《ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~人ヴァイオリニストの橫顔、その翳が隠す衝撃の真実》ずっと待ってるから
はぁ……結は溜め息をついた。
「ちょっと、私が作業してる橫で、溜め息つくのやめてくれない?」
事件直後は刑事もだが、鑑識だって目が回るほど忙しい。
それでもし時間の隙を見つけた結は、どうしても友人である郁に話を聞いてしくて、鑑識課の部屋を訪ねたのであった。
郁はいらだたしそうにキーを打っている。
「って……ものすごく深いのね」
「はい?」
三村亜沙子から関わる全ての事を聞いた結は、なんとコメントしていいものかまったくわからなかった。
「何よ。あんた、どこかで頭でも打った?」
「心を打たれたのよ……」
郁は肩を竦めた。
『進一君が何を思って【被害者の會】を結したのかは……たぶん、アレックスが殺されたことが判明した時、彼達が警察から疑われないようにするためです。全員にアリバイを作らせるため。彼は本當に優しい人なんです。思いやりがあって。ただ、私だけは……殺害予定の日時を知らせられませんでした』
『どうして、でしょうか?』
『彼はもしかしたら、可奈子が亡くなった原因が、私にもあると考えていたのかもしれません……書とは別に、そんなようなことが書かれた手紙をけ取ったと、彼から聞いたことがあります』
『どんな容だったのですか?』
『私が彼をげ、召使いのように扱ってきた……と』
それが事実かどうだったかは、誰にもわからないだろう。もしかすると可奈子の被害妄想だったのかもしれないし。
『事件の一報を聞いた私は、すぐに警察の人が話を聞きに來るだろうと思っていました。被害屆を出したのは……警察の人と顔見知りになれば、上手くすればその人を通じて偽の報を流して、捜査を混させられるんじゃないかって考えたからです』
もっとも、ただの素人の淺はかな考えですけど。
そう言って彼は苦笑した。
『その後、私が考えたのはただひたすら……進一君を守ることだけでした。でも、どこからどう報がれたのか知りませんが、ジャーナリストを名乗る男が私のところへやってきて、進一君やアレックスとの関係を掘り葉掘り聞いてきたんです。それから……その男の知人だと言う警察も、私のところへやってきました』
『それが、影山……』
はい、と亜沙子は頷く。
『捜査に參加している現役の刑事と聞いて、私はその人を利用することを考えつきました。報を買ったんです……』
捜査本部が西島進一に目をつけて、上から圧力がかかるまで、ほとんど時間がかからなかったのは、そういう理由か。
『あの刑事、私がし目を使ったら気を良くして……ペラペラと大切な報をいくらでもらしてくれました。もしかしたら向こうも、本當は事件のことなんてどうでも良かったんじゃないでしょうか』
それから三村亜沙子は、新里というピアニストに向かって言った。
『宏樹さん、私はこういうなの。よくわかったでしょう? あなたが思うほど立派でもなければ、綺麗な人間でもないの。も心も穢れきった……』
『……刑事さん、彼はいったいどういう罪に問われるのでしょうか?』
彼は結にそう訊ねてきた。
『……おそらく、偽証か……犯人隠匿……』
『どれぐらいの重さでしょうか?』
『それは……はっきりとは。でも、彼の場合は狀酌量の余地が充分にあります』
しばらくいろいろと考えていたピアニストはしかし、首を橫に振る。
亜沙子、と彼は聲をかけた。
『俺は君の外見に惚れた訳でも、家柄に魅かれた訳でもない。ただ、君と君の演奏するバイオリンの音に……たとえようもないほど心をかされた。それだけなんだ』
『……』
『俺のピアノに合わせられるのは、君のバイオリンしかない。何もかも全てをひっくるめて……君のことを好きになったから。だから、待っている』
『……お祖父ちゃんになっちゃうわよ?』
『それでもいいんだ。亜沙子、これからもずっと……一緒に音楽をやっていってしい』
あんなふうに言ってくれる男に出會えた彼はきっと、間違いなくこれから先も幸福に生きていけることだろう。
正直、羨ましいと思った。
「ねぇ、郁。和泉さんのことが好き?」
郁は飲みかけのお茶を吹き出しそうな顔をした。
「な、な、何なのよ?! いきなり!!」
「なんとなく」
たぶん。ただちょっとカッコいいから、ちょっと優しくしてもらったから、という『心』だけではダメだ。
あの人にはたぶん、結には理解できない、深いところにある本音が隠されているに違いない。
その【本音】を引き出すほどの、強くて深い『』がなければきっと……。
お薬、出します!~濡れ衣を著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】
田舎から出てきた15歳の少女メディは町の治療院で薬師として働いていた。ある日、患者が毒殺されそうになる事件が発生する。 多數の目撃者や証言により、メディが犯人とされてしまった。先輩に當たる治癒師がメディの高評価に嫉妬して陥れたのだ。 「やっぱり薬なんて危ないわ。治癒魔法こそが安全よ」 今までの功績に免じて、院長はメディを追放処分とした。しかし治癒魔法ではすべての體調不良は癒やせない。 何年も入院していた患者の難病を癒やすなど、メディは治癒師顔負けの実力を発揮していた。 治療院の評判に大きく貢獻していたのだが、彼女がいなくなると雲行きが怪しくなる。 一方、メディは新天地で薬屋を開くことにした。萬病をも治すという噂が広まり、いつしか客層もおかしなことになっていく。 王國最強と呼ばれた『極剣』の女剣士や破滅的な威力の魔法を放つ『皆殺し』と呼ばれたエルフ魔術師と、気がつけば特級戦力が集うようになった。 メディは今日も聲を張り上げる。 「お薬、出します!」 やがて治療院は新たな動きを見せるが、やはり傾き始める。 メディの薬屋は辺境を飛び出して名が知られるように――
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