《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》58 外部の

主人公たちは、最後にチョコっとだけしか出てきません。

時間がなかったので、急いだ分だけ誤字が多いかも…… 明日もう一度見直しします。

市ヶ谷にある自衛隊ダンジョン対策室では、魔法學院の學院長からもたらされた報告に対して議論がわされている。

「例の雙子を自衛隊の予備役に登用するのか……」

「神崎予備役大佐の報告によると、魔に対して途方もない戦力だとあります」

「確かにあの夜の突然の登場の仕方といい、管理事務所に持ち込んだとんでもない魔力を含有する魔石といい、謎めいた経歴であるのは間違いないが……」

「仮に、彼らを戦力として有効に用いることが可能となれば、ダンジョンの攻略は遙かに効率的に進むと考えられる」

「やはり自衛隊が後ろ盾になって、彼らの立場を保証するべきではないだろうか?」

「だが不安がないわけではないぞ! まだ彼らが何をんでいるのか定かではない」

「いきなり自衛隊の組織に組み込むのは、時期尚早ではないでしょうか?」

「だが政権部では、すでに全面バックアップも吝かではないという聲が囁かれているらしい」

「すでに閣調査室が彼らを取り込もうとしていている噂も聞こえてくる」

このような議論が噴出して、対策室の意見は中々まとまらない様相であった。これに業を煮やしたのは、対策室長である岡山陸將補に他ならない。

「下らない意見をいくら並べてもらちが明かない! 彼ら二人は、絶対に自衛隊でれる! これは決定事項だ!」

「し、室長! もうし彼らの様子を観察するべきでは……」

「彼らが魔法學院に編して、すでに1か月が経過している! これ以上観察の必要はない。全て私の責任で予備役自衛として任用する! 神崎予備役大佐の直屬士として、準尉待遇で任用せよ!」

「はっ! 直ちに手配いたします!」

上意下達の自衛隊組織では、上の決定に対してはよほどの正當な理由がない限り反対を申し立てられない。このような過程を経て、室長の決定は対策室全の決定となる。この時點をもって、兄妹の予備役隊が決定されるのであった。

しかも通常ならば一兵卒からスタートするところを全部すっ飛ばして準尉に任命するなど、稀に見る好待遇であるといえる。學院長の発言を重要視しているこの岡山室長としては、他の政府機関に取られる前に何としてでも兄妹を確保しておきたいという思の表れであった。

こうして兄妹は1週間後に伊勢原駐屯地に出頭して、予備役としての隊に関する諸手続きを行うこととなるのだった。

◇◇◇◇◇

所沢にある某警察署には、ダンジョンで若いに暴行したのちに殺害した容疑で聡史に捕らえられた四人の男たちが、日々取り調べをけている。

冒険者をどのような方法で殺害したんだ?」

「・・・・・・」

「行方不明になっているこのたちを、最終的にどうしたかと聞いている。素直に答えるんだ」

「・・・・・・」

取調を殺害した當時の様子を聴取しようとしても、彼らは黙して一切答えようとはしなかった。ボサボサにばしっ放しの金髪に染めた頭でも、ダンジョンで10人以上のを死に至らしめたら、當然極刑が下ることぐらいわかっている。

したがって彼らは、一切答えようとしないで黙しているのだった。そこには罪を悔いて被害者に謝罪しようなどという人間として至極まっとうななど、全くじられなかった。10人以上の人間を死に至らしめてなお、彼らは自らが助かるために事件に関する詳細を黙し続けている。

実は警察としても、彼らから証言を得ないと殺人事件として立件が困難となる事があった。スマホにはを暴行する場面の映像こそ殘されていたのだが、それ以降の記録が何もなかった。つまり、この男たちが行方不明になっているたちを最終的にどうしたかという的な証はどこにもないのだった。

もちろん聡史が彼らから聞き出した証言はあるのだが、剣を突き付けられて脅されたといえば証拠能力を失ってしまう。狀況証拠を固めれば殺人事件として刑事裁判の公判を維持できる可能もあろうが、判決がどのように下されるかは現段階でも不確定要素が多い。この曖昧さを取り除き、裁判で事実を明らかにするためには、犯人たちの自白が欠かせないのであった。

四人は拘置される部屋から連れられて、一人一人別々の取調べ室に通されている。犯行に対する口裏合わせを防止する意味で、各自の接止されているのだった。

そのうち一人の男は、相変わらず太々しい態度で取り調べをけている。狹い部屋にはカギが掛けられて、擔當と記録係の刑事が彼から話を聞いている。冒険者用の特殊な手錠で両手を拘束されたまま、犯人の男は刑事から目をそらして、ピントの合わない眼球でボケっと部屋の壁を見ている。

ピクン!

突然犯人の男がを震わせると、白目を剝いて口から泡を吹きだす。は激しく痙攣したのちに徐々に収まって、それとともに呼吸や心臓の鼓も停止する。

「おい! どうした?! しっかりしろ!」

呼びかける刑事の聲にも、犯人は答えようとはしない。脈拍と呼吸が停止しているでは、どうにも答えようがなかったのだろう。

「救急車だ! すぐに救急車を呼ぶんだ!」

警察署は、取り調べ中の犯人が突然倒れた事件で一時騒然となる。數分後に救急隊員が所り込んで男を病院に運ぶが、搬送先では彼の心肺停止と死亡が確認されるだけであった。

大騒ぎとなっている警察署のつい先ほどまで犯人が取り調べをけていた一室。そのロッカーのには、禍々しいをしたクモがを隠している。

そのクモは誰にも気づかれないうちに署に忍び込んで、取り調べ中の男の足に噛み付いて毒を流し込んでいた。署の人間や救急隊員の誰も気づいてはいないが、犯人が倒れたのは全てこのクモが原因であった。どうもその禍々しい姿からすると、伊豆で兄妹を亡き者にしようと師が放った式神に瓜二つである。

部屋から人の気配がなくなるとクモは壁を伝って窓に這い上がり、わずかに開いた隙間から警察署の外に出ていくのであった。

數時間後、犯人が運ばれた病院の霊安室には親族を名乗る男二名が姿を現して、警察にを早く引き渡すように迫る。すでに検死は終了しており、警察は被疑者死亡で書類を送検する方針を固めていたので、引き渡しに関する書類にサインした男たちは葬儀社の車を手配して、を運び去っていくのだった。

を乗せた葬儀社の車両は、東十條家の所有するとある建へとっていく。男のは幾棟かある建の中の蔵の地下に運ばれていく。この場所には座敷牢が設けられており、過去に幾人もの人間が洗脳やの犠牲となるために幽閉されてきたいわく付きの場所であった。

座敷牢の部に寢かされた犯人の亡骸は、顔の気を失ってまさに死んでいるように見える。

だがその場に一人の師が現れて犯人に掛けた毒のを解呪すると、男の心臓がゆっくりと鼓を開始する。

の中のともいうべき人を仮死狀態にしておいて、あたかも死んだかのように見せるが使用されたのだった。このは非常に汎用が高く、政爭に敗れた分の高い人間を外部に連れ出す際などに度々使用されてきただけに、仮死となっても安全に息を吹き返すように用いる毒に細心の注意が払われているのだった。

やがて、ブハーという大きな息を吐きだすと、犯人のが規則正しく上下し始める。しばらく放置して様子を見ていると、その眼が開いてを起こしては周囲をキョロキョロと伺う素振りを見せる。

「気が付いたようだな」

「だ、誰だ? ここはどこだ?」

「警察から救い出してやったんだから、謝してもらいたいな。しばらくはここにを隠して、ほとぼりが冷めたら外に出してやる」

「は、本當か!」

座敷牢の外から冷たい目で犯人を見下ろしている師は、懐から紙を取り出してそこに描かれている容を見せている。

「お前をこんな目に遭わせたのは、こいつだろう?」

「そうだ! こいつに間違いない!」

その紙には、聡史の寫真がカラーコピーされて映し出されていた。犯人は寫真に向けて憎々しげな視線を送っている。自らの罪を棚に上げて、警察に捕まった件を逆恨みしているのだった。

「こいつを憎め。殺したいほど憎むのだ。憎めば憎むほど、お前の力は増していき、この男に復讐を遂げることが可能となるぞ」

「ほ、本當か! ただでさえこの手で八つ裂きにしてやりたいんだから、憎んで憎んで絶対に復讐してやるぜ!」

男の瞳には、暗い炎が燈るのであった。

犯人が閉じ込められている座敷牢は、風水的に悪い思念や霊が集まりやすい鬼門の方角に設けられている。それだけでなくて、様々な呪符が周囲に張り付けられており、中にいる人間の神の調和をす波が四方から浴びせられているのであった。

このような場所に閉じ込められたら通常の人間は、2日もすれば徐々に神に変調を來してくる。幻覚や幻聴に始まって、現実と妄想の區別が次第に曖昧になってくるのだった。

「ヒヒヒ! 殺してやる! 殺してやる!」

口からだらりと涎を垂らして、時折運ばれる食事を口にもしないで、ひたすら自らの妄執を募らせていく犯人、すでにこの牢に閉じ込められてから5日が経過しており、その目は完全に正気を失っている。

「あと2週間というところか」

犯人の様子を見に來た師が、ぼそりと呟く。その姿が目にっているのか外部から判斷のしようがないが、犯人は薄ら笑いを顔に張り付けたままで、焦點の定まらない目を虛空に向けるのだった。

◇◇◇◇◇

約2週間後、すでに8月にり暑さはまずます厳しさを増していく。セミの聲が木々の間に響いて、夏真っ盛りという日々が続いている。うっかり強い日差しの下でかそうものなら、溫が急上昇してしまいそうな猛暑だ。

7月中からこれまでの間に聡史と桜の兄妹は、自衛隊への隊手続きを終えたり、パ-ティー仲間の訓練をしたり、弟子となった子たちの面倒を見たり、神聖魔法や闇魔法の式を研究したりと、それぞれが課題とする冒険者としての技量を磨くための訓練に取り組んでいた。

息抜きをしたのはあの伊豆への旅行だけという 遊びたい盛りの一般の高校1年生からすれば驚くべき生真面目さで、日々の訓練に汗を流しているのだった。

この日は大山ダンジョンにり込んで、現在6階層を楽々突破して7階層まで降りてきている。

「桜ちゃん! 私は魔法になって悪の結社や悪い魔と戦いたいのに、來る日も來る日もオークばっかり相手にしていますよ! いったいどうなっているんですか?」

「明日香ちゃん! そこは々と大人の事が絡んでくるんですよ! 最近學生食堂ではオークのが好評で、毎日のように納量を増やしてくれって矢のような催促なんですからね!」

「はぁ~…… おかげでいつに間にか一人で簡単にオークを倒せるようになったじゃないですか! 私が目指していく方向から次第に離れていくだけじゃなくって、徐々に普通の人間からもかけ離れていく気がしてしょうがないんですからね!」

「クックック! そうですか! 冒険者たる者、普通の人間には不可能な技の1つや2つは當然ですからね! 明日香ちゃんも徐々に一人前になりつつありますね!」

桜は、人間やめちゃった同盟の仲間が増えてうれしそうにしている。明日香ちゃんの主張通り、有能な冒険者はレベルの上昇とともに強靭なや優れたスキルを手にれて、気づかないうちに次第に一般的な人間から見ると全く別次元の存在になっている場合が多い。

すでに明日香ちゃんのレベルは23まで上昇しており、槍スキルはレベル4となっていた。ついこの間までは鈴の魔法のアシストが必要だったのだが、今では槍を振り回してあっという間にオークを倒してしまう。慣れとは恐ろしいものだ。

「明日香ちゃん! 前からオークが來ますよ! おや、が一回り大きいですからオークジェネラルみたいですね!」

「どっちでも似たようなものです! えいっ!」

「ブモォォォォォ!」

トライデントによって簡単に仕留められたオークジェネラルは、ドロップアイテムの高級を落として消え去っていく。明日香ちゃん、すっかり逞しくなって……

この日は7~8階層を中心にして、オークや他の金目のドロップアイテムを荒稼ぎしたパーティーは、上層に戻ろうと階段を目指す。

學院生が來ない6階層から下は、ほぼ無人で人気(ひとけ)がない。ついでにこの大山ダンジョンは、一般の冒険者から人気(にんき)もない。だからこそ人がいないという悪循環なのだ。

だがこの日に限っては、5階層に上がる階段の前に人の気配がある。

「お兄様! わざわざボス部屋を超えてこんな場所まで降りてくるなんて、好きな方々がいるものですね!」

「俺たちこそ好きの最たるものだろう! それよりも桜! トラブルの種を蒔かないようにするんだぞ」

「お兄様! 心外ですわ! 私は常に売られた喧嘩を買っているだけです! 『いつでも高値で買い取ります!』をキャッチコピーにして、全國展開しようかと考えております」

「日本中から喧嘩を買わなくてもいいんだからな!」

「今ならテレフォンオペレーターを3倍にして、皆様からのご注文にお応えしますわ!」

「どこの通販會社だぁぁ! ジャパネット館(やかた)なのか? 社長自ら商品宣伝かするのかぁぁ!」

相変わらずの兄妹のやり取りであった。だがこの直後に、最悪の形で桜の通販會社の電話が鳴りだすとは、この時點では誰も知らなかった。

ダンジョンの階段に待ちけているのは……? 続きは明日に投稿します。どうぞお楽しみに!

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