《ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~人ヴァイオリニストの橫顔、その翳が隠す衝撃の真実》命を惜しむな、名を惜しめ!!
元刑事は首にかけたタオルで額の汗を拭うと、
「確かにそんな騒ぎがあった。寒河江のとこの次男が東京に出てしばらくして、どうも経理に不正があるようじゃって。その次男ちゅうのが咲の父親で、元々は旅館の専務だったんじゃが……その仕事を辭めてのぅ、東京で一旗上げるんじゃ、って自分で事業を興したんよ。もしかしてその資金の為に、旅館の金を橫領したんじゃないかってもっぱらの噂じゃった」
「誰が、そんな噂を流したんです?」
「……あそこの兄弟は二人揃ってにだらしなくてな。今でこそ見る影もないが、若い頃はハンサムでのぅ、島中のどもからもてはやされとった」
返ってきたのは、直接的な答えではなかった。
八塚の方も自分でそのことに気付いたのか、苦笑しつつ、
「で、何が言いたかったんかっちゅうと……要するに次男を好いとったけど、相手にされんかったの一人が嫉妬に狂って、腹いせにそういう噂を流したんじゃなかろうかの」
「……」
「まぁ、真相は闇の中じゃ。何しろ関係者はもう亡くなっとるからな」
「そんなことはありませんよ」
和泉の言葉に八塚ははて? という顔になる。
「長男の、社長の方はまだ生きていますよね?」
「まさか! 旅館を潰すような真似を自分でする訳がない。何が何でも存続させたくて、自分の姪を借金のカタに嫁がせたような社長じゃぞ?」
「本當に、いろいろとよくご存知なのですね」
「……この島で起きた事なら、大概はな。淺井さんには敵わんが」
「そのこと……咲さんが借金のカタに嫁いで行ったと、八塚さんが知ったのは、いつの話です? 誰から聞いたのですか? そのことを葵ちゃ……駿河巡査部長にお話しには?」
「……話してどうなるんじゃ? 余計にあいつを苦しめるだけじゃろうが……」
それから八塚は、再び探るような目で和泉を見つめてくる。
「かくいうお前さんこそ、よそ者のくせに……やたら詳しく、いろんなことを知っとるのぅ? ……誰から聞いたんじゃ」
「……石岡孝太さんからです」
和泉が正直に報源を明かすと、ほうっ、と相手は安堵と思われる息をついた。
「ほんなら、ええ」
どのあたりが、それならいい、のかはやや理解しがたかった。
が、彼が石岡孝太という人を高く買っていることは明らかだ。
「ワシも、詳しいことは孝太から聞いた」
和泉はそうですか、とだけ相槌を打つ。
八塚は頬づえをついて遠い眼をすると、
「孝太はのぅ、咲のことが好きじゃったんよ。子供の頃から。じゃけん、ワシとしてはあの二人が夫婦になって、孝太が社長になれば、旅館の経営もなんとかなって、事態が落ち著くんじゃないかって考えとった。しかし……咲の方は孝太を、生き別れの弟だと信じとったんよ」
その話は和泉も聞いている。
「知っとるか? 咲に、父親の違う弟がおるんは」
「知っています、隅々まで。その子は何て言っても、マイスウィートハニー(だったらいいな)ですから」
しばらく、おしゃべりオジさんは黙ってしまった。
やがて気を取り直し、
「……どういう事か知らんが、弟の方はどこか他所の家に引き取られてのぅ……ま、淺井さんならその辺りもよう知っとるんじゃろうが」
「咲さんは、弟の存在自は知っていたんですね?」
「おうよ。じゃけん、孝太がその弟なんだと信じて……そうして自分を勵ましとった。まわりは敵だらけじゃったけぇ、支えるものがしかったんじゃな」
しかし。
八塚は溜め息をつきながら続ける。
「それがいけんかったんかのぅ……弟じゃ、は持てんよな。孝太は本気で、咲を好いとったんじゃが……」
人の気持ちはままならないものです、と和泉は口にしかけてやめた。
「しかし、あれじゃな。駿河の奴もほんまにかわいそうじゃった……結婚式まであと何週間ちゅうところで急に、彼が姿を消して、行方が知れんようになって……しばらくは抜け殻みたいじゃった。上は、奴が何か面倒を起こすんじゃないかちゅうて捜査1課に異させたんじゃと。ま、異先でいい上司に會えたって喜んどったが」
「それは間違いありません」
和泉は自分が褒められたかのように嬉しくなって、つい笑顔になった。
「それにしても、あんた何のつもりなんじゃ?」
「何のつもり、とは?」
再び、視線が絡み合う。
「今さらそんな古い事件を持ち出してどうするんじゃ。仮に真相が判明したところで、経営が持ち直す訳でもなかろうに。それに……」
「なくとも、彼への攻撃は止むでしょう」
八塚は苦笑した。
「あの子は命よりも名を惜しむような武士じゃのうて、ただの仲居じゃぞ?」
「彼は強い人です。でも、好んで苦しい思いに耐える訳じゃないでしょう」
「あんた……」
元刑事は驚いた顔で、和泉をまじまじと見つめてくる。
「咲さんのことが好きなのかって? ええ、そうですよ。僕、弱いんですよね。ああいう、じっと何かに耐えて生きてるに……」
【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。
【注意】※完結済みではありますが、こちらは第一部のみの完結となっております。(第二部はスタートしております!) Aランク冒険者パーティー、「グンキノドンワ」に所屬する白魔導師のレイ(16)は、魔力の総量が少なく回復魔法を使うと動けなくなってしまう。 しかし、元奴隷であったレイは、まだ幼い頃に拾ってくれたグンキノドンワのパーティーリーダーのロキに恩を感じ、それに報いる為必死にパーティーのヒーラーをつとめた。 回復魔法を使わずに済むよう、敵の注意を引きパーティーメンバーが攻撃を受けないように立ち回り、様々な資料や學術書を読み、戦闘が早めに終わるよう敵のウィークポイントを調べ、観察眼を養った。 また、それだけではなく、パーティーでの家事をこなし、料理洗濯買い出し、雑用全てをこなしてきた。 朝は皆より早く起き、武具防具の手入れ、朝食の用意。 夜は皆が寢靜まった後も本を読み知識をつけ、戦闘に有用なモノを習得した。 現にレイの努力の甲斐もあり、死傷者が出て當然の冒険者パーティーで、生還率100%を実現していた。 しかし、その努力は彼らの目には映ってはいなかったようで、今僕はヒールの満足に出來ない、役立たずとしてパーティーから追放される事になる。 このSSSランクダンジョン、【ユグドラシルの迷宮】で。 ◆◇◆◇◆◇ ※成り上がり、主人公最強です。 ※ざまあ有ります。タイトルの橫に★があるのがざまあ回です。 ※1話 大體1000~3000文字くらいです。よければ、暇潰しにどうぞ! ☆誤字報告をして下さいました皆様、ありがとうございます、助かりますm(_ _)m 【とっても大切なお願い】 もしよければですが、本編の下の方にある☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると嬉しいです。 これにより、ランキングを駆け上がる事が出來、より多くの方に作品を読んでいただく事が出來るので、作者の執筆意欲も更に増大します! 勿論、評価なので皆様の感じたままに、★1でも大丈夫なので、よろしくお願いします! 皆様の応援のお陰で、ハイファンタジーランキング日間、週間、月間1位を頂けました! 本當にありがとうございます! 1000萬PV達成!ありがとうございます! 【書籍化】皆様の応援の力により、書籍化するようです!ありがとうございます!ただいま進行中です!
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