《ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~人ヴァイオリニストの橫顔、その翳が隠す衝撃の真実》宮島水族館へようこそ

イラストは古川アモロ様よりいただきました。

素敵でしょ?

経営コンサルタントなる人やファイナンシャルプランナー、そう言ったプロに相談するにも相談料がかかると知った周は、いったいいくらかかるんだ……と暗澹たる気持ちになってしまった。

高い金を出して買った健康食品が、まったく効果がなかったのと同じようなことがあったとしたら、それこそ無駄なお金を払って余計に経営を圧迫するだけだ。

「周、難しい顔してどうしたの?」

約束の連休初日。咲と、智哉とその妹、円城寺とその妹弟の合計11人で宮島にある水族館にやってきた周だが、頭の中は旅館の建て直しのことでいっぱいだった。

円城寺の下から2番目の弟で尚史ははじめ、周に肩車をしてもらって喜んでいたが、何を話しかけても生返事しか返ってこないので、そのに黙りこんでしまった。

「うん、いろいろ……」

答えになっていないことにすら周は気付いていない。

休日はどこも混雑するが、この水族館も大勢の家族連れやカップルで混雑していた。

傍を通りかかった家族連れを見て、周は思った。

いつか彼も本當に好きな男との間に子供を設けて、家族揃って、こんなふうに海の生きたちを見ることができたらいい。

混雑していたので、どうにか半分ほど回り終えたら正午になっていた。

お弁當広場と稱するテーブルとベンチの設置された場所へ移する。

ただでさえ人數が多い上、子供が多いとなると外食は無理だろう。ということで、各自お弁當を持參してきた。

「今日は、お天気が良くてほんとに良かったわね」

咲は円城寺の弟達におにぎりのラップをはがしてやりながら言った。

うん、と返事をしながら周も紙コップにジュースをれて、智哉の妹に渡した。

「お前たち、走りまわるな!!」

円城寺が大きな聲でんだが、聞いていはいない。

彼の弟のうち、次男と三男は手におにぎりとジュースのった紙コップを持ったまま、追いかけっこをしている。

危ないな、と思った時には既に遅かった。

三男は近くを通りかかった知らない男の腳にぶつかって、転んでしまった。

「ああ、ほら!」

円城寺はすみません、と男に謝ったが通じていないようだった。

と、いうのも相手は金髪碧眼の外國人だったからだ。

相手のズボンの裾にはジュースの染みが広がっている。

白っぽい生地だけに、オレンジのが目立ってしまう。そして、の白い男の顔はみるみるうちに真っ赤になった。

男は三男坊の首っこをつかむと、自分の目線に持ち上げ、知らない言語でものすごい勢いで喚きだした。それから男が拳を振り上げる。

周が止めにるより先に、これまた謎の言語で彼を止めた白人の聲があった。

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