《家から逃げ出したい私が、うっかり憧れの大魔法使い様を買ってしまったら》何よりもきれいな
騙されたと思って後書きを!!見てください……!!!(先にイラストを見た方がお話も一億倍楽しめるかと思います)
ということで本日、7月7日発売の1巻のカバー&コミカライズのキャラデザを公開しております。
カバーは後書きに載せておりますので、ぜひ……!信じられないくらいにエルが格好良くて、ジゼルがかわいいです。
(こちらは1巻容、夏休みあたりの二人のお話です)
「エルのピアスって格好いいよね」
「は? なんだよ急に」
ある日の晝下がり、わたしはエルと共に自室でお互い読書をして、のんびりと過ごしていた。
そんな中、視界の端で揺れるエルのピアスが気になり、手元の本をそっと閉じてテーブルに置き、エルの側に近づいてみる。わたしは寶石の名前や種類には全く詳しくないため、綺麗だという陳腐な想しか出てこない。
つんと指でつついてピアスを揺らしてみれば「くすぐったいからやめろ、バカ」と怒られてしまった。
「エルって寶石、好きなの?」
「まあ、嫌いではなかったな。魔道に使うし」
「そうなんだ」
そうしてふと本に視線を走らせている、ピアスと同じをしたエルの瞳を見つめた。アイスブルーのその瞳は何よりもしくて、思わず見惚れてしまう。
「エルの瞳ってき通ってるのにキラキラしてて、寶石よりも綺麗だよね。ずっと見ていたいくらい」
「…………」
「わたし、エルの瞳がすごく好き」
「……ほんと恥ずかしい奴だな、お前」
ひたすらに思った通りの言葉を紡ぎながら、じっと眺め続けていると、エルは呆れたように深い溜め息を吐いた。ぱたんと本を閉じ、魔法でそのまま本棚に戻す。
やがて、ふたつのしい碧眼がわたしを捉えた。
「恥ずかしい? わたしは全然恥ずかしくないよ」
「へえ?」
そう言うとエルは、ずいとわたしに顔を近づけて。あまりの近さに驚き、思わず後ずさったわたしの両手首を摑むと、エルは尚も顔を近づけてくる。
「え、エル?」
「お前の目、珍しいしてるよな。俺ですら初めて見た」
「え、」
「ふーん、二混ざってるのか。紫の比率の方が多い」
どうやらエルは、わたしの瞳を観察し始めたらしい。
自分だって先程まで同じことをしていたくせに、いざ逆の立場になると、ひどく落ちつかない。エルが恥ずかしい奴だと言っていた意味が、ようやく分かった。
至近距離でじっくりと見つめ合う形になり、耐えきれなくなったわたしは「も、もう終わり!」と言ったけれど。
「なんで? 恥ずかしくないんだろ?」
意地の悪い笑みを浮かべたエルは、さっぱりやめてくれる気配はない。むしろどんどん近づいてくるばかりで、今や鼻先がれ合いそうな距離だ。
間違いなく、戸っている姿を見て楽しんでいる。耐えきれなくなり、瞼を伏せれば「ジゼル」と名前を呼ばれて。こんな時にだけ名前を呼ぶエルは、本當にずるいと思う。
「俺の目、見ろ」
「や、やだ」
「ジゼル」
何故か責められるようにそう言われ、元はと言えばわたしが原因なのだ。仕方ないと反省し、再び視線を彼へと戻す。
再び視線が絡み、落ち著かない沈黙が流れる。
「……綺麗だな」
そんな中エルは、ぽつりとそう呟いて。
予想外の言葉に間の抜けた聲をらすわたしから、エルはぱっと手を離すと「腹減った」なんて言い出した。
「飯食いにいくぞ」
「え、エル、いま……きゃ!」
戸うわたしを抱えると、エルはそのまま風魔法を使い窓からふわりと降りていく。
まさかエルがわたしの瞳を綺麗だと言ってくれるなんて、思ってもみなかった。
嬉しさや恥ずかしさで顔がじわじわと熱くなっていくのをじながら「す、すごく嬉しい。ありがとう」とお禮を言えば「は、何が」なんて返されてしまって。
相変わらず素直じゃないエルに、幸せな笑みが溢れた。
いつもありがとうございます。いよいよ來月7日に第1巻が発売です。素敵すぎるカバーはこちら……!
TCB先生が最高にかっこいいエルとかわいいジゼルを描いてくださっています……!!
カラー口絵や沢山の挿絵も本當に本當に最高なので、WEB版を読んでくださった方にも、絶対に満足していただける容になっております……!!!
書き下ろし短編も2本収録しています。
またWEB版は完結済みですが、書籍では後半の展開を変えて、まだまだエルとジゼルのお話は続いていきます。(もちろん売れないと続きは出せないので、応援していただけるとうれしいです……!)
既にAmazonさんや楽天さんなどで予約が開始しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最高に素敵なコミカライズのキャラデザも、ツイッター(@kotokoto25640 )で紹介しておりますので、ぜひ!ほんっとに見ていただきたいです。
今後とも「家逃げ」そしてエルとジゼルを、どうぞよろしくお願いいたします!
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