《【書籍化】「お前を追放する」追放されたのは俺ではなく無口な魔法でした【コミカライズ】》追跡してみた(テレサが)
★
「今日は仕事はなしだ」
朝食を摂っていると、ガリオンは唐突に仕事を放棄する発言をしはじめた。
『駄目に決まっているでしょう、私たちの労働が街の平和を維持しているのですよ?』
深海祭りから戻ってきて以來、やる気を出すテレサは積極的に依頼をけていた。
「すまんが、今日だけは勘弁してくれ。埋めあわせはするからさ」
『むぅ……、そこまで言うのなら構いませんけど……』
いつにないガリオンの態度に、テレサは眉を寄せて難しい顔をするが折れることにした。
それと言うのも、ガリオンが謝るのは本當に珍しいので、彼が嫌がることはしないと心の奧でブレーキをかけたからだ。
決して「埋め合わせ」と言う言葉に惹かれたわけではないのだが、それはそれとしてどこに付き合ってもらおうか即座に幾つかの行パターンを考えていたテレサは笑みを浮かべながら朝食をつついていた。
「今日は冒険者活はしないんですね?」
ガリオンの皿を下げに來たのはこの宿の娘で朝は給仕、晝は選択に晝の掃除を行っている看板娘のミリィ。歳はテレサの一つ下で、接客業をしているのか怖じすることなく良く笑うだ。
ガリオンもテレサも、ここを定宿にしているのでミリィとは顔なじみだ。
テレサはミリィに対して頷き返事をすると朝食へと戻る。
ここの食堂の料理は味しいので、依頼がないのならゆっくり味わって食べたかったからだ。
テレサが食事をしている間にも、ミリィは皿を片付けテーブルを水で絞った布で拭く。彼はそのまま立ち去るわけでもなくポツリと呟いた。
「それにしても、妙ですね?」
テレサは首を傾げるとミリィに視線を向けた。
「ガリオンさんが用事だなんて、珍しくないですか?」
これまでを振り返ってみる。
出會ってからは依頼をこなしたり、休日であっても裝備の修理くらいでしか一人で外出しておらず、大抵は宿で寢て過ごしていたガリオンが唐突に休みをしいと言ってきたのだ。
「裝備を修理に出すのは最近やってましたし、何より普段よりもパリッとした恰好をしていました」
よく見ているなとテレサは心した目でミリィを見る。テレサが知る限り、ガリオンが今日の服裝をするのは初めてなのでわざわざ新品の服を著ているということになる。
「もしかして……」
ミリィがアゴに手をあてなにやら考え込み始めたので、テレサは目に力をれると続きに注目した。
「深海祭りで人でもできてデートに出掛けたんじゃ?」
次の瞬間、テレサが手に持っていたフォークとナイフが皿に落ち、質の音を鳴らした。
部屋に戻り大急ぎで著替えを終えたテレサは、繁華街へと來ていた。
まだ朝ということもあってか、ほとんどの店が開店しておらず、搬作業や準備に追われている人たちが店先に立っている。
そんな中、テレサは大足で歩くとキョロキョロと周囲を見回しガリオンの姿を探していた。
(まさか、そんなタイミングはなかったはずですが……)
深海祭りの警備の間も目をらせていたので、ガリオンが他のと良い雰囲気になっていなかったはずだ。
だが、最終日に気を抜いてお酒を呑んだ後に関しては空白の時間が存在している。もしかするとその時にことを起こしたがいたのではないか……。
今は一刻も早くガリオンを見つけなければいけないと、強迫観念がテレサをかしていた。
しばらく歩いていると、遠くの木工職人の店からガリオンが出てくるのを発見した。
両手に紙袋を一杯に持つと、どこかへと歩き出した。
急いで追いかけようとして、テレサは足を止める。
ああ見えて、ガリオンは超一流の剣士だ。生半可な距離ではこちらのきを察知し発見されるおそれがある。
テレサはかなり距離を置きながら追跡を開始した。
しばらく後をつけるが、ガリオンが振り向く様子はない。
大量の荷が視野を狹めているからか、それともこれから會う相手とのことを想像して注意力が散漫になっているのか……。
だんだんと街の外れへと進み、人通りがなくなってきた。
古めかしい建がまばらに點在している。
ガリオンはそんな建の一つへとって行く。広い敷地なのだが、柵はぼろく、庭先には家庭菜園が作られている。
ガリオンがノックするとドアが開き、中からは妙齢のが姿を現し、手荷を半分け取ると、ガリオンを中へと促した。
(まさか本當にとあっていたなんて)
ミリィの言葉を話半分に聞いていたのだが、こうして決定的な瞬間に遭遇するとはテレサも思っていなかった。
屋にるときの優しい笑顔にムカムカすると敷地へとる。中の様子を探れないかと考え、建の外をぐるぐると回っていると……。
「侵者だ! 捕まえろっ!」
振り向くと、アミが降ってきた。
(なっ!)
次の瞬間、テレサはアミに巻かれると地面へと転がるのだった。
★
Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜
一風変わったVRゲーム『Monsters Evolve』があった。モンスターを狩るのでもなく、モンスターを使役するのでもなく、モンスターになりきるというコンセプトのゲームである。 妙な人気を得たこのゲームのオンライン対応版がVRMMORPGとして『Monsters Evolve Online』となり、この度発売された。オフライン版にハマっていた吉崎圭吾は迷う事なくオンライン版を購入しプレイを始めるが、オフライン版からオンライン版になった際に多くの仕様変更があり、その代表的なものが初期枠の種族がランダムで決まる事であった。 ランダムで決められた種族は『コケ』であり、どう攻略すればいいのかもわからないままゲームを進めていく。変わり種ゲームの中でも特に変わり種の種族を使って何をしていくのか。 人間のいないこのゲームで色んな動植物の仲間と共に、色んなところで色々実験してやり過ぎつつも色々見つけたり、3つの勢力で競いあったり、共に戦ったりしていくそんなお話。 カクヨムにて、先行公開中! また、Kindleにて自力での全面改稿した電子書籍、第1~6巻を発売中! そしてオフライン版を描くもう1つの物語。 『Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~』も連載中です。 良ければこちらもどうぞ。 https://ncode.syosetu.com/n9375gp/ 無斷転載、無斷翻訳は固く禁じます。
8 84【書籍化・コミカライズ】無自覚な天才少女は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~
各分野のエキスパートである両親と兄姉5人を持つリリアーヌ・アジェットは幼いころから家族から最高水準の教育を受け続け、15歳になった今ではあらゆる分野で天才と呼ばれている。 しかし家族が全員「この子はこんなに可愛い上に素晴らしい才能もあるのだから、自分くらいは心を鬼にして厳しいことを言わないとわがままに育ってしまうだろう」とそれぞれ思っていたせいで、一度も褒められた事がなかった。 ある日突然遠縁の少女、ニナが事情があって義妹となったのだが、いくら頑張っても自分を認めてくれなかった家族が全員ニナには惜しみなく褒め言葉をかける様子を見て絶望したリリアーヌは書置きを殘して姿を消した。 (ここまでが第8部分) 新天地で身分を偽り名を変えたリリアーヌだが、家族の言う「このくらいできて當然」という言葉を真に受けて成長したため信じられないくらいに自己評価が低い。「このくらいできて當然の最低レベルだと習いましたが……」と、無自覚に周りの心をボキボキに折っていく。 殘された家族は「自分を含めた家族全員が一度もリリアーヌを褒めたことがなかった」とやっと気づくのだが…… 【コミカライズ進行中】
8 170ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―
第七五六系、恒星シタールタを中心に公転している《惑星メカニカ》。 この星で生まれ育った青年キラはあるとき、《翡翠の渦》という発生原因不明の事故に巻き込まれて知らない星に飛ばされてしまう。 キラは飛ばされてしまった星で、虹をつくりながらある目的のために宇宙を巡る旅しているという記憶喪失のニジノタビビトに出會う。 ニジノタビビトは人が住む星々を巡って、えも言われぬ感情を抱える人々や、大きな思いを抱く人たちの協力のもと感情の具現化を行い、七つのカケラを生成して虹をつくっていた。 しかし、感情の具現化という技術は過去の出來事から禁術のような扱いを受けているものだった。 ニジノタビビトは自分が誰であるのかを知らない。 ニジノタビビトは自分がどうしてカケラを集めて虹をつくっているのかを知らない。 ニジノタビビトは虹をつくる方法と、虹をつくることでしか自分を知れないことだけを知っている。 記憶喪失であるニジノタビビトは名前すら思い出せずに「虹つくること」に関するだけを覚えている。ニジノタビビトはつくった虹を見るたびに何かが分かりそうで、何かの景色が見えそうで、それでも思い出せないもどかしさを抱えたままずっと旅を続けている。 これは一人ぼっちのニジノタビビトが、キラという青年と出會い、共に旅をするお話。 ※カクヨム様でも投稿しております。
8 177スカイリア〜七つの迷宮と記憶を巡る旅〜
空に浮かぶ世界《スカイフォール》に暮らす少年ナトリは生まれながらに「飛ぶ」ことができないという致命的な欠陥を抱えていた。 王都で配達をこなす変わり映えのしない日常から、ある事件をきっかけに知り合った記憶喪失の少女と共に、少年は彼女の家族を探し出す旅に出る。 偶然に手にしたどんなものでも貫く特別な杖をきっかけに、彼は少女と自らをのみ込まんとする抗いようのない運命への叛逆を決意する。 やがて彼等の道行きは、世界に散らばる七つの迷宮に巣食う《影の軍勢》との世界の存亡を懸けた熾烈な戦いへと拡大していくのであった。 チートあり魔法ありダンジョンありたまにグロありの王道冒険ファンタジー、の予定です。 ※三部構成第一部完結済み
8 183神眼使いの異世界生活
鳴神創真は女神様の間違いで死んでしまった。 女神様はお詫びとして異世界に転生させてくれるらしい。女神様からもらったスキルは7種類の神眼だった。 超王道のファンタジー物語! 題名はまだ安定しません! 書いているのがただの高校生で初めての作品なので下手くそで読みずらいかと思いますがよろしくお願いします!
8 78白色の狐〜とあるVRMMO最強プレイヤー〜
2025年、魔力の発見により、世界が変わった。 それから半世紀以上の時が流れて、2080年、魔力と科學の融合による新技術、VRMMOが開発された。 この小説は、そんなVRMMOの中の1つのゲーム、『アルカナマジックオンライン』の話である。
8 63