《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》50 バーベキューとお願い

本日二話目の投稿になります。

ゆるゆるとした海水浴編が続きますので、肩の力を抜いてお読みください。

「よ、よかったら水著姿を寫真に収めようか?」

「えぇぇ! ちょっと恥ずかしいよぉ!」

「せっかくの記念だから、一枚だけ!」

勇気を振り絞った男たちの熱が屆いたのか、Eクラスの子5人は彼らに囲まれて、その手にするスマホでとりどりの水著姿を畫像に殘すのを許可する。下心満載の狼たちのに塗れた提案を、彼たちはよくも広い心で許したものだ。夏の海というこの開放的なシチュエーションが、子たちを普段よりも大膽にしているのか?

「それじゃあ畫像を送るから、アドレス教えて」

「まあいいかな。はいこれ!」

ついでに彼たちのアドレスまでゲットするとは、こいつら中々やりおる!

そして男たちの視線は、揃って聡史へと向けられる。鈴とカレンの寫真を撮れという無言の圧力が彼らの眼に込められているのは言うまでもない。

當然Eクラスの愉快な男たちの切実なる願は、聡史にも痛いほど伝わっている。彼らの願いが葉うかどうかは、ひとえに聡史の肩に懸かっているのだ。

「えーと、せっかくだからみんなの水著姿を寫真に撮ろうか?」

及び腰の聡史の態度に、背後からは『もっと押せ! 倍プッシュだ!』という無責任な男たちの心の聲が響く。

「お兄様! そんなに私の水著姿が魅力的なのですか?」

「お兄さんったら! 私のナイスバディーにメロメロなんですね!」

言いたい放題の桜と明日香ちゃんに対して、『お前たちじゃねぇぇぇぇ!』『その二人は、需要が限られているんだよぉぉ!』とぶスタンドが、男たちの背後に立ち上る。それはもう、自らの魂すら犠牲に捧げて悪魔の手を借りてもよいと、完全なるダークサイドに墜ちているかのようであった。

だがこの桜と明日香ちゃんのいつものような前に出たがる姿勢は、聡史にとっては絶好の追い風であった。先にこの二人を撮影する流れで、鈴とカレンの水著撮影のハードルが一気に下がる。

こうして無事に全員の水著姿を畫像に収めた聡史には、『早ようデータを寄越せ!』というどす黒い思念が殺到する。だがこの時聡史は決心した。この畫像は絶対に誰にも渡さないと、オリハルコンよりも固く自らの良心に誓うのであった。ただし桜と明日香ちゃんの畫像のみは、場合によっては融通しようと思っている。妹とその友達に関してはブロックが甘いのだった。どうせ需要なんかないだろうし……

圧倒的男子一同が落膽する中、せっかく海に來たのだからと水にって泳いだり、波打ち際で砂遊び等心に帰ったように皆がそれぞれ伊豆の海を満喫する。真っ白な砂浜と照り付ける日差しがいかにも夏のひと時をじさせる。

ひと泳ぎした聡史がパラソルの下で休もうとしたところに、桜がやってくる。

「お兄様! このビーチボールを魔力で頑丈にしてもらえますか?」

「ああ、いいぞ」

聡史が化魔法を掛けると、ちょっとやそっとでは割れたりしない丈夫なビーチボールにあっという間に早変わり。このボールを使って桜、鈴、明日香ちゃん、カレンの四人が砂浜でバレーボールを始める。

バシン!

ズバッ!

ズゴン!

ズシュッ!

ゴバッ!

ビニール製のビーチボールでは有り得ない音が砂浜に響くが、四人は普通の顔をして楽しそうにバレーボールをしている。うら若い子高生の楽しそうな歓聲が響くと、その様子に気が付いて、男子の一人がやってくる。

「俺もれてくれよ!」

「どうぞ!」

楽しそうなビーチボールでの遊びだと考えて、彼は何の気なしに參加した。いや、してしまった!

「行きますよ~!」

バシン!

いかにも重たそうな音を響かせて、明日香ちゃんが男子に向かってボールをアタック!

「ブヘッ!」

顔面を直撃した剛速球のビーチボールは、その男子生徒を軽々と吹き飛ばした。明日香ちゃんだけでなくて、鈴やカレンのレベルは20前後に対して、Eクラスの生徒の平均レベルは6~7であった。

力の數値は明日香ちゃんでも100近いのに対して、男子生徒は50以下! しかもボールは聡史の魔法によって化されている。時速130キロで飛んでくるバスケットボールに匹敵する衝撃によって、悲しいかな彼は吹き飛ばされたのだった。鼻を出した男子生徒は、カレンの回復魔法のお世話になっている。

「健太は、何やっているんだ? 俺が見本を見せてやるよ!」

別の男子が參加すると、今度は鈴のアタックが炸裂する。

「グハぁぁぁ!」

結果は同じだった。鈴が軽く打ち込んだアタックでさえも、男子生徒はけ止められない。これがレベル差であった。どれほど格が勝っていようとも、各種數値に基づいたボールの威力というのは絶対に覆らないのだ。これが知らず知らずの間にレベルが上昇していた聡史たちのパーティーメンバーの実態であった。

學年最弱であった明日香ちゃんでさえも、いつの間にかこんなに強くなっている。それだけではなくて魔法専門の鈴ですら、力的にEクラスの男子生徒を圧倒するのだった。もちろん桜は本気など出してはいない。まかり間違って彼が本気を出したら、真っ白な砂浜には死累々の景が発生しているだろう。

こうして遊んでいるうちに、そろそろ晝の時間となる。海岸で火を使用するのは止されているので、一行は道路を挾んだバーベキューの場所とを貸し出してくれる店へと向かう。幹事がしっかりと予約をれてくれていたので、鉄板2枚分のスペースがすでに準備してあって、あとは焼くだけという行き屆いたサービスの良さがる。

「お待たせしました! このためにわざわざ秩父ダンジョンまで遠征しましたのよ! そして、私が討伐したロングホーンブルのが、こちらで~~す!」

桜がアイテムボックスから取り出したのは、重さが10キロはある鮮やかな赤にほんのりとサシがった、どこから見てもA4ランクは獲得できそうな高級であった。ダンジョンのドロップアイテムとは思えないような上質なは、ステーキにして30枚分は取れそうだ。さらに桜は、リブロースの部位に相當する同様のブロックをもう一つ取り出しては、テーブルにドンと置く。

ロングホーンブルのの塊10キロ×2がデンとテーブルに置かれた眺めは、壯観ですらある。

「ほぉぉぉ!」

「すげぇぇぇ!」

「どこから見ても牛だよな!」

「こんな量、絶対に食べ切れないぞ!」

Eクラスの生徒は男子も子も、大きなの塊がデンと2つテーブルに置かれた景に見っている。ロングホーンブルは秩父ダンジョンの11階層にある草原ステージに生息している魔で、桜はこのバーベキューのためだけにわざわざ単獨でそこまで足を延ばしてゲットしてきた。楽しみにしていたバーベキューに懸けるその執念にはもはや帽するしかない。

ひと塊のを求めてダンジョンの奧深くに潛していく! …それこそが桜の食材に対する學なのだ。

「ここからは、鈴ちゃんにお任せしますわ!」

「まかせて!」

鈴は、桜から切り用のナイフをけ取ると、大きなブロックを手際よく切り分けていく。手早く塩コショウを掛けると、あとは鉄板で焼くだけだった。

「焼き加減はお好みでどうぞ! 食べにくい人は切り分けるから持ってきてね!」

笑顔のシェフが手にするは、実は異世界製のミスリルのナイフであった。どおりでスパスパよく切れるわけだ。塊のが、まるで豆腐を切っているかのように簡単に切れてしまうのだ。

ロングホーンブルのステーキは、もちろん全員が笑顔になってしまう味しさだった。そのほかにも焼きソバや焼き野菜なども用意されており、全員がお腹がいっぱいでけなくなるまで食べまくる。そして止めにに……

鈴ちゃん! おをもう1枚切ってもらえますか!」

「桜ちゃん! これで4枚目よ!」

鈴はもう半ばヤケクソになっているようだ。分厚く切られた1枚500グラムはあるステーキを桜に差し出す。

「バーベキューのフィナーレを飾るにはふさわしい一品ですね!」

ホクホク顔でけ取った桜は、最後の最後まで味しくいただくのであった。

晝食を終えると、再び砂浜に散っていく一行。鈴とカレンは日焼けしたくないので海の家に引っ込み、桜と明日香ちゃんはあれだけバーベキューを満喫したにもかかわらず、テーブル席で店員さんに注文を開始している。

「カレーライスをお願いしますわ!」

「イチゴのかき氷をお願いします!」

「明日香ちゃん! 海水浴といえば、やはりカレーライスですね!」

「桜ちゃんは何を言っているんですか! カキ氷こそ至高の品です!」

どっちもどっちだろう。それよりも桜にとっては、カレーライスがデザート代わりであった。明日香ちゃんと二人でとことん食を満たしているように、すでに胃袋のストッパーが壊れている。

男子たちは、腹いっぱいで思い思いに休憩を兼ねて砂浜に寢転んでいる。工事現場で土方焼けしている上半を、この際だからまんべんなくこんがりと日焼けさせようとしている。

そんな中で、聡史は一人でパラソルの下でちょっと食べすぎたかなぁ… などと考えていた。

その時、彼の前に水著姿の子たちが五人揃って顔を出す。

「あの~… 桜ちゃんのお兄さんに、実は折りってお願いがあるんです」

この五人組は、子だけで一つのパーティーを結しており、その中でリーダーを務める竹が、何やら相談事を聡史に持ち込んできたようだ。彼の周りには、他のメンバーが取り囲むように砂浜に座り込んでいる。一人で子五人に囲まれるなんて、聡史は男冥利に盡きるだろう! 鈴にバレたら當分口もきいてもらえなくなるかもしれないが、幸い彼はカレンとともに海の家の奧に引っ込んでいる。

「俺の呼び方は、聡史でいいから。それで、お願いというのは?」

「実は私たちは、〔ブルーホライズン〕というパーティーを組んでいるんですが、実力がなくって未だにゴブリンに苦戦しているんです」

の深刻そうな表に合わせて、他のメンバーがうんうんと頷いている。聡史にもなんとなく彼たちの相談容が分かってきた。

「明日香ちゃんが、聡史さんたちと一緒になって強くなったのを見て、私たちもこれじゃあいけないんじゃないかって考えたんです」

「明日香ちゃんは、相當頑張ったからな」

「ええ、毎日泥だらけになっている姿をよく見掛けました。ですから聡史さん! 私たちを鍛えてもらえませんか!」

「そうだなぁ…… 々とパーティーメンバーに付き合わないといけない時間があるからなぁ。空いている時間はというと…… ああ! 自主練の時でいいか?」

「自主練っていうと、藤原君たちがやっている放課後の訓練ですか?」

「ああ、俺も參加しているから、その時間だったら訓練に付き合ったもいいぞ」

「ほんとうですか! ありがとうございます! 學院に戻ったら、ぜひともお願いします!」

「「「「おねがいします!」」」」

をはじめとしたメンバーたちの顔が、一斉にパッと明るくなる。実は彼たちは、何とか聡史に頼み込めないかと々考えて、この海水浴に同行していた。結局子が參加したのは頼朝たちの手柄ではなくて、どちらかというと聡史が目當てであった。だがこの事実は、彼らには緒にしておこう。

「それで、みんなはどんな武を使っているんだ?」

「私とほのかが剣で、渚と絵が槍で、晴が斧です」

「全員理系か…… まあ、Eクラスの生徒で魔法が使える人材は、貴重品だからなぁ…… しょうがない! 取り敢えずは、今使っている武の技を上げていこう!」

「「「「「はい! どうかお願いします!」」」」」

こうして、聡史には弟子が増えた。この兄妹は、異世界でも孤児を保護しては剣を教えたりしていたので、他人に何かを教えるのが習い癖になっているのかもしれない。厳しいが、実は面倒見のいい先生なのだ。

話がまとまったところで、聡史が真たちに改めて顔を向ける。

「腹の合はこなれてきたか?」

「だいぶ楽になりました」

「そうか! それじゃあ、ひと泳ぎいくぞ!」

「「「「「はい!」」」」」

こうして新たな弟子となった子五人は、聡史につられるようにして海へと向かうのであった。

最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました。続きの投稿は、明日を予定しております。どうぞお楽しみに!

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