《テイマーリュカリュカちゃんの冒険日記》5 ホビッーーは、いません
「それでは続いて種族についての説明に移らせていただきます。まずはヒューマンですが、能力値的には基本にして標準の一言に盡きます。初期能力値に変化はなくすべて五で統一されており、大きな欠點がない反面、得意とする分野がない種族と言えますね」
今の説明を聞いた限りでは微妙な能というじがする。
「しかし、平均的であることは決してマイナスなことばかりではありません。自分好みに能力を長させられるとも言い換えることができるでしょう。そのため、初心者の方にはおすすめの種族とも言えます。また、種族による外見の変化もありませんので、こだわりのあるプレイヤーの方々からはその點でも人気があります」
基本値が全て同じだから、途中で長のさせ方を変更しても修正が効きやすいということも利點かもしれない。
々と試行錯誤をする初心者にはピッタリなのかもね。まあ、職業から技能まで含めた定番でテンプレートな育方法もあるのだろうけれど。
「次に紹介するエルフとドワーフ、ピグミーですが、この三種族は妖種とも呼ばれています」
「エルフとドワーフはそれなりに聞いたことがあるんですけど……、ピグミー?」
「簡単に言いますと小人種ですね」
「ああ、ホビッ――」
「ストップです!それ以上はいけません」
「え?え!?」
「その種族名に関しては利用権を貰うことができませんでしたので」
「いきなり生々しくなった!?」
大人の事なのです、と呟くアウラロウラさんのお顔はにゃんこさんなのに哀愁が満ち満ちていた。
とかくこの世は世知辛いようで……。
「説明に戻りましょうか。この妖種の三種族はいずれも〈敏捷〉が二ポイント高く、加えてエルフは〈知〉と〈魔力〉、ドワーフは〈筋力〉と〈力〉、ピグミーは〈力〉と〈運〉に、それぞれ一ポイントプラスされます。ですが反対に、殘る能力がそれぞれマイナスされることになります」
種族ごとに得意不得意があるようだから、技能もそれに合わせて選ぶ必要がありそう。
「種族による外見変化ですが、エルフはし長がびて全的に細となります。反対にドワーフはし背がみ、全的に骨太な雰囲気となりますね。ピグミーの場合は特殊で、格はそのままですが、背丈がおよそ半分ほどとなります。かなりリアルとの違いが出てきますから、慣れるまで時間がかかることが多いようです」
エルフの長がびるという點は魅力的だけど、全が細くなるのはいただけないです。特定部位だけ引き締めたりできないのかなあ……。
ピグミーも面白そうではあるけど、リアルでの生活に支障が出ると困るから今回はパスということになりそう。
ドワーフは……、ステータスがバリバリの前衛向きだよね。初心者としては、いきなり魔と近接戦闘をするのは厳しいものがあるんじゃないかと思う。
「最後はセリアンスロープですね。いわゆる獣人ですが、〈魔力〉が一と極めて低いのが特徴です。しかし、その減した四ポイント分を〈筋力〉〈力〉〈敏捷〉〈知〉に自由に割り振ることができます。また、種族決定後のボーナスポイントは〈魔力〉にも割り振ることができるようになっています」
「ボーナスポイント?」
何やら心くすぐられる単語が登場してまいりましたよ!
「はい。三ポイントか、サイコロを一個振った出目にするか選択できますよ。〈運〉以外の能力値に自由に割り振ることができます」
「皆、挑戦しているんですか?」
「ランダムボーナスに挑戦されたのは、全の三分の一ほどのプレイヤーの方となります」
「そので四以上が出た人の割合は?」
「約半數ですね。サイコロを投げるという表現にしていますが、出現する出目の確率は等しくプログラムされていますので」
六分の三だから半分。ちょうどではないのは、偏りが発生したためだろう。
「リアルのようにサイコロにわずかながらの歪みが生じる心配もありません」
プログラミングされたデータなんだから、そりゃそうでしょうよ。
でも、ドヤ顔のにゃんこさんが可いので突っ込みはしないでおいた。ウサギ耳だけど。
それはともかく、ランダムボーナスを行わない場合は三ポイントの固定なので、一及び二が出ない限りは損をしないことになる。
確率的には約三十三パーセントで殘念賞となる訳だ。
里っちゃんなら……、確実に挑戦するだろうね。そして見事に一を出すはずだ。しかも狙って。
普段は効率を重視するのに、遊びになると途端に「面白くなりそうなこと」に全力を盡くす。ボクの従姉妹は難儀な格をしているのです。
「優ちゃん、ひどい!」
という里っちゃんの聲が聞こえたような気がするけど、今回もきっと空耳だろう。
「外見の方ですが、基本的にはヒューマンにの尾や耳が生えているというものになります。後はアレンジで深くしたり、牙をし長くしたりということ等も可能です。選択できるは犬、貓、兎、鼠、牛、馬、羊、山羊、猿などがあります。また、再選択が不可になりますが、ランダム選択を行うことで鳥や獅子、一角獣などのレア種族になれることもあります」
鳥の場合は背中に小さな羽が生えるのだけれど、それによって飛んで移するということはできないそうだ。
また、レア種族と言っても能力値などに変化はなく、あくまでも見た目だけ、ということらしい。
「再選択できないってことだけど、もしもどうしても気にらなかった時はどうすれば良いの?」
「キャラクターを作した後、プレイ開始からゲーム時間で一週間が経過することでキャラクターを消去することができるようになりますので、再度キャラクターメイキングを行っていただくことになります。ただし、運営側としましては推奨は出來かねるというのが本音です」
レア種族は魅力だけど、そのためだけに何度もキャラ作を行うのはナンセンスに思える。ゲーム時間で一週間分を無駄にするだけの価値があるとはボクには到底思えなかった。
とりあえず、現段階で種族の候補に挙がっているのはヒューマンとセリアンスロープ、次點でエルフというところかな。
それとランダムボーナスもなかなかに悩ましい。損する確率は約三割で、上手くいけば倍の六ポイントも能力値ボーナスが貰えるという。
話を聞いた限りではローリスク・ハイリターンなようにもじられる。
挑戦するべきか、せざるべきか。それが問題だよ。
次回投稿は本日夕方18:00の予定です。
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