《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》61 夏後半の予定
昨日は急用のため投稿をお休みさせていただきました。楽しみにされていた方は、申し訳ありません。
ということで、61話をお屆けいたします。マッタリした容なので、肩の力を抜いてお読みください。
聡史が理事長を屈服させて、桜が東十條家の拠點を急襲した日から1週間が経過した。すでに8月も10日を過ぎて、魔法學院の夏休みは殘りなくなっている。
この日は、いつものように午前中をトレーニングに充てて午後はダンジョンへと向かう予定であったのだが、聡史が學院長から呼び出しをけて不在となったので、急遽ダンジョン行きは中止にして休養となった。主に明日香ちゃんが『たまにはノンビリしましょうよ~!』と強く主張したわがままが、なぜか今日に限って全會一致で認められた結果であった。
特待生寮で休養を取っているのは、桜、鈴、明日香ちゃん、カレンの4人で、食堂からテークアウトしたデザートを囲みながら、和やかな會話が弾んでいる。
ちなみにブルーホライズンの五人は今日も元気にダンジョンに向かっている。彼たちはレベルが10に到達して、聡史の付き添いが無くてもゴブリン相手に堂々と立ちまわれるまでに長していた。ステータス上のレベルが10とか20などといったキリのいい數字に到達すると、各自が所持しているスキルのレベルも上昇する仕組みのようで、渚の気配察知が1から2へ、真のパーティー指揮も同様に1から2へと上昇した結果、1階層であれば余裕をもって探索に臨めるようになったのであった。
あと1、2回聡史が引率して彼たちが複數のゴブリンに適応可能と見極めがついたら、ブルーホライズンは単獨で2階層を探索する予定となっている。學院中の1年生を見渡してみても、まだAクラスの3つのパーティーしか2階層へ降りていないこの時點で、Eクラスの彼たちが単獨で2階層に降りていくのはある意味快挙と言えるだろう。それを可能にするだけの聡史の厳しい訓練に、ブルーホライズンの5人がを張って応えた結果であった。
話はそれたが、現在特待生寮のリビングは滅多に見られないマッタリとした空気に包まれている。主に明日香ちゃんの醸し出す雰囲気に他の3人が流されているのだった、珍しく桜までが普段にはない気を抜いた表でクリームあんみつを口にしている。
「はあぁ~、こうして涼しい場所でノンビリするのもいいですね~」
「たまにはこんな日も必要なんですよ! 毎日気を張っているだけではなくって、時にはリラックスするのも大切なんです!」
桜の主張に他の3人は頷いている。人間張り詰めているばかりでは長続きしないのだ。こうして気を抜ける場所では張を解いて、ゆっくりと過ごす時間が必要だとこの場の全員がじている。
「それにしても、夏休みもあっという間に過ぎていきますね。もう8月も半ばに差し掛かっていますよ」
「そうねぇ…… あと1週間もしたら2學期が始まるわね」
カレンが何気なく口にしたセリフに鈴が相槌を打つ。だがそこに明日香ちゃんの驚きの聲がリビングに広がった。
「ええぇぇぇぇ! 夏休みって、8月いっぱいまでじゃないんですかぁぁぁ?!」
「明日香ちゃん! それは中學校までのお話よ! 魔法學院では、8月の17日から2學期がスタートするの!」
凄いぞ明日香ちゃん! 夏休みですっかり気が緩んで2學期がスタートする日を思いっ切り勘違いしていた。この娘の能天気さは、他者の追隨を許さない圧倒的なレベルだ! 鈴からこの場で教えてもらわなかったら、2學期がスタートしても一人で夏休みを満喫するつもりだったかもしれない。
だがもう1人、そんな事を知らない人がいた。
「そうだったんですか! 私も初めて聞きました! それで、まだ暑いさなかに普通の授業が開始するんですか?」
魔法學院に途中から編した桜も、一年間の授業予定など全く頭にっていなかった。ただしまだ桜の場合は、明日香ちゃんと比較すれば多の弁解の余地は殘る。2週間ほど授業をけてから期末試験が始まりそのまま夏休みとなったのだから、年間予定など頭にれる暇もなかったのだ。
「そうね、桜ちゃんは學時のガイダンスを聞いていないから、知らないのも無理はないわね。この學院では8月の後半から模擬戦週間が始まるのよ!」
「模擬戦週間? なんですか、それは?」
「鈴さん! 私も初めて耳にしました!」
「明日香ちゃんは絶対に知っておくべきじゃないかと思いますが……」
桜同様に、いかにも今初めて聞きましたと言わんばかりの表をしている明日香ちゃんに対して、カレンが控えめなツッコミをれている。だがその程度の可らしいツッコミなど、明日香ちゃんには通じるはずがない。もっと思いっ切りドカーンと正面からカマシてやらないと、明日香ちゃんのお花がいっぱい咲きれる脳には屆かないのだ。
この明日香ちゃんの態度には、さすがに生徒會副會長の立場にある鈴は、どうにかしないといけないといけないと自らの使命のごとくに心に深く念じている。同時に、ここまで無知でよくぞ魔法學院の生徒としてやってこられたものだと、変な部分で心もしているのだった。だがこのままにしておいても埒が明かないので、鈴は明日香ちゃんを含めて納得してもらえるように今一度懇切丁寧な説明を開始する。
「模擬戦週間というのは、文字通り學年の生徒がトーナメント形式で対戦するのよ。魔法部門と近接戦闘部門があって、それぞれにエントリーした生徒がトーナメント表に従って勝ち上がりを目指して対戦していくの!」
「ほほう、それは中々面白そうな催しですわね!」
「ああ、桜ちゃんと聡史君はシード扱いだから、學年トーナメントには參加しないわ。すでに開催要項が生徒會に屆いているの。特待生の二人は、各學年トーナメント上位者による全學年トーナメントから參加するみたいね」
「そうでしたか…… 1年生の他のクラスの皆様を軽くブチノメシテ差し上げようと思ったんですが、ちょっと殘念ですわ。まあその分は2、3年生をブッ飛ばしますから、最終的な帳は合うでしょう」
桜が騒な発言をしている。上級生を相手にしてレベル600オーバーの底力を見せつけてやろうかと考えているのだ。本気とまではいかなくとも、ある程度の力はこの際見せておこうという魂膽をめている。どうか模擬戦で死者だけは出してもらいたくないものだ。
両眼に危険極まりないを湛えている桜とは別に、こちらは極めてお気楽な表の明日香ちゃんが口を開く。
「トーナメントというからには、クジ運が大切ですよね! できれば同じクラスの人と対戦したいです!」
確かに楽な相手と戦いたいというのは、誰にも共通する気持ちであろう。殊に何事も楽をしたがる明日香ちゃんにとっては、切実な思いであるのは言うまでもない。だが鈴は、殘念そうに首を振る。
「もうトーナメント表は出來上がっているから、あとはそこにエントリーする人の名前を當て嵌めていくだけなの。今回の模擬戦には期末試験の績を反映する時間が足りなかったから、學試験の績を元にして決定されるわ。つまり、試順位1位と200位が一回戦で當たるのね」
「むむ? 試順位の1位とは、いったいどなたですか?」
「Aクラスの勇者ね」
「200位とは…… ああ、この場にいますね!」
桜の指摘通り、その視線の先で暢気にフルーツパフェを食べている人こそが話題の200位であった。ついついパフェに夢中になって今の會話をまるっきり聞いていなかった明日香ちゃん、だが桜の視線に何かに気が付いたのか、つと顔を上げる。
「あれ? 桜ちゃん? 私の顔に何かついていますか?」
「明日香ちゃんの対戦相手は、すでに決定しているようですの!」
「ええぇぇぇ! クジ引きもやらせてもらえないんですかぁぁぁ!」
この場の話の流れくらいは、しっかり頭にれていろ! ちょっとだけ殘っていたフルーツパフェに気を取られて、ついついうわの空になっていた自分自を深く反省してもらいたい。
「明日香ちゃんは、魔法スキルが無いので近接戦闘部門しかエントリーできませんの。ということで明日香ちゃんの一回戦の相手は、Aクラスの勇者ということで決定しましたぁ!」
「ええぇぇぇぇぇ! ゆ、勇者ですかぁぁぁぁ! ところで、勇者って誰ですか? もしかして廚2病を患った気の毒な人だったりして!」
ズコーン! …と全員が揃ってコケた。を知らないにもほどがあり過ぎ! 明日香ちゃんは勇者の存在すら知らなかったのだった。ついこの間、ダンジョンで顔を合わせたにも拘らず、勇者と鈴の遣り取りなどすっかり忘れている。一どういう世界にこれまで生きていたのか不思議でならない。どうやら明日香ちゃんにとっては、勇者との対戦よりもクジ引きが出來ないということのほうがより大きな問題らしい。
「あ、明日香ちゃん! よく今まで學院生としてやって來られましたね。ある意味凄いですわ!」
「えへへ、桜ちゃん! そんなに褒められても困りますよぉ~!」
「褒めているじゃないですぅぅぅ! もうちょっと常識をに付けろと言っているんですぅぅぅ!」
リビングを埋め盡くす桜の盛大なツッコミが鳴り響いても、明日香ちゃんはキョトンとしたままだ。これはどうにも大の片鱗を予させずにはいられない。
ひとまず明日香ちゃんは橫に置いといて、話題は鈴とカレンへと移る。
「鈴ちゃんは、魔法部門にエントリーするんですか?」
「そうね、戦闘訓練をしていないから、魔法で頑張るしかないわね」
「まあ、鈴ちゃんの実力でしたら、楽々勝ち抜けるでしょう。カレンさんはどうするんですか?」
「神聖魔法はまだ封印してあるので、棒でエントリーしようと思っています!」
「それはいいですね! 現在の棒スキルはどうなっていますか?」
「ついこの間ランク2になりました!」
「でしたら十分に戦えますね! それでは各自トーナメントを勝ち抜く覚悟で、明日から対人戦の訓練を強化しましょう!」
「「ええぇぇぇぇ! これ以上強化されると本當に死にますぅぅ!」」
明日香ちゃんとカレンの一糸れぬハーモニーがリビングに響く。本當にこれ以上桜からシゴかれたら、命がいくつあっても足りないとじている今日この頃であった。
すると、ここで桜が何かに気が付いたような表になる。一何だろうか
「鈴ちゃん! このトーナメントに優勝すると、何か特典があるのでしょうか?」
「もちろん績の參考とされるし、上位にれば八校戦の出場機會が得られるわ」
「ああ! 八高線ですか! 小學校の時に飯能までピクニックに出掛けましたね!」
「そうそう、桜ちゃんが電車の中ではしゃぎっぱなしで…… って、違ぁぁぁぁぁう! 八校戦よ! 八・校・戦! 全國にある8つの魔法學院の対抗戦が10月に予定されているの! 各校がプライドを懸けて々な競技にシノギを削るのよ!」
「ほほう、それは面白そうですねぇ! もしかして全國的に注目を集めるんですか」
「冒険者を目指す人たちとか、若い戦力をスカウトしたい既存の冒険者パーティーからは注目されているわね。甲子園のようなテレビ中継はないけど」
「それはちょっと殘念ですわ! 私の華麗な戦いぶりが全國ネットで放送されないんですか」
「いや、全國放送なんかしたら、桜ちゃんの登場シーンは全部モザイクが掛けられるでしょうね。衝撃的過ぎて、一般視聴者には見せられないから!」
「私は18ですのぉぉぉぉぉ?!」
今度は、納得がいかない満載の表に満ちた桜のびがリビングに響き渡るのであった。
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