《ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~人ヴァイオリニストの橫顔、その翳が隠す衝撃の真実》義理の息子は
明日の予習を手伝ってもらった後は、駿河と二人で將棋を囲んだ。
周は子供の頃にし父親から教わったぐらいで、あまりよく覚えていなかったが、そのルールや進め方がわかるようになって、つい夢中になった。
気がつけば既に午後5時を回っている。さすがに兄と義姉も帰っているだろう。
そろそろ帰るな、と周は立ち上がった。
勝負は途中で行き詰まっているとことだった。
「送って行こう」駿河も立ち上がる。
「いいよ、自転車だし……」
「もうし一緒にいたい」
「え?」
どきっ。
「……プリンと」
なんだ、貓か。
「ああそうかよ、勝手にしな」
周は恥ずかしいのを誤魔化すために、違う話題を探した。
が、見つからなかった。
貓を抱えてカゴにれ、靴を履きながら駿河は言った。
「僕は……君に憎まれていると思っていた」
「なんで?」
「初めて會った時からそうだ。君は僕を、咲のストーカー呼ばわりしていたな」
そんなこともあったっけ。
先日智哉から事の真相を聞き、事実ではなかったことが明らかになったが。
「それについては誤解だってわかったし、嫌いな人間に勉強教えてもらおうとか、料理してやろうなんて考えないだろ? 普通は。そもそも近寄りたくもねぇよ」
「確かにそうだな」
玄関を出ると外はすっかり暗くなっていた。
周は自転車に乗らずにハンドルを握って、駿河と並んで歩いた。
「明日から、仕事……だよな?」
「もちろんだ」
「今日は、ありがとう」
「僕の方こそ」
また遊びに行ってもいい?そう言いかけてやめた。
なぜか、言わない方がいいような気がした。
※※※※※※※※※※※※※※※※
11月後半にもれば日暮れも早い。和泉は車のライトを著けた。
「今日は何事もなく、無事に休みが終わって良かったですね?聡さん」
「そうだな」
「念願かなって、可い初孫とのご対面も済んだし」
「ほんとにな……」
「さくらちゃんにそっくりでしたね」
「そうだな、あの顔立ちはうちの家系だ」
聡介の長が出産したのは約3カ月も前だが、仕事に追われてまったく様子を見に行くことができなかった。
ようやく落ち著いて、和泉に今度の日曜日、孫に會いに行くと言ったら、自分も一緒に行くから車を出すと言ってくれた。
実を言うと聡介はかつて、長の結婚相手に和泉はどうだろう? と考えていた。
彼が所轄の刑事課に異してきて、聡介が教育係に任命された時、初めはなかなか打ち解けてくれなかったのだが、次第に心を開いてくれたように思えた頃。
まだ貓を被っていて、それなりに爽やかな好青年に見えた頃の話だ。
そこで聡介は和泉をちょくちょく自宅に連れて帰り、娘に引き合わせた。
デートさせたこともある。
義理でも、名実共に父子になれたらいいとかなり真剣だった。
ところが娘には他に好きな男がいて、幸い相手も同じ気持ちでいてくれて、やがて二人は結婚した。
実際のところ和泉が娘をどう思っていたのか、聡介にはまだあまり確信が持てない。
問えば當然のごとく「好きですよ」と答えるが、この男の言う「好き」はいろいろな他意がありそうで、どういう意味合いなのか計りかねる。
ただ、もしかしたら本気で……と思うこともある。
ところで長の夫で、有村優作(ありむらゆうさく)という男は、和泉に負けず劣らず強いクセのある人で、今にして思えば和泉だろうが優作だろうが、どちらでも同じことだった。
娘にそっくりな顔の孫が、中が父親そっくりな子に育ったら嫌だなぁ、としみじみ思う。
その時、和泉の攜帯電話が鳴り出した。
事件か?! と思ったが、考えてみれば先に自分へ連絡がるはずだ。
「聡さん、運転変わってください」
和泉は車を路肩に停め、攜帯電話を手にさっさと降りてしまった。
運転は好きではないのだが仕方ない。聡介は渋々助手席のドアを開く。
和泉は助手席にり込むと、急に真剣な顔で話し始めた。
「……落ち著いてください……はっきり周知があるまでは誰にも何も言わように」
誰と話しているのだろう。
「……わかりました、明日ですね。はい、それでは」
「誰からだ?」
「檀家さんです」
「何か事件か?」
「ま、事件といえば事件ですが、死は出ていません」
なんのことだ? どうせ聞いてもはぐらかされるだろう。
特に事件でないならそれはそれでかまわないが。
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193休止中
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