《テイマーリュカリュカちゃんの冒険日記》62 リアルのフレンド
ここでし時間を巻き戻すね。
衛兵隊の隊長に騎士団の千人隊長、冒険者協會のデュラン支部長と続けざまにお説教をけて、『猟犬のあくび亭』にふらふらになりながら帰り著いたのだけど、そこでもまさかのステレオ式お説教をける羽目になったことで、おじさんに対して復讐(いやがらせ)を決意したのはご存知の通りだと思う。
留置所や拘置所といえば『臭い飯』と例えられるように不味いご飯が定番な所。
いやまあ、リアルではとうの昔に改善されているっていうし、ボクの獨斷と偏見によるものだということは分かっているけどね。
ともかく、味しいご飯を目の前で食べたりすれば、十二分に嫌がらせになると考えた訳です。
「でも、どんな料理にするかが問題かな……」
ヘッドギアを外しただけで、ログアウト時とほぼ同じベッドに橫たわったままの勢で呟く。
時刻はもうすぐ午後一時になろうかというところ。あちらでは夕方になっていたから、まるで時間が巻き戻ったかのようにじてしまう。
人によって引っ掛かりを覚える部分は異なるそうだけど、ボクはこの時間の不一致がどうやら苦手にじる部類の人間だったみたいだ。
梅雨の合間の晴れた空に陣取った太からは容赦のないが降り注ぎ、レースカーテンを通り抜けてボクの部屋にもり込んでいた。
見慣れたを通り越して見飽きたの域にりつつある天井をぼんやりと見続けながら、何かいいものはないかと思案する。
と、ボクの攜帯端末がき始めたのはそんな時だった。
著信メロディーに設定している一昔前の有名アニソンのオーケストラバージョンが部屋の中に鳴り響く。
「よっと」
軽く掛け聲を出しながらベッドから起き上がると、勉強機の上に置きっぱなしになっていた端末を手に取る。晶畫面に表示されていたのは、クラスメイトの雪(せっ)ちゃんの名前だった。
そういえば最近この曲をゆっくり聞いたことがなかったな、なんてことを考えながら通話機能をオンにする。
「ただいまおかけになった電話番號は、現在使用されております」
「もしもし、私!わたし、ワタシ、私!」
「…………」
「…………」
通話開始早々お互いにネタを投してしまい、何となく気まずくなってしまう。ちなみに前者がボク、後者が雪ちゃんです。
「くっ!「私」の言い方微妙に変えてくるなんて、腕を上げたわね!」
「いやごめん。ネタを振っておいてなんだけど、続けられるのは結構辛いわ」
「あはは。雪ちゃんは相変わらずこういう方面のいぢりには弱いみたいね」
「いじられて喜ぶような癖を持ちたくはないわよ」
「それは私も同」
そんな他もない會話をしばらく続けた後で、用向きがあったのではないかと尋ねてみることにした。
「ところで土曜日の晝間から電話を掛けてくるなんて、何かあった?」
雪ちゃんはスポーツで、土曜日や日曜日、祝日などは基本的に部活盡くしとなる生活を送っていた。今日だって確か、他校のチームを招いて練習試合があるとか言っていたはずだ。
「それがね、あちらの都合で急にキャンセルになっちゃったのよ」
それでも午前中は練習をしていたそうだ。
「で、ぽっかり空いて時間をどうしようかなと考えていたら、最近ちょっとばかり様子がおかしい友人のことを思い出したという訳なのよね」
探りをれるような言いに、ゾクリとが粟立つ。別にやましいことは何もしていないにもかかわらず、こういう言い方をされるとなぜだか後ろめたいような気がしてしまうから不思議だ。
「な、なんのことかなあ……。ぴーひゅるー」
とはいえ、こちらが嫌がることまで聞き出すつもりがないのは分かっている。下手な口笛を吹く真似を裝ったわざとらしく誤魔化すふりは、もうしこの話題に付き合ってもいいよという意味となる。
回りくどい?
年頃のの子には々あるのですよ。
「有耶無耶にしようとしても無駄よ。こっちにはちゃんと証拠が揃っているんだから」
「も、黙するわ!弁護士が來るまでは何も喋らないんだから!」
「……ねえ、優。強を張っても良いことなんて何もないのよ」
付き合っているボクが言うのもなんだけど、二時間サスペンスドラマ好きの雪ちゃんの面目躍如といったじになってるね。
「け、刑事さん、実は……」
いつまでも遊んでいては話が進まないので、この辺りで基本的な報、『OAW』を始めたことを教えてあげる。
「……何かを始めたみたいだってことは予想が付いていたけど、VR型のRPGとはね」
「雪ちゃん、何か嫌なことでもあった?」
思わずそう尋ねてしまったのは、彼の言葉にの揺れのようなものをじたからかもしれない。
「優は相変わらずそういうところには敏よね。里香が頼りにするわけだ」
「そうなの?自分ではよく分からないかな」
「……優は相変わらずそういうところには鈍よね」
「一文字変わっただけで殘念な結果に!?」
その後も何度かそれとなく話を振ってみたのだけど、結局、雪ちゃんが詳細を語ることはなかったのだった。
「役に立つかどうかはともかくとして、相談には乗るから」
「はいはい。その時にはお願いするわ。それにしても優がVRゲームね……」
「意外だった?」
「優と話していて、それ系の話題が出てきたことがなかったからね。どういった心変わり?」
「その辺りの事は黙させてもらおうかな」
一応、ボクだけのことじゃなくなるし。
「ほほう、この期に及んでまだ抵抗すると?素直に喋るなら學食のカツ丼を奢ってあげようと思ったのだけど?」
「いやいや。雪ちゃんたちみたいなスポーツならともかく、私みたいな帰宅部の暢気(のんき)さんにはカロリー過多になるから」
うちの學校は現在部活に、特に運系に力をれており、その一環なのか學食の料理はボリューム満點のものばかりとなっていた。
その中でもカツ丼は縁起擔ぎの意味合いも込められているらしく、一際量が多いことで有名だったのだ。
しかし、カツ丼ね……。
場所が場所だし、これはアリかもしれない。そんなことを考えながら雪ちゃんとの會話を続ける。
「まあ、元兇となった人の予測は付いているけど。ズバリ、里香でしょう?」
あらら。あっさりと的中されてしまった。
「どうしてそう思ったの?」
「あの子がゲーム好きなのは中學の生徒會メンバーなら知っていたことだから。というか頻繁にっていたし。男子の何人かは見事に乗せられていたはずよ」
うああ……。里っちゃんのあの無邪気な笑顔でわれたら、思春期の男の子が太刀打ちできるはずなんてない。何というかご愁傷様です。
あの時のメンバーで志校から落した人はいなかったはずなのが救いかな。
「さてと。優のも聞き出せたことだし、今日はこのくらいで終わりにするとしましょうか。これ以上話していると私の方が々と聞きだされそうだし」
「うわあ、聞くだけ聞いておいて逃げる気満々ですよ、この人」
「ふふふ。私は逃げ時もちゃんと弁えているのよ。あ、今日のことは誰にも言わないから心配しないで」
「そこは元から信用してるよ」
「そっか。……それじゃあ、また月曜に學校で」
「はいはい、またね。…………うわっ!?」
そう言って通話を切ったボクは、畫面に表示された二時間オーバーという通話時間を見て凍り付くことになる。
そして端末の料金設定を定額制にしておいて良かったと心の底から安堵したのでした。
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