《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》54 特訓開始!

本日2話目の投稿です。子たちの訓練を引きけた聡史は……

それから報告ですが、47話を改稿いたしました。ゴブリンキングを仕留めたのを、桜から鈴と明日香ちゃんのコンビに変更しました。

「各自のステータスは大理解した。次に武を見せてくれ」

は各々の戦闘力に直結する重要なファクターだ。明日香ちゃんがトライデントと偶然出會ってその能力が花開きつつあるように、どんな武を手にするかで戦いにおいて結果が変わってくる。

「私はこれです」

が聡史に差し出したのは、何の変哲もない普及品の剣だ。長さも子が手にするにはちょうどいいし、重さも手頃といえる。

「これが私の剣です」

ほのかの剣を見た瞬間、聡史の表が曇る。その剣は長が150センチそこそこしかないほのかにとっては、明らかに長すぎるのだった。手に取ったも刃渡りが長い分だけ重たくじる。

「この剣は、扱いにくくないか?」

「竹刀と同じくらいの長さがいいかなと思って買ったんですが、重たくてすぐに腕が上がらなくなります」

「まあ、そうだろうな。それじゃあ、次!」

「この槍です」

渚が差し出したのは、柄が木製で穂先だけが金屬の槍であった。異世界の歩兵が手にする、最も安の槍とよく似ている。

「うーん、こん棒を持ったゴブリン相手なら何とかなるけど、この槍では上位種には太刀打ちできないな。はい次!」

「この斧っス!」

晴が手にするのは、ホームセンターでも販売しているような手斧であった。林業従事者であればこれでいいのかもしれないが、魔相手ではあまりにもお末すぎる。

「問題がありすぎだろう! そもそも相手の攻撃をこの斧でどうやってけるんだ?」

「その辺は気合で何とかするっス!」

はい、脳筋1名発見! たった一言の晴の返事だけで、どのような戦い方をしているのか聡史には見當がついてくる。

「それじゃあ、最後は?」

「この槍です」

が手にするのは、ダンジョンという狀況に合わせた短槍であった。標準の槍に比べて柄の長さが3分の2ほどで、取り廻しがしやすい。だがその分だけ槍の特であるリーチの長さが犠牲になっているのだった。

五人の武を確認した聡史は、ここで結論を下す。

「よくわかった! 武の全とっかえだ! このままだと確実に死ぬぞ!」

「「「「「ええぇぇぇぇぇ!」」」」」

「ええ! …じゃないだろうがぁぁ! 本當に死ぬからな!」

「でも私たち、新しい武を買うお金なんて持っていないです」

「心配するな! 俺の訓練をけている期間は武を無料で貸し出す! 今から出していくから、好きなものを選ぶんだ」

こうして聡史はアイテムボックスを総ざらいする勢いで、各種の剣や槍を次々に芝生の上に置いていく。何もないところから武が取り出される景に、五人はポカーンとして口を開けて見ている。

「それから晴は、このどちらかを選ぶんだ」

聡史が最後に取り出したのは、総金屬製で長い柄の先に斧と槍と引っかき爪が取り付けられたハルバートと、同様に金屬製の短斧と盾の組み合わせだった。

「うーん…… どっちがいいっスかねぇ?」

晴は真剣な表でハルバートを手にしたり、盾や短斧のを確かめている。散々迷った末に晴が下した結論は……

「よ~し! こっちにするっス!」

結局彼が選択したのは、盾と短斧の組み合わせだった。この結果に聡史が予想通りとニヤリとした笑みを浮かべている。手斧一つ持ってゴブリンと戦うとなったら、さぞかし防面で苦労したであろうと考えていのだ。

晴が選んだ斧は神鋼製で、頑丈さと切れ味を兼ね備えており、攻撃力はドワーフ謹製の折り紙付きだ。だがそれよりも重要なのは盾のほうであった。ドワーフの名工が作り上げたこの盾は、側がに富んだ鉄で外側がい神鋼という複合構造で、金貨にして300枚の値が付く一品であった。

晴が自分の武を決定すると、彼を皮切りに次々と他の子が、選んだ剣や槍を聡史に見せにくる。まず、いの一番に來たのはほのかであった。

「聡史さん、これなんかどうでしょうか?」

が手にするのは、先日聡史がダンジョンで使用した短剣であった。こちらも前述の通り神鋼で作られており、鋭い切れ味を誇っている。

「ああ、これでいいんじゃないか。この前俺も使ってみたけど、一撃でゴブリンの首が簡単に落ちたぞ」

「ええぇぇぇ! そんなに斬れるんですかぁぁぁ!」

使い手の腕もあるが、それだけのポテンシャルをめた剣であった。実際に使用した聡史の想を聞いてほのかは驚いている。だが彼の選択は、聡史の目からしても大正解であった。小柄なほのかでも片手で扱えるというメリットは大きい。

「それじゃあ、これもおまけで渡しておこうか」

聡史はアイテムボックスから小型の盾を取り出す。こちらも軽量なので、ほのかには扱いやすい。ただし、オールミスリル製というのは本人にはまだ緒にしておく。防には金を掛けるべしというのは、聡史の信條でもある。

ほのかの裝備が決定すると、今度はリーダーの真が聡史の元にやってくる。驚くことに、彼の手には2本の剣が握られている。

「あの…… 聡史さん! この2本を貸してもらえないでしょうか?」

「1本じゃダメなのか?」

「実は二刀流を試してみたいんです! 難しいとは思うんですが、この剣ならばヤレそうな気がするんです!」

が手にするのは、剣の種類でいえばレイピアの相當する細の品であった。手にしたが軽いのは、こちらもオールミスリル製だからである。その分切れ味は抜群で、しかも丈夫なので刃毀れなど滅多に起こさない。

「困難にチャレンジするのは、心な心掛けだ。頑張ってみろ!」

「はい、ありがとうございます!」

聡史から掛けられた勵ましの言葉に、にっこりとほほ笑んで真はその場を次のメンバーに明け渡す。そこに立っているのは渚であった。

「この槍にしたいなぁ… って思うんです」

「何か理由があるのか?」

「手にするとピッタリと馴染んでくるんです! 口では説明しきれないんですが、何となく相がいいような気がします」

「そうなのか…… いいんじゃないかな」

渚が選んだ一品は〔疾風の槍〕という銘を與えられていた。練してくると槍自に付與された風屬魔法をれるようになる。渚が手に馴染むというのは、ひょっとしたら彼に風屬の魔法スキルがあるのかもしれない。そもそも彼の名前からして、風や水に縁がありそうだ。

そして最後に絵が來た。

「最初からこの槍しか目にりませんでした!」

「ほう、これはずいぶん面白いものを選んだな」

聡史の目が笑っている、絵が手にするのは〔ロンギヌス〕と名付けられた、明日香ちゃんのトライデントに引けを取らない神話級の槍であった。果たして彼に使いこなすことが可能かどうかはいまだ未知數ではあるが、チャレンジしたいという意思を聡史は尊重する。

これで各自の武が決定したので、ここから訓練が開始される。

「それじゃあ、各自十分に距離をとって素振りから開始だ! 俺が順番に後ろから聲を掛けるから、間違っても武を向けないでくれよ!」

「「「「「はい!」」」」」

もちろんこれは聡史の冗談だ。5人は間隔を開けて、たった今選んだばかりの武を手にして素振りを開始する。聡史がまず聲を掛けたのは晴であった。

晴は斧の素振りをするよりも先に、盾の使い方をマスターしろ! 一旦斧を置いて左手で盾を構えろ」

「はい!」

晴の盾はかなり大型の部類にる。この盾を上手く使いこなせれば、最前列で敵の攻撃を防ぐタンク役を務められるかもしれない。ということで盾の技向上のために、木刀を手にした聡史が晴に打ち掛かっていく。

「ほらほら! しっかりガードしろよ!」

「打ち掛かってくるスピードが早すぎて、全然追いつかないっス!」

「追いつかないと、こうなるんだからな!」

バシッ!

「イタタぁぁぁぁ!」

木刀を橫薙ぎにして打ち掛かる聡史の攻撃を防ぐために、晴は盾を左方向に向けた。だがそれはフェイントで、ガラ空きになった右手を小手の要領で叩いたのだった。

もちろん聡史は手加減をしているが、打たれた晴は涙目になって蹲る。だが、聡史はそんな甘い態度を許さなかった。

「痛いのは右手だ! 無事な左手で盾を構えろ!」

「はい!」

晴は自らのスキル〔気合強化〕を発して立ち上がる。これは『痛みは気合で我慢する』という脳筋ならではのスキルであった。ちなみに頼朝もこのスキルの保持者だ。Eクラス男子は相當數の人間が、このスキルを保持している。子で持っているのは、実は晴ただ一人であった。

そして再び打ち合う二人。だが今度も……

「ふぎゃぁぁぁ!」

今度は右足の向う脛を押さえて、晴が芝生の上を転がり回る。晴の盾のきが間に合わずに、聡史の木刀がヒットしていた。

「痛いのは俺じゃない! さっさと立つんだ!」

「うぅぅ! き、気合だぁぁぁ!」

再び晴は立ち上がる。青アザになっている脛は相當疼いていそうだが、気合を込めればまだくようだ。

聡史の木刀は、全て計算ずくで振り降ろされている。最も効率よく晴が盾をかざすきをで覚えるようにして、木刀を振るっている。その數分後……

「みぎゃぁぁぁ!」

踏んづけられた貓のようなびをあげて、晴は地面に崩れ落ちた。今度は左足を押さえて一向に立ち上がろうとはしない。さすがに気合では補えないダメージを食らったようだ。

「おーい! カレン! ちょっと來てもらえるか!」

「は~い!」

ダウンしている晴の元へカレンがやってくる。左足を押さえている晴は汗でグシャグシャになっている。暑さのせいで汗をかいたのか、はたまた痛みに耐える脂汗なのかは本人にしかわからない。

カレンの右手から白いが発せられると、あっという間に晴の傷は癒えていく。

「うう痛い…… あれ? 痛みがなくなったっス!」

不思議そうな表をして立ち上がる晴、だがここから聡史による第2ラウンドが開始されるとは、まだこの時點では彼は気が付いていないのだった。

最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました。続きの投稿は、明日を予定しております。どうぞお楽しみに!

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