《【電子書籍化】神託のせいで修道やめて嫁ぐことになりました〜聡明なる王子様は実のところ超溺してくるお方です〜》第十九話 騎士団大走
ウラノス公國では、公ポリーナを隣國の舞踏會へ送り出す準備に追われていた。
周辺國貴族たちの集まる盛大な舞踏會は三日三晩行われ、普段目にかかることのないような高位貴族もここぞとばかりに子をお披目する。當然、ウラノス公も目にれても痛くないほど可がっているポリーナの良縁を求めて、ポリーナは華やかな社界でスポットライトを浴びる機會を求めて、もうすっかりエレーニのことは忘れ去っていた。ステュクス王國から必要があれば連絡が來るだろう、どうせエレーニは形式上の妻だから結婚式も派手にはすまい、そう思っているのだ。
そんなウラノス公國上層部の浮かれ合に、騎士たちは明らかにやる気をなくしていた。
コーリャ青年もその一人だ。同僚と馬小屋前で座り込み、手持ち無沙汰に鞍を磨いていた。本當なら従騎士の仕事だが、その従騎士たちは三日前から休暇を取っている。城の上層部の浮かれ合を見せると教育に悪い、と騎士団長がそう指示したのだ。
「何か……暇だな」
「ああ。隣國行きは俺たちの出番はないみたいだし、領の警備はいつもどおりだしな」
「しかし、ポリーナ様はないよな。化粧は派手だわ田舎者丸出しのセンスだわ、貴族はあれがいいのか? 俺には分からん」
「そうだな」
コーリャ青年は思わずため息を吐いた。ポリーナのことはどうでもいい、コーリャ青年が気にかけているのはエレーニのことだ。
エレーニは結局、誰からも歓迎されず、さっさとステュクス王國へ送られてしまった。冷たいものだ、ウラノス公はまるで邪魔者を追い払うように娘を他國へ譲り渡した。人の親として、それでいいのか、とコーリャ青年も主君へ対し不満が募っていたのだ。
第一、騎士としては理解のない主君よりも、淑たる姫にこそ忠誠を誓いたいものだ。別にコーリャ青年のわがままというわけではない、実際にウラノス公は騎士を優遇することもなく、軍事に理解が乏しい。十年前に隣國ガラニシアを見殺しにしたときも、騎士たちは戦意旺盛だったにもかかわらず、ウラノス公は飛び火を恐れて自國にこもったのだ。そんな主君に、命を懸けてまで盡くそう、という気にはなれない。當時を知らないコーリャ青年も、エレーニと出會ったことでウラノス公への忠誠がすっかり消滅してしまっていた。
このままではいけない。コーリャ青年は元々この國にはそれほど著もないから、この國にいたいとも思わなくなっている。騎士でなくとも、他國でを立てることも考えはじめていた。エレーニの向かったステュクス王國はどうだろう、せめてしでも守るべき姫(エレーニ)の近くにいたい、そんなふうにも思う。
そこへ、急報がってきた。
騎士の一人が走ってきた。何事か、とコーリャ青年と同僚の騎士は立ち上がる。息咳切って走ってきた騎士は、ぶ。
「やってらんねぇよ! 俺はもう辭める! 何が見栄えのいい騎士をお供にするだ、馬鹿馬鹿しい!」
「おいおい、どうした。一から説明してくれ」
「ポリーナ様だよ! 姫らしく騎士を供にしたいから、顔のいい騎士を十人ばかし連れてこい、だとさ! そんなに連れていって何をするんだよ! 貴族連中に笑われるだけだ、毎晩騎士を寢床にれて取っ替え引っ替えしている、だなんて噂されてな!」
その下品さはともかく、確かにそう噂されそうだ。口さがない貴族たちは下らない噂を好むものだ。そしてポリーナは激怒する、お前たちのせいでそんな噂を立てられたのだ、と。そのくらいの予想は誰だってつく。
コーリャ青年と同僚の騎士は、頭を抱えた。
「俺も辭めた。もういい、騎士団長に言ってくる。コーリャはどうする?」
問われてすぐに、コーリャ青年はエレーニの顔を思い浮かべた。ここにいては、騎士らしくあることもできず、守るべき姫からも遠ざかるだけだ。
コーリャ青年は決意する。
「俺も行く。もうこの國には付き合いきれない」
「よし。他の連中もってこよう。しかし、どこに行くか」
「それなんだが、ステュクス王國はどうだ? エレーニ姫になら、忠誠を誓える」
コーリャ青年の提案に、騎士二人はすぐに納得した。ウラノス公に捨てられたかわいそうな姫、その噂はとっくに騎士団に広まっている。
「なるほど、そうしよう。それなら裏切りとも言われないだろうさ」
こうして、ウラノス公國としては大変に不名譽な、騎士団大走が數日後に敢行されることとなる。
一騎士団、二百人を超える大所帯の彼らの行き先は——ステュクス王國だ。
【二章開始】騎士好き聖女は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】
【第二章開始!】 ※タイトル変更しました。舊タイトル「真の聖女らしい義妹をいじめたという罪で婚約破棄されて辺境の地に追放された騎士好き聖女は、憧れだった騎士団の寮で働けて今日も幸せ。」 私ではなく、義理の妹が真の聖女であるらしい。 そんな妹をいじめたとして、私は王子に婚約破棄され、魔物が猛威を振るう辺境の地を守る第一騎士団の寮で働くことになった。 ……なんて素晴らしいのかしら! 今まで誰にも言えなかったのだけど、実は私、男らしく鍛えられた騎士が大好きなの! 王子はひょろひょろで全然魅力的じゃなかったし、継母にも虐げられているし、この地に未練はまったくない! 喜んで行きます、辺境の地!第一騎士団の寮! 今日もご飯が美味しいし、騎士様は優しくて格好よくて素敵だし、私は幸せ。 だけど不思議。私が來てから、魔物が大人しくなったらしい。 それに私が作った料理を食べたら皆元気になるみたい。 ……復讐ですか?必要ありませんよ。 だって私は今とっても幸せなのだから! 騎士が大好きなのに騎士団長からの好意になかなか気づかない幸せなのほほん聖女と、勘違いしながらも一途にヒロインを想う騎士団長のラブコメ。 ※設定ゆるめ。軽い気持ちでお読みください。 ※ヒロインは騎士が好きすぎて興奮しすぎたりちょっと変態ちっくなところがあります。苦手な方はご注意ください!あたたかい目で見守ってくれると嬉しいです。 ◆5/6日間総合、5/9~12週間総合、6/1~4月間ジャンル別1位になれました!ありがとうございます!(*´˘`*) ◆皆様の応援のおかげで書籍化・コミカライズが決定しました!本當にありがとうございます!
8 119豆腐メンタル! 無敵さん
【ジャンル】ライトノベル:日常系 「第三回エリュシオンライトノベルコンテスト(なろうコン)」一次通過作品(通過率6%) --------------------------------------------------- 高校に入學して最初のイベント「自己紹介」―― 「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ。生まれてきてごめんなさいーっ! もう、誰かあたしを殺してくださいーっ!」 そこで教室を凍りつかせたのは、そう叫んだ彼女――無敵睦美(むてきむつみ)だった。 自己紹介で自分自身を完全否定するという奇行に走った無敵さん。 ここから、豆腐のように崩れやすいメンタルの所持者、無敵さんと、俺、八月一日於菟(ほずみおと)との強制対話生活が始まるのだった―― 出口ナシ! 無敵さんの心迷宮に囚われた八月一日於菟くんは、今日も苦脳のトークバトルを繰り広げる! --------------------------------------------------- イラスト作成:瑞音様 備考:本作品に登場する名字は、全て実在のものです。
8 171お悩み相談部!
たまに來る相談者の悩み相談に乗り、その解決や手助けをするのが主な活動のお悩み相談部。そこに在籍している俺、|在原《ありはら》は今日も部室の連中と何気ないことを話し合ったり、一緒に紅茶を飲んだりしながら、なに変わらぬ代わり映えのない日常を過ごすはずだった……。 だが、生徒會から舞い込んだ一つの相談がそんな俺の日常を小説のような青春ラブコメへと変貌させる。 ●キャラクター紹介 |在原《ありはら》、今作の主人公。言葉は少しばかり強めだが、仲間思いのいい奴。でも、本人はそれを認めようとはしない。 |晝間夜《ひかんや》、在原の後輩でことあるごとに在原をこき使おうとする。でも、そんな意地悪な表裏にあるのは密かな戀心? 本人はまだ、それに気付いていない。 本編では語られていないが、在原にお弁當のおかずをご馳走したこともある。 |緋野靜流《ひのしずる》、在原の同級生。面倒見がよくいつも部室では紅茶を注いでいる。みんなからは密かに紅茶係に任命されている。 家はお金持ちだとか……。 |姫熊夢和《ひめぐまゆあ》、三年生。いつも優しそうにしているが、怒るとじつは怖い。 學內では高嶺の花らしく彼氏はいないらしい。みんなから愛されている分愛されるより愛したいタイプ。 じつはちょっと胸がコンプレックス。 |海道義明《かいどうよしあき》、在原の中學からの幼馴染。この中では唯一の彼女持ちだが、その彼女からは殘念イケメンと稱されている。仲間とつるむことを何よりの楽しみとしている。どちらかもいうとM。 |雙葉若菜《ふたばわかな》、海道と同じく在原とは幼馴染。在原のことを母親のように心配している。本人は身長なことを気にしているが、胸はどうでもいいらしい。じつは彼氏がいるとかいないとか……。
8 59栴檀少女禮賛
究極の凡才である僕が出會った、悪徳だらけの天才な彼女とのお話。彼女が持ってくる厄介事と、それの処理に追われる僕の日常劇。 イラスト作者:haЯu サイト名:21:works URL:http://hrworks.main.jp/
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何気ない退屈で平和な日常を過ごしていた主人公。しかしそんな日常もほんの一瞬で絶望へ変わってしまった。 大きな2度の地震で不幸にも死んでしまった主人公は、女神の元で異世界へ転生する事となった。自分の人生を決める重要なカードを引いた主人公は幼い女の子の姿に。その姿に惚れた女神は自分の仕事を忘れて主人公の保護者として一緒に異世界に転移してしまう。 幼女に転生した俺の保護者が女神な件。始まります。 /初心者作者による作品の為過度な期待はNG /誤字・構成ミス多め /16萬アクセス達成 /30000ユニーク達成 /毎日晝12:00更新!(多分) Twitter @Novel_croquis
8 82終末デイズ〜終末まで殘り24時間〜
殘り24時間、あなたは一體何をしますか? 好きな人と共に過ごすのか、家族に感謝を伝えるのか、己の欲望のままに行動するのか。 そんな人間ドラマ集です。 twitter始めました(作品に関する質問やイラスト等をお待ちしております)→@HaL3NoHeYa
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