の様子を見たようだが、特に騒いでいないところを見ると何もいないようだ。
本當に今のと同じくらいの敵なんているんだろうか?
「さあ? 強引にゲートを開いたからなんか不都合が出たとかじゃない?」
「不都合ねぇ……」
まあ、人工的にゲートを開くなんてどうやっているのかわからないが、そもそもゲート自がどんなものなのかわかっていないんだ。
そんなわけわからない超常のものをろうとしたんだ。無理があっても仕方がないだろうと思える。
あるいは、ゲートを卵だと思えば理解できるかもな。
本來なら時期が來れば自然と生まれるはずだったゲートを無理やり発生させたことで、生きで言うところの『未児』として生まれてしまった。
だから中にいたモンスターの強さがそれほど高いものではなく、その數もさほど多くならなかった。
そう考えることもできる。
まあ、実際のところはどうなのかわからないけどな。
とりあえず、どうやってゲートを開いたのか、とかなんでドラゴン達の數がなかったのかとかはおいておこう。
考えたってわかるもんでもないし、分かったからって何ができるってわけでもないんだからな。
今はとにかく、この襲撃を解決しないとだ。そのためには今の狀況を正しく知る必要がある。
と、カーターを探しすべくあたりを見回したのだが見當たらず、電話をしてみようと思ってケータイを取り出したのだが、著信履歴があった。相手は……淺田か。
まあ當然か。確かあの時は発が起こったから切ったんだった。
その後は襲撃への対処で忙しかったし、そもそもそこらじゅうで大きな音が起きてたから著信音なんて聞こえなかった。
著信履歴の時間を見ると、あいつらとの電話を切った直後みたいだし、それなりに心配かけたかもしれない。
「っと。そういや、あいつらはどうなったんだ? 確か向こうでもなんか異常が……っ!」
あいつらとの電話を切る前に話した容を思い出し、俺は急いで電話をかけた。
だが……
「出ない?」
まさか、あいつらに何かあったのか?
淺田は、電話で周囲の魔力がなくなっていると言ってきた。
それはゲートが現れる前兆で、つまり俺たちと同じだ。
「っ! おいカーター! カーターッ!!」
そこまで考えると俺は顔を跳ね上げてカーターの名前をんであいつのことを呼んだが、カーターは姿を見せない。
くそっ! ……どうする。合流しにいったほうがいいのか?
もし淺田達の方でもゲートが開いていたんだとしたら、あいつらのことだ。きっと逃げることなくゲートから出てきたモンスターを相手にしていることだろう。
一応あいつらも強いし、生半可な敵にやられることはないはずだ。
だが、それでも心配してしまう。こっちにドラゴンなんてもんが出たんだ。ないとは思うが、向こうにだって出ないとは言い切れない。
その場合、あいつらで対処仕切れるかどうか……。
一なら余裕だろう。二でも対処できる。
だが、三四と増えたら? こっちで七いたんだから、他の場所でも複數出てもおかしくない。
そう考えると、とてもではないが心配せずにいるなんてことはできなかった。
「ジーク——」
だから俺はジークに伝言を殘して宮野達のところへと向かおうとしたところで、カーターが姿を見せた。
そしてその足はこっちに向かってきているようだ。
だが、その表を見た瞬間、どうにも嫌な予がひしひしとじられた。
「ジーク。それと……」
ジークの名を呼んだカーターは俺へと顔を向け、俺と目があったのだが、カーターが俺の名前を呼ぶことはなかった。
だが、俺とこいつの目があったのも僅かなことで、カーターは目を瞑って一度だけ軽く首を振ると改めて俺たちの姿を見ながら口を開いた。
「お前達に頼みたいことがある」
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