《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》6 ニート宣言
こちらは同時刻の市ヶ谷にある自衛隊ダンジョン対策室。
例の怪しい男2名が再び秩父ダンジョンの管理事務所に戻ってきた報は、すぐにこの対策室にもたらされた。ライブカメラに映し出される聡史とカウンター嬢のやり取りに、この場の全員が固唾を呑んで見っている。
「魔力量が13000の魔石だとぉ」
「さらに上昇したぞ! 今度は22000だぁ」
「68000もの魔力を含有している魔石か… どんな魔を倒せば手にるんだ?」
対策室の大型テーブルに著席してこの様子を目撃している自衛隊ダンジョン対策室の幹部たちは、この異常とも取れる事態に驚きと戸いの表を隠し切れていないよう。だがテーブルの末席にいる私服姿のが、挙手をして発言の機會を求める。
「神崎學院長、どのような意見かね?」
司會を務める副室長から指名されたのは、公式名稱〔國立ダンジョン調査員養並びに魔法研究者育アカデミー學院〕、通稱〔魔法學院〕學院長を務める神崎(かんざき)真奈(まなみ)であった。
自衛隊予備役中佐の立場で現在は魔法學院に出向して學院長を務めており、政府直轄ダンジョン対策室のメンバーでもある。
「この両名を、魔法學院に學させる。このまま放置するよりも、ある程度政府の目が屆く場所に置いておくほうがコントロールは可能だろう」
「神崎學院長、その主張の拠は?」
司會の副室長が何か言おうとしたのを遮って質問したのは、この部署全を取りまとめる岡山室長。
「拠か… 私の勘だ。これ以上は説明できないが、モニターを通してじるこの男の雰囲気だけでも想像を絶する危険なものをじる。このまま放置するのは論外だろう」
「なるほど… 神崎學院長の意見を尊重しよう。手続きをしてくれたまえ」
「室長、承知した。今から私自が両者の自宅に出向いて直接スカウトする」
こうして神崎學院長は対策室を後にする。殘されたメンバーの間では、例の二人を魔法學院に學させた後、その向に最大限に注意を払うという確認がなされるのだった。
一方、帰宅した聡史は…
「まあ、桜ちゃん。一どうしちゃったの?!」
聡史に抱えられて帰宅した桜の様子を見るなり、母親は慌てた聲を出す。生まれてこの方病気一つしたことがない桜がグッタリして兄に抱えられているのだから、心配するなと言うほうが無理な相談だろう。
「すぐに救急車を呼びましょう」
「母さん、落ち著くんだ。病気ではないから、そんなに心配しなくても大丈夫だ。桜はこのまま部屋に寢かせるぞ」
こうしている間にも聡史に抱えられた桜は、無気力な様子でされるがままになっている。そのまま自分の部屋のベッドに寢かされると、ようやく桜は口を開く。
「お兄様、私はもう気力が湧きません。このまま18歳の誕生日までニートになります」
「誕生日が來たらどうするんだ?」
「ダンジョンにります」
この部分だけは力を込めて桜が言い切った。寢かされた姿のままさらに話を続ける。
「私はニートなので、當分の間、お兄様が面倒を見てください」
「どうやって面倒を見ればいいんだ?」
「新聞配達やコンビニのアルバイトで私の生活費を稼いでください」
「自分に都合よすぎ」
いくらなんでも甘えすぎだろうと聡史は半ば呆れている。ここで、彼の脳にふとした疑問が浮かんだ。
「食事はどうするんだ?」
「もちろん、毎日三食におやつも私の口に合うものをお兄様が用意してください」
「贅沢三昧かよ」
どうやら今まで通りに、しっかり食べるつもりのようだ。しかも完全に人の懐をアテにするとは… 実の妹でなければ張り倒してやりたいところであろう。
なおも桜は要求を続ける。
「それからお兄様、ニートといえばアニメです。おススメのDVDを買ってきてください」
「お前は、アニメなんか全然興味がないだろう?」
「お兄様は、甘いですわ。ニートになった瞬間誰もがアニメに手を出すのは世間一般の常識です」
「ニートの皆さんに謝れ。そういう傾向は無きにしも非ずだが、全部が全部そうじゃないだろうが」
「仕方がありませんねぇ~。それでは暴れん〇將軍のDVDでいいです」
桜はマツケンさんのファンで、日頃から暴れん坊將〇を好んで視聴している。聡史はDVDをセットしてテレビのスイッチをると、これ以上面倒を見るのも億劫なのでそのまま部屋を出ていく。
リビングに戻ると、すかさず母親が…
「桜ちゃんの合はどうなの?」
「心配するだけ無駄だよ。ダンジョンにれなくて拗ねているだけだから」
母親を安心させるように答えると、聡史はダンジョン管理事務所での出來事について一通りの説明を開始する。その途中で…
ピンポーン
ドアのチャイムが、突然の來客を告げるのであった。
「面白かった」
「続きが気になる」
「もっと早く投稿して」
と、思っていただけましたら、ブックマークや評価を、是非お願いします!
評価はページの下側にある【☆☆☆☆☆】をクリックすると、簡単にできます。
皆様から頂けるポイントが、執筆を続ける原力になりますので、どうか溫かい勵ましをいただけますように、よろしくお願いします!
【完結&感謝】親に夜逃げされた美少女姉妹を助けたら、やたらグイグイくる
※完結済み(2022/05/22) ボロアパートに住むしがない28歳のサラリーマン、尼子陽介。ある日、隣に住む姉妹が借金取りに詰め寄られているところを目撃してしまう。 姉妹の両親は、夜逃げを行い、二人をおいてどこか遠くに行ってしまったようだ。 自分に関係のないことと思っていたが、あまりにも不憫な様子で見てられずに助けてしまい、姉妹に死ぬほど感謝されることとなる。 そこから、尼子陽介の人生は大きく変わることになるのだった――。
8 105お薬、出します!~濡れ衣を著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】
田舎から出てきた15歳の少女メディは町の治療院で薬師として働いていた。ある日、患者が毒殺されそうになる事件が発生する。 多數の目撃者や証言により、メディが犯人とされてしまった。先輩に當たる治癒師がメディの高評価に嫉妬して陥れたのだ。 「やっぱり薬なんて危ないわ。治癒魔法こそが安全よ」 今までの功績に免じて、院長はメディを追放処分とした。しかし治癒魔法ではすべての體調不良は癒やせない。 何年も入院していた患者の難病を癒やすなど、メディは治癒師顔負けの実力を発揮していた。 治療院の評判に大きく貢獻していたのだが、彼女がいなくなると雲行きが怪しくなる。 一方、メディは新天地で薬屋を開くことにした。萬病をも治すという噂が広まり、いつしか客層もおかしなことになっていく。 王國最強と呼ばれた『極剣』の女剣士や破滅的な威力の魔法を放つ『皆殺し』と呼ばれたエルフ魔術師と、気がつけば特級戦力が集うようになった。 メディは今日も聲を張り上げる。 「お薬、出します!」 やがて治療院は新たな動きを見せるが、やはり傾き始める。 メディの薬屋は辺境を飛び出して名が知られるように――
8 64こんなの望んでない!
仲違いしている谷中香織と中谷翔。香織は極度の腐女子でその中でも聲優syoの出ている作品が大好きだった。そのsyoは皆さんご察しの通り中谷であり中谷はこれを死んでもバレたくないのである。
8 133俺と彼女と小宇宙とが織り成す宇宙人とのラブコメ
俺、菅原月兎(すがはらつきと)は転校した日にラブレター貰って、宇宙に拉致られる。 この物語の一人一人が他とはちょっと違う歪な愛を持っている。 月兎の自己愛。 マリスの全愛。 エマの純愛。 麗兎、玲浮兎の偏愛。 カリーナの敬愛・・・等々。 そんな彼、彼女達は人とは違う愛を抱えながらも自分の信じる物を必死に守り通す。 本作はそんなハイテンションSFファンタジーです。 *この作品は小説家になろうでも投稿しています
8 135間違えて召喚された俺は、ただのチーターだった
平和に暮らしていた 影山 裕人は、魔王を倒すため異世界に召喚されてしまう。 裕人は、この世界で生きる覚悟を決めるが.......
8 180出雲の阿國は銀盤に舞う
氷上の舞踏會とも形容されるアイスダンス。その選手である高校生、名越朋時は重度のあがり癥に苦しんでおり、その克服の願をかけに出雲大社を訪れる。願をかけたその瞬間 雷のような青白い光が近くにいた貓に直撃!動揺する朋時に、體を伸ばしてアクビをすると貓は言った。『ああ、驚いた』。自らを「出雲の阿國」だと言う貓の指導の下、朋時はパートナーの愛花とともに全日本ジュニア選手権の頂點を目指す。 參考文獻 『表情の舞 煌めくアイスダンサーたち』【著】田村明子 新書館 『氷上の光と影 ―知られざるフィギュアスケート』【著】田村明子 新潮文庫 『氷上の美しき戦士たち』【著】田村明子 新書館 『DVDでもっと華麗に! 魅せるフィギュアスケート 上達のコツ50 改訂版』【監】西田美和 メイツ出版株式會社 『フィギュアスケートはじめました。 大人でもはじめていいんだ! 教室・衣裝選びから技のコツまで 別世界に飛び込んだ體験記』【著】佐倉美穂 誠文堂新光社 『フィギュアスケート 美のテクニック』【著】野口美恵 新書館 『表現スポーツのコンディショニング 新體操・フィギュアスケート・バレエ編』【著】有吉與志恵 ベースボール・マガジン社 『バレエ・テクニックのすべて』【著】赤尾雄人 新書館 『トップスケーターのすごさがわかるフィギュアスケート』【著】中野友加里 ポプラ社 『絵でみる江戸の女子図鑑』【著】善養寺ススム 廣済堂出版 『真説 出雲の阿國』【著】早乙女貢 読売新聞 また阿川佐和子氏『出雲の阿國』(中公文庫)に大きな影響を受けておりますことを申し述べておきます。
8 156