《【書籍化】竜王に拾われて魔法を極めた年、追放を言い渡した家族の前でうっかり無雙してしまう~兄上たちが僕の仲間を攻撃するなら、徹底的にやり返します〜》53話。無の

【★☆★★☆★大切なお知らせ☆★☆☆★☆】

あとがきにて、

この作品を楽しんでくださってる方に向けた、

とても重要なお知らせが書いてあります。

どうか、最後まで読んでくださると幸いです。

海竜王リヴァイアサンの切斷された腕が、噓のように再生した。

海竜王は怒りに顔を歪めながら、魔法を詠唱する。

「ちくしょぉおおお【金剛竜鱗】!」

ヤツの両腕が黃金に輝く。

僕は詠唱の容からその効果を見抜いた。

「防力強化バフか……!?」

腕の度、強度を飛躍的に高めたのだ。元々、頑強な竜の鱗が、恐らくオリハルコン以上の度になっているだろう。

「その剣はヤベェ! お前ごと原型も殘さず、潰してやるぜぇえええ!」

海竜王が拳を撃ち落としてくる。地形すら変えてしまうだろう極限の一撃だった。

迷っている暇はない。

「ハァアアアアア──ッ!」

その拳を、僕は魔剣グラムよりびたの刃で、斬り上げた。

この刃を形する魔力は、聖、冥、火、風、地、水、雷、この世界を構するいずれの屬でもなかった。

だとするなら、消去法で考えうる可能はひとつしかない。

この刃は、より源的な純粋なる力、『無』屬の魔力で形されているのだと思う。

『無』屬は、魔法研究者の間で、存在はしているとされているが、実在は確認されていない幻の屬だった。

僕の得意屬は『聖』かと思ったけど、違うとハッキリわかった。

僕の得意屬は『無』だ。かつてない力が魔剣グラムを通じて、顕現しているのをじた。

「バカなぁああああ! この俺の最高の一撃だぞ!? なんだその力は!? ま、まさかそれが……!?」

海竜王が拳を両斷されて、苦痛の聲を上げる。

「ぐぉおおおお! 聖竜王の予言は正しかったか!? 至寶! 【オケアノスの至寶】はどこだ!? アレさえ有れば!?」

海竜王はキョロキョロと、視線を半壊した王宮に向けた。

なんだ? いまさら【オケアノスの至寶】を探しているのか?

もしかして、僕の【無の刃】を至寶の力で消すつもりか?

いや、待てよ。

そもそも聖竜王たちが、【オケアノスの至寶】を求めていたのは、この【無の刃】に対抗するためか……?

「ぐっ……!」

僕は海竜王に追撃を加えようとしたが、足元がふらついた。

どうやら、魔剣グラムに大量の魔力を吸われたためらしい。

マズイな。この【無の刃】をマトモに使えるのは、おそらくあと2、3回が限度だ。

「者ども! 人魚族の王を【オケアノスの至寶】を探せ! この俺に獻上するんだぁああ!」

余裕を無くした海竜王が絶する。

そこにあるのは怯えだ。

ヤツは、おそらく自分の命を脅かす程の強者と戦った経験は、無かったのだろう。

戦闘を楽しめていたのは、自分が常に優位だったからだ。

「そうはさせるか、愚か者め!」

その時、凜とした聲が響いた。同時に、王宮から漆黒の鱗を持った禍々しいドラゴンが出現する。大気が震撼するかのような絶大な魔力が、黒竜より放たれた。

あれはまさか……

「アルティナか!?」

「おおっ! カルよ、待たせたのじゃ! ティルテュもオケアノス王も無事じゃぞ! すべては、おぬしのおかげじゃ!」

これが冥竜王アルティナの真の姿か。

海竜王より小さくはあるが、見る者を畏怖させる威容だった。

「海竜王リヴァイアサンよ。おぬしは、もはやカルにかすり傷すらつけることはできぬ。

なぜなら最強の竜殺しカル・アルスターには、いついかなる時もこの冥竜王アルティナが付き従うのじゃからな!」

アルティナは咆哮と共に、猛スピードで僕の前に飛んできた。

僕は風をってその背に飛び乗る。アルティナが力を貸してくれるなら、怖いものなど何もなかった。

「アルティナ、一緒にヤツを倒すぞ!」

「おう! 我らにかなう者など、天上天下に誰ひとりおるまいて!」

「お、お前らぁああああ!」

海竜王が破れかぶれの雄びを上げた。

ここまで、お読みいただきありがとうございます!

次回でいよいよ決著となります。

【☆★☆★読者の皆様へ大切なおねがい☆★☆★】

「5秒程度」で終わりますので、ぜひよろしくお願いします。

本當に応援ありがとうございます!

実は、この作品は今再び、とても大事な局面を迎えています!

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