《テイマーリュカリュカちゃんの冒険日記》38 『報屋』のいる店(雑談回)

連載一カ月で総合アクセス數が30,000、ユニークも5,000を超えました。

読んでくださった皆様、本當にありがとうございます。

まだまだ続きますので、これからもよろしくお願いします。

『異次元都市メイション』は今日も集まっている數多くのプレイヤーたちによって活気に満ち溢れていた。

なかでも飲食を提供する店はどこも盛況だ。『報屋』の二つ名を持つフローレンスが経営する酒場『休肝日』も多くの客でにぎわっていた。

「いらっしゃいませー!何名様ですか?」

「やあ、フローラちゃん。六人なんだけど、席はあるかい?」

「テーブル席とお座敷、どっちもいけますよ」

「それじゃあ、座敷で」

「はーい。お座敷、六名様でーす!」

「全員、飲み來たな?それじゃあ、カンパーイ!」

「かんぱーい!……ぷはぁ!話には聞いていたけど、じの良い店だな」

「だろう。後、基本二時間で防音の部屋も借りることができるぞ。個室料金が千デナー掛かるけどな」

「カラオケかよ!?……いや、それにしてはちょっと高いか?」

「十人くらいいればそうでもないんじゃない?」

「いや、カラオケじゃねーから。味い食いと酒を楽しみながら、緒話ができるだけだから」

「赤坂のご料亭!?」

「政治家か!?というか、政治家がゲームとかやらないだろう」

「今のご時世ゲームで遊んだことがない人の方がないんだから、現役の政治家でゲームやってる人がいてもおかしくはないぜ」

「そういえばこの前、SNSで『OAW』プレイヤーだって宣言した政治家がいるって、ネットのニュースに出てたよ。若者にびてるとか、人気取りのための出まかせだとか言われて叩かれていたけど」

的なタイトルを出したから、獻金があるとでも思われたのかね?」

「政治家に渡す金があるなら、ガチャ形式でもいいからプレイヤー側にキャッシュバックしろと言いたい」

「ガチャ……」

「暗い顔をしてどうした?って、理由は聞かなくても分かるけどな」

「外れたな」

「外したね」

「あえて言おう、スカであると!」

「人の心の傷を抉るなよっ!」

「まあ、そんな時もあるさ。ほら、焼き鳥食え。代金は割り勘だがな!」

「割り勘なのかよ!?」

「落ち著け。それよりロシアンたこ焼きでも食え。最後の一個だけど」

「それ大當たり確定じゃん!?どうせ當たるならガチャの當たりが良かったよ!」

「おおー。なかなか上手いこと言うね」

「自分の辛い過去すら笑いに変えるとは……。お前の蕓人魂には帽だぜ!」

「違うから!蕓人じゃないから!」

「ちなみに、何が取れたの?」

「……ポケットティッシュ」

「マジか!?それ高値で売れるから実は當たりじゃないかって言われてるアイテムだぞ」

「は?」

「それホント!?」

「本當だ。どこの街にも一人はポケットティッシュコレクターがいて、そいつのところに持っていったら最低でも千デナーにはなるぞ。該當するNPCを探すのが面倒なら、この街にある『ポケットティッシュ買い取り専門店』に持ち込めば最低価格だが買い取ってくれる」

「なにそれ?プレイヤーの店なの?」

「おう。〔渉〕技能持ちのプレイヤーで、他のプレイヤーからポケットティッシュを買い取っては自分のワールドのコレクターNPCに売りつけているそうだ」

「楽しみ方は人それぞれとはいえ、変わったことをしているやつがいるんだなあ」

「お料理の追加をお持ちした!こちらの空いているお皿は下げさせてもらいますね」

「そう言えば例の新機能、有料になるかもしれないって噂があるみたいよ」

「おいおい、本當かよ?」

「あくまでも噂だけどね。しかも呼び込むためのホストワールド料金と、他プレイヤーのワールドに向かうための登録料金は別扱いなんですって」

「有料となるとしばらくは様子見をした方がいいかもな。運営は何か言っているのか?」

「今のところは何も。……あら、その運営から何かお知らせが発表されているわ」

「運営から?なになに……、『好評だったプレイヤーからの報告書の連載公開について』?」

「ああ、あの『竜の卵』をクリアした子ね」

「『竜の卵』ってランダムイベントのやつか?クリアしたってことは、あのブラックドラゴンを倒したのか?」

「違うよ。あ、そっちの話も掲載されたままになっているみたいだから、読んでみるといいよ。VR初心者のプレイヤーらしくて、なんだか微笑ましくなるから」

「……まあ、それも最初のだけなんだけどな」

「途中からは突っ込み所満載になるから」

「???ともかく、一回目から読んでみたらいいのか?この『テイマーちゃんの冒険日記』ってやつだな」

こちらは別のテーブル席。ここでも給仕のフローラに扮したフローレンスが耳をそばだてていた。

「エール二つにワインをお持ちしました」

「フローラちゃん、さんきゅー。そこに置いといて」

「しかし、プレイ開始二日目にしてこの容か……」

「冒険者協會で柄の悪い冒険者に絡まれるテンプレな展開かと思いきや、実は案してくれていた騎士に難癖付けるのがその連中の目的だったとか、フェイントを効かせ過ぎだと思うんだ」

「いや、問題はその後だろ。「雰囲気を切り替えることで相手の冒険者たちに圧力を掛けた」って當たり前のことのように書かれても……」

「普通、そんなことできないよなあ……」

「その後にディランにやられた威圧の方が、そのままな名前の技能がある分こっちの世界でならできる気がする」

「あ、〔威圧〕って技能でできるようになるんだ?」

「〔気合い〕とその上位技能である〔気迫〕を最大練度まで長させる必要があるけどな」

「ただの上位技能じゃなくて、まだその先!?いつの話になることやら」

「なあ、ディランとデュランって『泣く鬼も張り倒す』の二人組なのかな?」

「片や支部長で、もう一人は一等級冒険者だったか?噂通りならそのくらいになっていても不思議じゃないな」

「職業が<オールレンジ>のヒューマンと、もう一人がエルフだという點も報と一致している。可能は高そうだ」

「オーガロードを倒した『生きた伝説』の二人か。他のイベントでも出てくることがありそうだから、寫真付きで面が割れたのは正直ありがたいぜ」

「クンビーラの支部長としてデュランはほぼ固定狀態だろうから、中央の『風卿』のエリアにいる連中には特に恩恵が大きいだろうな」

「それにしても『おじいちゃんと呼ばれてまんざらでもないディラン氏』と『若作りと言われて直するデュラン氏』か……。これ自はただの面白寫真なんだが、撮影者がなあ……」

「アウラロウラってキャラメイクのサポートNPCじゃなかったのか」

「それより「あなたの隣のケット・シー」ってその一言が怖えよ」

「ほうら、あなたのすぐ後ろにも貓人間(ケット・シー)が……」

「やめれ」

そんな技能があれば報収集も楽になるのにと思うフローレンスなのだった。

明日からは新章開始です。

それに合わせて更新頻度も一日一回に戻る予定です。

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