《ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~人ヴァイオリニストの橫顔、その翳が隠す衝撃の真実》臺風のようにはいかない
翌朝。今日は一時限目にある世界史の授業で使う資料を用意しなければならない當番となっているため、周はいつもより早めに家を出た。
玄関を出ると偶然、隣室の住人と顔を合わせた。
といっても、父親の方だけだが。
「おはようございます」
「おはよう」
「……高岡さん、一人なんですか?」
「ああ、彰彥は何か急ぎの用があるとか言って先に出たんだよ」
二人で一緒にエレベーターに向かいながら周は言った。
「そういえば昨日、和泉さんを訪ねてきたの人がいましたよ」
「彰彥を……?」
「晝間と、夜の7時半ぐらいと、なくとも2回は。新聞記者か何かですか?」
聡介はし考えた後、
「……どんなだった?」と、逆に問い返してきた。
そういえば警察は部下の異関係に敏だと聞いたことがある。
「背はうちの義姉と同じぐらいで、髪は巻きのセミロングで……って、それぐらいしか覚えていません」
そうか、と彼は呟いて黙ってしまった。
「……大変なんですね、警察の人っていろいろ」
しかし聡介は生返事を返すだけで、何か深く考え込んでしまったようだ。
駐車場に向かう彼と別れ、周は學校に向かう道を歩き出した。
ホームルームで擔任が、來月進路相談のため保護者との三者面談を行うと発表した。
いよいよそんな時期になったのだ。
周はまだ迷っていた。
和泉が勧めてくれるように県警へりたい気持ちはある。だけど、他にも考えていることがある。
その話を賢司にしたことは、まだない。
自分の意思など関係なく、藤江製薬に社させられるかもしれない。
配られたプリントを折り畳んでカバンにれながら、周は何と言って兄にこの話を切りだそうかと悩んだ。
円城寺は既に進路は決まっていることだろう。
智哉はどうだろう?
子供の頃は將來、父親のような醫者になるのだと言っていたが。
「藤江はいいよなぁ~、悩まなくても就職先まで決まってんだろ?」
周のすぐ前の席に座っているクラスメートの1人が振り返って言った。
周は返事をしなかった。
「俺だって大企業の幹部の家に生まれたかったよ。うちなんて、どこにも何にもコネもなければ金もない、あるのは住宅ローンぐらいってな」
黙っていると相手はなんだよ、と舌打ちして前を向いた。
そのすぐ後、周、と智哉が聲をかけてきた。
「今度の連休って、どれか予定が空いてる日ある?」
11月には祝日が2回ある。後半は振替休日のため3連休になっていたはずだ。
「今のとこ、いつでも大丈夫」
「お義姉さんは?」
「たぶん、いつでも平気。なに、遊ぶ予定? 姉さんも仲間にれてくれんの?」
「絵里香がさ……一緒じゃなきゃ嫌だって」
智哉が苦笑しているのは、実の兄よりも他所の姉の方が良いのか、という複雑な気持ちに違いない。
「実は信行の兄弟達と、うちの妹を連れて、宮島水族館に行く約束してるんだ。それで、周達にも一緒に來てもらえないかなって」
「人數的にはちょっとした保育園の遠足だな。わかった、じゃあ詳しいことはまた信行もれて相談しようぜ」
それからふと、周は友人の顔を見て訊ねた。
「……なぁ、智哉。お前ってもう進路決めてんの?」
「僕? ……まだはっきりとは。でも、たぶん就職組だと思う」
彼の家庭も何かと複雑な事を抱えている。
「進學しないのか?」
「いろいろあってね……余裕がないっていうか。でも、全然不満じゃないよ」
本當だろうか?
周の知る限り、智哉は決して績不振ではない。むしろ勉強ができる方だ。
「もし何かやりたいことが見つかったとしても、社會に出てからでも勉強はできるし。要は自分次第ってこと」
そうだな、と返事をしながら周はふと考えた。
智哉も円城寺も二人とも、家族思いで優しい、素晴らしい友人達だ。
自分をひどく憎んでいる人がいる一方で、心から大切にしてくれる人もいる。
それに何より、義姉は自分の味方だと言ってくれた。
だからもう、気にしないことにする。
自分に対する悪意が存在するとしても、それはそれとして事実としてけ止める。
けれど。
暖かくて優しい気持ちで包んでくれる人達がいる。
そのこともまた、真実なのだ。
【書籍化】世界で唯一の魔法使いは、宮廷錬金術師として幸せになります ※本當の力は秘密です!
魔法がなくなったと思われている世界で、唯一、力を受け継いでいるスウィントン魔法伯家の令嬢・フィオナ。一年前、友人だったはずの男爵令嬢に嵌められて婚約破棄されたことをきっかけに引きこもっていたけれど、ひょんなことから王宮に勤めに出されることに。 そこでフィオナに興味を持ったのは王太子・レイナルドだった。「あれ、きみが使えるのって錬金術じゃなくて魔法…?」「い、いいいえ錬金術です!」「その聲、聞いたことがある気がするんだけど」「き、きききき気のせいです(聲も変えなきゃ……!)」 秘めた力を知られたくない令嬢と、彼女に興味津々な王太子殿下の、研究とお仕事と戀のお話。
8 127シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜
世に100の神ゲーあれば、世に1000のクソゲーが存在する。 バグ、エラー、テクスチャ崩壊、矛盾シナリオ………大衆に忌避と後悔を刻み込むゲームというカテゴリにおける影。 そんなクソゲーをこよなく愛する少年が、ちょっとしたきっかけから大衆が認めた神ゲーに挑む。 それによって少年を中心にゲームも、リアルも変化し始める。だが少年は今日も神ゲーのスペックに恐れおののく。 「特定の挙動でゲームが強制終了しない……!!」 週刊少年マガジンでコミカライズが連載中です。 なんとアニメ化します。 さらに言うとゲーム化もします。
8 72クリフエッジシリーズ第二部:「重巡航艦サフォーク5:孤獨の戦闘指揮所(CIC)」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一二年十月。銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國では戦爭の足音が聞こえ始めていた。 トリビューン星系の小惑星帯でゾンファ共和國の通商破壊艦を破壊したスループ艦ブルーベル34號は本拠地キャメロット星系に帰還した。 士官候補生クリフォード・C・コリングウッドは作戦の提案、その後の敵拠點への潛入破壊作戦で功績を上げ、彼のあだ名、“崖っぷち(クリフエッジ)”はマスコミを賑わすことになる。 時の人となったクリフォードは少尉に任官後、僅か九ヶ月で中尉に昇進し、重巡航艦サフォーク5の戦術士官となった。 彼の乗り込む重巡航艦は哨戒艦隊の旗艦として、ゾンファ共和國との緩衝地帯ターマガント宙域に飛び立つ。 しかし、サフォーク5には敵の謀略の手が伸びていた…… そして、クリフォードは戦闘指揮所に孤立し、再び崖っぷちに立たされることになる。 ――― 登場人物: アルビオン王國 ・クリフォード・C・コリングウッド:重巡サフォーク5戦術士官、中尉、20歳 ・サロメ・モーガン:同艦長、大佐、38歳 ・グリフィス・アリンガム:同副長、少佐、32歳 ・スーザン・キンケイド:同情報士、少佐、29歳 ・ケリー・クロスビー:同掌砲手、一等兵曹、31歳 ・デボラ・キャンベル:同操舵員、二等兵曹、26歳 ・デーヴィッド・サドラー:同機関科兵曹、三等兵曹、29歳 ・ジャクリーン・ウォルターズ:同通信科兵曹、三等兵曹、26歳 ・マチルダ・ティレット:同航法科兵曹、三等兵曹、25歳 ・ジャック・レイヴァース:同索敵員、上等兵、21歳 ・イレーネ・ニコルソン:アルビオン軍軽巡ファルマス艦長、中佐、34歳 ・サミュエル・ラングフォード:同情報士官、少尉、22歳 ・エマニュエル・コパーウィート:キャメロット第一艦隊司令官、大將、53歳 ・ヴィヴィアン・ノースブルック:伯爵家令嬢、17歳 ・ウーサー・ノースブルック:連邦下院議員、伯爵家の當主、47歳 ゾンファ共和國 ・フェイ・ツーロン:偵察戦隊司令・重巡ビアン艦長、大佐、42歳 ・リー・シアンヤン:軽巡ティアンオ艦長、中佐、38歳 ・ホアン・ウェンデン:軽巡ヤンズ艦長、中佐、37歳 ・マオ・インチウ:軽巡バイホ艦長、中佐、35歳 ・フー・シャオガン:ジュンツェン方面軍司令長官、上將、55歳 ・チェン・トンシュン:軍事委員、50歳
8 155極限まで進化した頂點者の異世界生活
主人公の黒羽海斗は他の人間とは違うものを持っていた。完全記憶能力、そして、絶対なる力・・・破壊と創造の力を・・・ これは人間が進化をした先にもつ頂點の能力だった・・・ 力を使い、大切な物を守り抜く。 これはそんな主人公の異世界生活の物語。 注意無雙はしません。 応援お願いします。 更新は進みしだい更新します。 不定期の更新だと思います。
8 174異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?
「全ての條件は揃いました」 平凡な高校生活を送っていた佐野 祐。 だが神の都合で、異世界に強制転移させられてしまう。 そして、祐が神からもらった力、それはもしかしたら神にも匹敵する力だった。 ※投稿頻度は不定期ですが約1週間周期を目標にしてます。
8 135《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って來いと言われても、もう遅い……と言いたい。
おのれ、勇者め! 世界最強の強化術師(自稱)である、このオレさまをパーティ追放するとは、見る目のないヤツだ。 「パーティに戻ってきてください」と、後から泣きついても遅いんだからな! 「今さら戻って來いとか言われても、もう遅い!」 いつか、そのセリフを吐きつけてやる。 そのセリフを言うためだけに、オレの冒険ははじまった。
8 194