《[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!》——ありがとう
そう覚悟を決めた瞬間、俺は自分を巻き込んで発を起こし、子供達から離れたところへと飛んでいく。
一応魔法を使って守ったが、それでもあれだけ至近距離からの発だとそれなりに衝撃はくるので痛みはある。
だがそれがどうした。
痛みはある。だがそれだけだ。骨が折れたわけでも、が裂けたわけでも毒を食らったわけでもない。
痛いだけでくことはできるんだ。なら、なんの問題もない。
そうして痛みを押し殺して著地すると、そのまま目的としていた場所に向かって走っていく。
子供達は全員が俺のことを狙っていたからか、俺のいた場所からし離れたところには誰もいない。
目的の場所についた俺は、全にできていた傷に指をつけてを掬うと、それを使って地面に簡単な模様を書いた。
模様を描き終えると、その上に細工をした魔石を接著剤をつけて地面に置いて固定させる。
そんなことをしている間にすぐそこまで子供達が近寄ってきていたので、すぐさまその場所を離れて次の目的の場所へ向かって移する。
……後六つっ!
煙幕を使って視界を遮り、子供達の中を強引に突き抜けて次の場所まで向かって今のと同じことをする。
これで二つ目。後五つだっ!
しかし、もう一度煙幕を使って逃げようとしたのだが、二度目になれば學習したのか煙幕を突き破って長く大きな腕が俺を目掛けてばされた。
「くっ!」
対処されるだろうとは思っていたがまさかこんなにすぐに対処されるとは思っていなかった。
自分で撒いたとはいえ、煙幕で視界が遮られている中で迫り來る腕をギリギリで躱し、進路狀にいる子供達の手足を斬り、頭を撃ち、先に進んでいく。
そうして三つ目の作業を終わらせ、四つ目、五つ目とこなしていく。
が、そこで問題が出た。
問題って言っても、別に追加で敵が出てきたとか、子供達が今までにない技を使い始めたとかそんなんじゃない。
ただ単に、俺の力が盡きてきたってだけの話だ。
五個目の作業を終わらせて六個目に向かってる途中で、カクンと膝から力が抜けてしまった。
まあ當たり前だな。普段から宮野達と手合わせしてるって言っても、そんなの十分やそこらの話だ。どんなに長くても三十分。
それだって要所要所で手を抜きながらのことで、今みたいに最初から最後まで死に狂いで全力疾走、なんてのはやっていない。
だってのに、今はもう三十分はき回ってる。それもここにくるまでにも力を消費した狀態でだ。疲れが出ないわけがない。
だがそれでも、ここで諦めるわけには行かない。
「んぐっ、おおおおおおっ!」
膝から力が抜けて倒れそうになったが、それでも持っていた銃を手放し地面に手をついて強引に勢を整えて進む。
これで六個目だ。後一つ……後一つで準備は終わる。
が、そこでまた問題が出た。
強引にこの場所まで來て作業をしたせいで、今の俺は勢を崩していた。
「がっ!」
そこにサッカーボール程度の巖が飛んできて、左足を潰した。
今までの疲労に加えて痛みで意識を失いそうになるが、歯を食いしばって気合いで持ち堪える。
だが、なんとか意識を持ち堪えさせたところで、きが止まってしまったのは変わりない。
「〜〜〜〜っ!」
きを止めた俺に手がばされ、潰された左足を摑まれた。
聲にならないくらいの痛みが腳だけではなく全に伝わり、頭がチカチカとして視界が赤っぽいに染まる。
それでも攻撃は止まらない。
「んぐっ! ぎっ!」
手は、俺を捕まえたまま思い切り床に何度も叩きつけた。
何度かその攻撃を喰らっていると、手は俺を叩きつけることをやめたが、代わりに逆さまの狀態で宙に吊るされた。
もうぼやけてあまりよく見えない視界で周囲を見ると、どうやら俺を目掛けて魔法の準備をしているようで魔力の反応がじられた。
數は……わからないが、最低でも十はあるだろう。
そんな攻撃を喰らえば、今の狀態じゃなくても普通に死ねる。喰らうわけにはかない。
だが、捕まっているこの狀況では避けることはできないので、手をどうにかするしかないのだが、先ほどから何度切りつけてもすぐに再生をして切れる気配がない。
そうこうしている間に子供達の魔法の準備ができたようで、後は俺に向かって放つだけの狀態になっている。
……迷っている暇なんて、ないっ!
俺が決斷したのと同時に、子供達から魔法が放たれ、その全てが俺へと襲いかかった。
炎が、暴風が、雷が、巨巖が、子供達の放った魔法の全てが手の先へと到達し、俺の使った弾なんか比じゃないほどの衝撃を撒き散らした。
だが、それでも俺は生きている。
それは何もあれだけの攻撃を喰らって生きていた、なんてわけじゃない。流石にあれをまともにけたら死んでる。
なんてことはない話だ。手に腳を摑まれているから逃げられないってんだったら、腳を切り落とせばいいっていう、それだけの話。
幸い、左足が無くなったところで、利き足である右は無事なので移できないことはない。
まあ、移し辛いし行力が落ちたのは事実だ。それに、完全に逃げ切ることができなかったせいで左腕も焼かれて砕けて、使いにならなくなった。
なので、今の俺は右手と右足っていう右半しか使いにならない狀態だ。
だがそれでも生きている。
とはいえ、周りはどれほど傷つけても回復するような超人に囲まれている狀態で、こっちは半分死んでるような怪我をしている。絶絶命と言える狀況なのは変わりない。
……ハッ。ここまで差があると笑えてくるな。
それでも、諦めるわけにはいかない。
後一つなんだ。それさえどうにかすれば、全部終わらせることができる。
それに、どうせ治癒魔法を使えば手足の一本や二本は生やすことができるんだ。だから、そんなことは気にすんな。
しかし、周りを囲まれた狀況からこのまま片手片足で進んだところで捕まっておしまいだろう。
今も俺を仕留められなかったのを理解した子供達が、俺を捕まえるためにこっちに向かって走ってきてるし。
「ぐっ……のおおおおおああああああっ!」
だから、最初と同じように弾で周囲の子供達ごと自分のを吹き飛ばし、最後の目的の場所まで進む。
即効のある鎮痛剤を使ったんだが、相変わらず痛い。
だが、そんな痛みなんて知ったことか!
やるって決めたんだ。こんなとこで倒れてられっかよ! 後しだ。これくらいなら、気合いでどうにでもなる。どうにかしてみせる!
「っとに、もう。くそっ、たれが……」
左手と左足が使えないので普段ほど速くけない。
荷だって、これから使う必要なもの以外は最低限の武や薬すらも捨てた狀態だ。
そんな狀態で走り、たどり著いた。
すぐ後ろには子供達が迫ってきていて、後數秒もあれば俺を捕まえることができるだろう。
だがこれで準備はできた!
結局のところ、最後に必要なのは才能でも技でもなく気合いなんだよ。
「……七天封滅陣、起!」
俺の宣言と同時に配置した七つの道が輝き、その効果を発揮する。
俺へと手をばそうとしていた子供達のきは止まり、俺を狙っていた魔法もその場で止まった。
だが、それだけではない。
配置した七つの道を頂點とした七角形の側にあるものはも生きも、空気でさえ凍ってしまっている。
多分、上空から見たら七角形の柱だか氷山だかができているように見えるんじゃないだろうか。ここは部屋の中だから見ることはできないだろうけど。
々発時の文言が廚二チックなのは、間違っても誤作しないためだ。こんな言葉、普段なら言わないからな。
今俺が何したかっていうと、魔法を使っただけだ。七角形の頂點に配置した道を連結させ、その七角形の側にあるもの全てを凍らせる特級の中でも上位に位置するだろう威力と規模の魔法。
本來俺にはこんな大規模な魔法なんて使えるはずもないんだが、それは魔力が足りないからだ。
なら、足りない分をどっかから引っ張ってくれば、使えないわけじゃない。
淺田に教えたように、モンスターからとれた魔石ってもんには魔力がこもっている。それを使って足りない分を補ったのだ。
とはいえ、この道はほとんど保険として、それからカーター達への嫌がらせとして高価な素材を大量に使って作ったんであって、まさか本當に使うとは思わなかった。
何せ使ったのは特級モンスターの魔石だ。一つでも最低何千萬するようなやつを7つ。普段の俺じゃ絶対に使わないようなやつだ。
事前に道の準備を終えていたから後は配置するのと簡単な作業だけで済んだとはいえ、その配置するだけってのが難しかったが、なんとかなってよかった。
「悪いな、救うことができなくて」
だが、この魔法は七角形のにあるものを凍らせて終わりじゃない。
凍らせただけではまだ完全に終わりとはいえない。だからもう一手必要になる。
魔法の最後の仕上げとして、近くに落ちていた銃を拾い、目の前にある巨大な氷に向かって狙いを定め——撃った。
俺自は銃の反で姿勢を崩したけど、弾そのものは狙いを違う事なく氷に當たった。
到底巨大な氷が砕けたとは思えないほどに澄んだ音とともに、氷は中にいた子供達ごととなって砕け散った。
……月並みな言葉だけど、葉うならば次は幸せな人生を願ってるよ。
氷の粒がを反する中で、俺は地面に倒れながら天を見上げながら目を瞑った。
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