《【書籍化】萬能スキルの劣等聖 〜用すぎるので貧乏にはなりませんでした》全滅へのカウントダウン

「あいつ消えちまいやがった!」

「どこかしらに隠れて不意討ちをする可能がある。拙僧の目で探ってみよう」

「いえ、その必要はありません。彼は撤退しました。私たちがこの要塞と共に葬られることを確信して――」

「「――っ!?」」

魔軍博士ウィリーを討伐寸前まで追い詰めた私たちでしたが……彼は要塞ごと自させるという強手段を取り、逃げ出してしまいました。

まで殘り五分と言っていましたが、ここから安全に出するには――。

「テレポーテーションを使って外に出られないのか?」

「この要塞を形する金屬が空間移を邪魔しているので、外に出ることは葉いません。連続して使用して出口まで行こうにも、たった五分ではとても間に合わない……」

「絶絶命ということか……」

壁を超えて外に出ることが可能ならば出は楽でした。

ウィリーも私たちがテレポーテーションを使おうとすることは織り込み済みでしょうから、その程度で逃げられるのなら、こんなやり方はしないでしょう。

ロレンスの言うとおりこの狀況は絶絶――

「いえ、まだ諦めるには早い! ですよね? ソアラ先輩!」

「まだ諦めるには? ……ええ、その通りです。まだ私たちはこうして五満足で生きています。生きているのなら、何か手立てがあるはずです」

かつてゼノンが氷の魔城攻略に何度も失敗して、私を再びパーティーにれようとしたとき――私は彼に「諦めるにはまだ早い」と聲をかけました。

ゼノンは何度もパーティーが全滅に瀕しても諦めませんでしたね……。

私も負けてはいられません。この絶的な狀況を乗り越えてみせます。

「しかし狀況は厳しいですよ。こうしているに殘り時間もあと三分くらいしか無くなっていますし」

――ッッッッ!! 痛っ……! やはり完全に破壊するのは難しいか。壁もひび割れておるから、拙僧の拳でも破壊可能かと思ったが……!」

時間がないとエレインが口にしたとき、ジンが急に壁を毆りつけました。

鉄以上の度を誇る要塞の壁ですが、彼の渾の一撃は拳大のを開けるに至ります。

そういえば、ここに侵したときに會った巨人も棒で壁を破壊していましたっけ――。

「ふふ、ありがとうございます。……どうも私は難しく考えてしまいがちです。ジンさんが示して下さったように、シンプルに壊してしまえば良かったのですよ」

「「――っ!?」」

最も手っ取り早い方法に気付かないとは、反省すべきでした。

壁を壊して、外への出ルートを作る。

そして飛竜を召喚してエデルジアへと戻ります。

「ソアラ先輩、この壁は理では破壊可能みたいですが、魔法には滅法強いのでは? ウィリーの超極大魔法でも壊れていませんでしたし」

「いくら姐さんがあらゆる流派をマスターしていても、火力が圧倒的に足りない気がします」

エリスの言うとおり、この壁は魔法に対しては異常な耐久を持っていまして、ウィリーの強力な魔法にもビクともしていませんでした。

そして、エレインの見立てどおり普段の私の力ではあれを壊すだけの理的な火力は出せません。

おそらく魔(シルバードレス)を使ったとしても――。

「皆さんの力を貸してください。幸い、相手はただの壁です。襲いかかってくる可能は皆無……」

「「…………」」

「ですから、エレインさんとエリスさんは私に魔力を……、ロレンスさんとジンさんは私に闘気を分けてください。皆さんの力を全て魔(シルバードレス)による能力の上昇に使いますから」

Bランクの補助スキル、魔力集束(マナプラス)と闘気集束(オーラプラス)。それぞれ、魔力と闘気を吸収して分けてもらうスキルです。

スキだらけになる上に時間もかかるので戦闘中に使うことは難しいですが、一分もあればかなりの量の力を分けてもらうことが出來るはず――。

「ソアラ姐さん、あたしの魔力を全部持っていって下さい!」

「わたくしもソアラ先輩の力になれるのなら微力を盡くしますわ!」

しい方法があるじゃないか。僕の蕓的な闘気をプレゼントしよう!」

「拙僧の力も遠慮なく持っていくが良い!」

パーティー全員の力を私に集めて――それを全てこの剣に込めて最大火力の一撃を放ちます。

――腕が砕けても活路は必ず開いてみせる。

仲間の力、自分の力、今までの努力も全部含めて、私は剣を振り下ろしました――。

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