《【書籍化】前世、弟子に殺された魔ですが、呪われた弟子に會いに行きます【コミカライズ】》番外編:好みの人

『前世、弟子に殺された魔ですが、呪われた弟子に會いに行きます』

書籍が発売されます!

発売日:10/15

レーベル:Mノベルスf

イラスト:藤未都也 様

書き下ろし番外編二本、本編もかなり加筆しています。

書き下ろし番外編容は活報告をご覧ください。

よろしくお願いします!

「アダムさんって、大人のが好きでしょう?」

暖かな午後、おやつに焼いたジンジャークッキーを提供しながら、アリシアはアダムに訊ねた。

「え? なんで?」

クッキーのった小皿をけ取りながらアダムが聞き返す。

「だって明らかに私を見る目とヴァネッサさんを見る目が違いますもん」

し拗ねた口調でを尖らせながら言う。

別にアダムにそういう目で見てほしいわけではないが、こうも興味ありませんという顔をされるのも乙心を傷つけられる。

アダムは首をかしげた。

「いや、アリシアちゃんも可いよ?」

「どうせ子供みたいで可いと思ってるんでしょう?」

アリシアがコンプレックスである自分のを見てむなしい気持ちになりながら言うと、アダムは困ったように頬を掻いた。

「だってあくまでアリシアちゃんは姉上だからなあ……」

「はい?」

アダムの言葉が聞こえなくて首をかしげるアリシアに、アダムは何でもないと頭を振った。

「で、どうしたの?」

「いえ……」

アリシアはもじもじとしながら、それでも意を決して口を開いた。

「ヴィンセントも……大きいほうがいいのかなあって……」

何が、とは言わなかったが察したのだろう、アダムは真剣な目をした。

「アリシアちゃん。大事なことなんだけど」

「はい」

にはロマンが詰まっている」

アダムはぐっと拳を握った。

「そのロマンは、大中小、それぞれの良さがあるんだ。一概に大きいのがいいとは言えない」

「は、い……」

真顔で力説するアダムに、アリシアは引きながらも返事をした。

――そうか、小さいのもロマンがあるのか。

アリシアは人知れずで下ろした。

「というか、賢者様の好みなら賢者様に聞けばいいじゃん。ね、賢者様」

「え?」

ね、とアダムが話を振った視線の先はアリシアの後ろだ。アリシアはおそるおそる後ろを振り返る。

「ヴ、ヴィンセント……」

そこにはいつからいたのか、ヴィンセントが立っていた。

アリシアは前に向き直り、キッとアダムを睨み付けた。

「どうして教えてくれなかったんですか!」

「どうしてって……気付いたらいたし」

アリシアは顔を青くしたり赤くしたり忙しない。

――ヴィンセントに聞かれていただなんて!

アリシアとしてはこれは緒話だったのである。好いた異に聞かれたい容ではなかった。

恥ずかしいし気まずい。

いたたまれない気持ちになったアリシアはヴィンセントを見れずに下を向く。

「アリシア」

低い聲が自分を呼んだ。

「はい……」

アリシアは下を向いたまま返事をした。

「俺はアリシアがいい」

その言葉に勢いよく顔を上げれば綺麗な紺の瞳と目があった。

「アリシアがいい」

再び繰り返された言葉にアリシアのは熱くなる。

「わ、私も……」

アリシアは張で震える聲で拙く伝える。

「私も、ヴィンセントがいいです」

嬉しそうにわずかに表を緩めたその様子がおしくて、アリシアも顔をほころばせた。

二人の世界が展開される中、アダムがひたすら気配を殺すことに専念したのは言うまでもない。

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