《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》痣の有無
あれから春香と手分けして校をくまなく捜索したが、結局放課後になっても転生杯の參加者らしき人は見つからず、仕方なく俺はアジトに帰宅した。そして春香がアイドル部の活を終えて帰ってきた後、俺達三人は作戦會議室に集まった。
「はー。あれだけ捜したのに、徒労に終わっちゃったわね」
「本當にちゃんと捜したんだろうな?」
「捜したわよ、失禮ね。でも秋人から連絡があった直後にアタシの痣も反応したし、校のどこかにいたのは確かでしょうね」
その正不明の參加者も、痣の反応で俺達の存在には気付いたはず。それでも姿を現さなかったということは、あまり好戦的な格ではないと思われる。こちらとしても校での戦闘はできるだけ避けたかったので都合は良かったが。
「しかしまあ、學校に転生杯の參加者がいると分かった以上、退學は延期した方がよさそうだな……」
「ってことは、まだ子高生を続けられるってことよね!? やったー!!」
無邪気に喜ぶ春香。俺には高校生を続けたいなんて気持ちは全くないが、転生杯の參加者を放置したまま學校を去るわけにはいかない。せいぜいそいつに謝するんだな。
「秋人の方は何か変わったことはあった?」
真冬に尋ねられ、俺は腕を組む。
「……変わったことか。あるにはあるな」
俺は千夏のことを二人に話した。彼が沢渡達からイジメをけていたこと、意図せず俺が彼を助けたこと、そして一般人の中で何故か千夏の記憶だけがそのまま殘っていたこと。
「奇妙な話ね。支配人による記憶の改竄をけない一般人なんて今まで聞いたことがないわ。ねえ真冬?」
「…………」
「どうした真冬?」
なにやら考え込む様子を見せた後、真冬は口を開いた。
「その千夏という子が、転生杯の參加者なのかもしれない」
「は!?」
真冬の発言に、思わず俺は聲を上げた。
「なるほど、アタシ達の痣はその子に反応したってことね。それなら記憶が殘ってた理由も説明がつくわね。転生杯の參加者であれば記憶が改竄されることはないし」
「いやいや、俺が千夏と會ったのは一昨日だぞ!? だったら痣はその時に反応してるはずだ!」
「確かにね。でも痣についてはまだまだ未知の部分も多いし、それだけで完全に白とは斷定できないわ。それにスキルという不確定要素もある以上、何事も疑ってかかるべきよ」
「何らかのスキルを使って痣の反応を攪させた可能があるってことか? 一何の為に……」
「そんなの一般人のフリをして秋人に近づくために決まってるじゃない。もしかしたらアタシや真冬の報も引き出そうとしてるのかもしれないわ」
「それじゃ千夏が沢渡達からイジメをけていたことも、俺が千夏を助けたことも、全部その子の計畫通りだったと? さすがに深読みしすぎだろ……」
とてもじゃないが、そんな狡猾なことをする子には見えない。外見だけで判斷するのもどうかと思うが。
「それに本當に一般人のフリをしていたのなら、俺の前では記憶が改竄されたかのように振る舞うはずだ。わざわざ記憶が殘っていることを俺に伝える必要はない」
「それだと秋人から助けられた出來事も覚えてないことになると思って、秋人との接點をなくさないために敢えてそうしたのかもしれないわ」
「でも俺が陸奧高校に転したのは一昨日だぞ。全て千夏の計畫通りだったとしたら、俺が転してくることも予め知っていたということに――」
「二人ともストップ」
議論を白熱させる俺と春香を、真冬が冷靜に制止した。
「千夏という子生徒が転生杯の參加者というのはあくまで推測に過ぎないし、ここで議論しても答えは出ないと思う。一番早いのは、直接確かめること」
「直接確かめる……。そうか、痣か」
「ん」
全ての參加者には右腕に數字の痣が刻まれているので、それを見れば一目瞭然だ。痣があったら參加者、なければ一般人という、実にシンプルな確認方法だ。
「考えられる可能は三つ。①ただの一般人で、転生杯とは何の関係もない。②転生杯の參加者で、何らかの策略のために正を隠して秋人に接してきた。③転生杯の參加者だけど、本人にはその自覚がない。秋人と出會ったのも偶然」
「③はどうなんだ? 參加者の自覚がないなんて有り得るのか?」
「私が知っている限りそんなケースは聞いたことがないけど、可能としてはゼロではないと私は思う。なんにせよ、痣の有無を確認すれば全てがハッキリする」
「……だな。でもどうやって確認する? いきなり『右腕を見せてください』なんて不自然だし」
簡単なようで意外と難しい。子が相手だと尚更だ。千夏と何の接點もない春香に確認させるのも厳しいだろうし。
ストレートに「右腕に痣ある?」と聞いたところで、①だった場合は普通に「ない」と答えるだろうし、②だった場合も正がバレないように「ない」と答えるだろうから、どっちか分からない。となると、やはり直接この目で確かめるべきか。
「『僕は腕フェチだから君の腕を見せてほしい』とでも言えばいいんじゃない?」
「余計に不自然だろ!」
「そうだわ、育の授業で著替える時を狙えばいいじゃない! それなら自然に右腕を見られるでしょ! 子更室に突撃よ秋人!」
「本気で言ってんのか!? やるなら春香がやれよ!」
「千夏って子は三年生なのよね? 二年のアタシが三年の更室にるのは変でしょ」
「だったら男の俺がやるのはもっと変だろ……」
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