《【書籍化・コミカライズ】竜神様に見初められまして~げられ令嬢は霊王國にて三食もふもふ溺付きの生活を送り幸せになる~》第7話 嫁ぐことになりました
本日は7時、9時、12時に更新しております。
まだ未読の方はそちらからお読みください。
「……はあ」
フェルミ王國辺境付近を走行中の馬車に揺られながら、ソフィアはもう何度目かわからないため息をついた。
この數日間のバタバタで、ただでさえ濃かったクマがいっそう濃くなってしまっている。
全ての元兇は全て、例の婚約騒に起因する。
一週間前、ソフィアは妖王國エルメルの竜神様にして軍務大臣、アランに求婚された。
その時の會場の騒然たるや言うまでもない。
ソフィアの立場を知る貴族諸君たちはひっくり返らんばかりに度肝を抜かし、パーティどころでは無くなった。
ちなみにマリンは卒倒し、そのままどこかに運ばれて帰ってこなかった。
……しだけがスッとしたのはここだけのである。
幸い、わが國の王様の鶴の一聲で予定していたパーティはつつがなく進行したが、その間ソフィアの中は穏やかではなかった。
あの鎖國狀態だったエルメルの重鎮がフェルミきっての落ちこぼれたるソフィアに求婚ともなると、その注目度は想像するに容易い。
パーティ中、本當に出するんじゃないかと思うほどの數の視線が次々に突き刺さって大変だった。
もう、何度帰りたいと思ったことか。
「騒ぎを起こしてすまない、詳細はまた」と、アランはシエルと一緒に各國の重鎮との流に戻ってしまったし。
パーティが終わるまでソフィアは一人でじっと、そこらへんの壁になったつもりで気配を殺しやり過ごしていたのである。
しかし大変なのはその後だった。
求婚なんて冗談じゃないだろうかと思っていたが、どうやら先方は本気のようだった。
翌日すぐに、婚姻に関する書類と共に支度金と稱して多額の資金を提供する旨の誓約書が屋敷に屆いた。
その時の両親の掌返したるや、一生忘れる事は無いだろう。
父曰く、無能のお前もようやく役に立ったか。
母曰く、一國の軍務大臣様に嫁ぐだなんて、なんと譽高いわ。
正直、吐き気がした。
両親はやはり、自分を家に利益をもたらすかどうかでしか見てなかったのだと。
そこはかとなく悲しい気持ちになったが、ハナコにめてもらった。
嫌なことも悲しいことも、ハナコのもふもふにかかれば萬事解決である。
ちなみにマリンはというと、人間の貰い手がなくて竜とだなんてお似合いねお姉様、うっきゃっきゃとよくわからない上から目線を炸裂させていた。
嫁ぎ先の相手の位が超高いとか、家に莫大な利益をもたらしたとか、自分にとって都合の悪い事実は見なかった事にしたようだった。
ちなみに、そもそもの話になるが。
國家間の流パーティで一國の大臣クラスが他國の令嬢に求婚など前代未聞(普通に國際問題になりそう)だが、お國柄の違いとして許容されたらしい。
そもそもフェルミとしては魔法の使えないソフィアに存在価値がないから、どうぞ持っていってくださいというスタンスのようだった。
とまあ、纏めると。
ソフィアは國にも家族にも、半ば売られるような形でエルメルに嫁ぐ事になったのである。
「これから、どうなるんだろう……」
延々と続く草原を馬車窓から眺めながら、呟く。
ボロ雑巾のようにこき使われ地獄のような日々を送っていた実家からは距離を置くことができた。
その開放はある、が。
エルメルに嫁いでからの新生活に対する不安の方が大きかった。
何しろエルメルに関する報の持ち合わせは皆無と言って良い。
向こうに人間はいるのか、もしかして國民全員が人間ではないのだろうか。
ちゃんと人間らしい生活が出來るのだろうか。
そもそもアランという人はどんな人なのだろう。
もしかして、怖い人なんじゃ……。
実家よりもっと酷い扱いをけたら……。
『きゅいっ』
不安に表を曇らせていると、ハナコがひゅっと現れひと鳴きした。
「心配してくれるの?」
『きゅきゅいっ』
「ふふ、ありがとう」
すりすりと顔にを寄せてくるハナコのもふもふを堪能していたら、自然と笑みが溢れてきた。
(大丈夫、私にはハナコがいる……)
もふもふと一緒なら、きっとどんな苦労でも乗り越えていける。
そう、ソフィアは思うのであった。
──そのフェンリルは、君の霊か?
この數日のゴタゴタのせいで、あのパーティでアランが言っていた言葉は完全にソフィアの頭からすっぽ抜けていた。
最弱になりすました最強
伝説の暗殺者として名を知られている天生神扇(あもうかおうぎ)は些細な出來事からとある學園に編入した。しかし魔力はあるのに使えないという學園で類を見ない出來損ないだった。
8 101魔力、愛、君、私
姉を探すリルと戦士のハルマ、 お互い同じ國の出身でありながらリルには小さな身體で殘酷な過去を抱えていた。 メーカーお借りしました() https://picrew.me/share?cd=cljo5XdtOm 亀さんペースですごめんなさい
8 119事故死したので異世界行ってきます
このあらすじは読まなくても物語には、全く差し支えありません。 24歳男性 鈴木祐介が 不慮の事故で亡くなり。 異世界転生をし、そこで異世界ライフを送るだけのストーリーです ※ 一部過激描寫等が含まれます苦手な方は閲覧お控えください。
8 162無冠の棋士、幼女に転生する
生涯一度もタイトルを取る事が出來なかったおっさんプロ棋士。 最後の挑戦として挑んだ名人戦は敗北し、一人家で晩酌を楽しんでいた。 そして、いい加減眠ろうと立ち上がった所で意識を失い、命を落としてしまった。 そして気づくと、幼女になっていた。 これは幼女に転生した無冠のプロ棋士おっさんが、史上初の女性プロになり名人のタイトルを手に入れようと努力する、そんなお話。
8 89遙か夢こうのデウス・エクス・マキナ
各國で様々な技術が発展し銀河系開発にも手を伸ばす中、貧富の差もより如実に表れている世の中で地球のスラム街に住む主人公イゼ、イゼはとある事件の発生よりスラム街の地下奧に眠っていたある存在を知ることとなる。
8 89アイアンクロス
8 123