「アリシア、完全復活いたしました！」

高らかに宣言するアリシアに、アダムは拍手を贈った。

「いやあ、しばらくおいしいごはんがなくて寂しかったよー」

「そこはうそでも私自を心配してほしかったです」

アリシアがむくれると、アダムが「ごめん」と謝罪した。

久々にをかすのは気持ちがいい。

アリシアは手際よく炊いた米を炒める。味付けは、塩コショウと、トマトペースト、量の砂糖。隣國では『ケチャップ』というものができたらしい。こちらにも早く販売されるといいなと思いながら皿に盛る。

今度は溶き卵をれる。焼きすぎないように、ふわふわになるように注意して、さっき炒めた米の上に乗せる。

オムライスの完だ。

「うーわ！　いいにおーい！」

アダムが涎を垂らしそうな表でオムライスを見ている。

みんなで食事前の挨拶をして、口に運んだ。

「おいしいー！」

アダムがガツガツと食べている橫で、アリシアもしていた。

「久しぶりの普通の食事です！」

風邪を引いていて固形が中々を通らず、しばらくずっとミルク粥だった。ようやく普通の食事だ。

アリシアは一口口に含むとで何度も何度もオムライスを噛み締めた。

やはり、食は大事だ。

まともに食事を取らず、が弱った狀態だから、あんな夢を見て、緒不安定になるのだ。

あれはアリシアらしくない。現在のアリシアはあんなに鬱々とする人間ではない。

――アリシアは、もうあの頃のアリシアではない。

違う自分だからこそ、こうして堂々とヴィンセントに會いに來たのだ。

「おいしい」

――私は、新しい私として、あなたと向き合うと決めたのだから。

ヴィンセントがポツリとらした言葉に、アリシアはにこりと微笑んだ。