《ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~人ヴァイオリニストの橫顔、その翳が隠す衝撃の真実》署までご同行願います

「三村亜沙子さん、いらっしゃいますか?」

和泉だ。駿河と、先日見た刑事。

それから最近智哉と親しくしている、あの中年の刑事と、もう1人やたらにの大きい刑事。

「警察です。し、お話をお聞きしたいので署までご同行願います」

ザワザワ。

楽屋にいる楽団員をはじめ、周も驚きのあまりその場に立ち盡くす。

「それと、影山巡査長。あなたにもし、お話をお聞きしたいことがあるので……ご一緒していただきましょうか」

和泉はにっこり笑ってそう言った。

影山と呼ばれた男は先ほど、亜沙子を連れ出そうとしていた人のことらしい。

「お、俺は何の関係もない……!!」

「関係がないって、どういう意味です?」

「違う、そうじゃない! あの事件は……継続捜査を命じられていて……そうだ!! お前らこそ、勝手なことをするな!! 捜査本部はとっくに解散してるんだ、それを今さら……!!」

「はいはい、言いたいことは取調室でね……日下部さん、お願いします」

なんでお前が仕切ってるんだ、と文句を言いながらも、の大きな刑事は影山と呼ばれた男をいともたやすく捕まえ、楽屋の外に連れ出してしまう。

男は何かんでいたが次第に聞こえなくなった。

「さて……じゃあ、三村亜沙子さん。それから、ちょうどよかった」

和泉は進一に微笑みかける。

「西島進一君。君にもいろいろ、話を聞かせてしいんだけど……ちょっと、その手を離してもらえないかなぁ?」

ふと気がついた時には、進一の手が周の両肩をしっかりとつかんでいた。

「嫌です」

「あのね……」

「警察になんか、捕まるつもりはありません」

え?

パァン!!

れもなく、空気を切り裂くような破裂音が部屋中に鳴り響いた。

煙が立ち昇り、妙な匂いが鼻をかすめる。

「あ……やっぱりこれ、本だったんだ」

西島進一の手には拳銃が握られていた。

彼は銃口から硝煙が立ち上っているのを確認しつつ、あたりを見回す。

「ねぇ、誰も怪我してない?」

一瞬だけ楽屋の中が靜まり返ったかと思うと、誰かが上げた悲鳴をきっかけに、楽団員たちは我先にと外へ走りだした。

楽屋の中はしばし、混を極めた。

そうして殘ったのは自分と進一、そして亜沙子と新里、顔見知りの刑事達。

「……何のつもりだ?!」

和泉がんだ。

「何って……當然、いつこんな狀況が起きてもいいようにって、予め備えをしておいたんだよ。どうせビアンカか誰かから、いろいろ聞いて……狀況証拠で僕を逮捕しようっていう話なんでしょ。でも、僕は捕まらないよ」

こめかみに冷たいが押し當てられるのを周はじた。

それが銃口だと、見なくてもわかった。

「ねぇ、刑事さん。広島県警にもSATってあるのかな?」

彼は笑いながらそう言うと周を腕に抱えたまま、銃の向きはそのままで楽屋の外に出て行く。

「さて、と。可いお姫様は悪い王子様に捕まって……高い塔の最上階に連れていかれました」

「待て!!」

進一は銃口を和泉に向けた。

「助けに來てあげてよ、刑事さん。騎士様でしょう? 待ってるよ」

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