《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》64 模擬戦週間開幕!
ついにトーナメントが開幕……
想をお寄せいただいて、ありがとうございました
出場決定戦が終わると、桜がその足で対戦者の控室へと向かう。本當は明日香ちゃんの防の著を手伝うはずであったが、それはカレンに任せて千里の控室へとっていった。
ガランとした控室にはタオルで顔を覆った千里が、未だ防を外さないままにベンチに座っている。こちらに背を向けているので、桜がそっと部屋にってきたことに気付いていないようだ。
「千里ちゃん、おじゃましますよ」
「えっ!」
桜が後ろから聲を掛けると、彼はビクッとして振り返った。タオルで覆った顔は半分以上隠れていて良く見えないが、目だけが真っ赤になっている様子が窺える。
「今回は殘念でしたね」
「えっ…… は、はい」
言葉なに千里は答えるだけだ。右手でタオルを抑えているのは、まだ涙が止まらない顔を見られたくなのであろう。
「どなたか防の著を手伝ってくれる人はいないんですか?」
「それが、夏休み中にパーティーが解散してしまって、気軽に頼める人がいなくって……」
どうやら試合前の防の裝著も、千里は一人で行っていたようだ。このままでは話がしにくいので、桜が手伝って防を外していく。重たい裝備を全てぎ捨ると、千里はようやく落ち著きを取り戻した。
「桜ちゃん、ありがとうございました。まさか來てくれるとは思っていませんでした」
「たまたま試合を見ていましたから。ところで、千里ちゃんは今どのパーティーにも所屬していないんですか?」
「はい、このままではダンジョンにれないので、早くどこかのパーティーにりたいと思っているんですが……」
桜の表は、これはもうシメたものというホクホク顔だ。今なら簡単に話が進みそうな予をじている。
「試合を見ていて私のお兄様が、『千里ちゃんは魔法に向いているんじゃないか』と言っているんですよ! もしよかったら、お兄様と一緒に魔法の練習をしてみませんか?」
「わ、私がですか? 魔法なんて、全然できないですよ?」
「まだ才能が目覚めていないだけですよ! お兄様ならきっと千里ちゃんの隠れた才能を引き出してくれますから!」
「本當ですか! どうかお願いします! 私はこのままじゃダメなんです!」
千里の落ち込んでいた気持ちが、桜の申し出にすっかり立ち直っている。こうして千里は、桜の勧にノセられて魔法の訓練を開始することになるのだった。
◇◇◇◇◇
晝食を終えると、模擬戦週間の開會式が始まる。すでに各學年は會場となる演習場にスタンバイして、モニターに映し出される副學院長の挨拶や生徒會長の宣誓などを眺めている。
もっともこれらの形式的なセレモニーはほぼ全員が上の空で聞いているだけで、生徒の注目はこれから始まる模擬戦の勝敗がどうなるかに集まっている。
ここ第3訓練場では、これから開始されるオープニングマッチの高揚が次第に高まりつつある。殊にこれからオープニングマッチを飾る勇者は、誰にとっても気になる存在であった。
「勇者が戦う場面なんて、実際に目にするのは初めてだな」
「きっと相手を瞬殺するだろう」
「どのくらい強いのか、俺たちでは見當もつかないよな」
このように、話題の中心はもっぱらこれから登場する勇者であった。他のクラスの生徒にとって実際のところ勇者がどの程度の力を持っているのかを詳しく知らないだけに、こうして彼らの関心の的となっている。自分たちと比較して勇者の力はどのようなものかなどといった話題が、観客席のそこかしこで花を咲かせている。
當然、この第1試合で勇者と対戦する明日香ちゃんに関して話題にする生徒は一人もいなかった。學年ビリの存在など端からいないも同然であった。
その明日香ちゃんは、現在控室で決定戦の時と同様に、桜に手伝ってもらって防を裝著している最中だ。
「桜ちゃん! ちょっとお腹の辺りがキツいような気がします!」
「お晝を食べすぎただけです! そもそも普段から使っているプロテクターじゃないですか!」
「おかしいですねぇ… そんなに食べていないのに」
「大盛りパスタとサラダ、スープ、デザート…… しっかり食べていますよね!」
「記憶にありません!」
キッパリと言い切る明日香ちゃんであった。本日も自覚癥狀なし……
「明日香ちゃん! それよりも、相手はそこそこ強いみたいですから、気を緩めないでしっかりと戦ってくださいね!」
「はい、しっかりと負けたいと思っています!」
「最初から負ける気かぁぁぁ!」
「だって、こんな模擬戦なんて、勝ってもお小遣いがってくるわけじゃないし…… 適當にやって負けておけばいいんですよ!」
「もう何も言いませんから、好きなようにやってきてください!」
さすがの桜も、匙を投げている。目の前にご褒がぶら下がらないと、一切ヤル気を見せない明日香ちゃんであった。ダンジョンで頑張ってオークを倒しているのは、ドロップアイテムの代金でお小遣いがるから…… ただそれだけの理由に他ならない。
「どうせすぐに負けて終わりますから、桜ちゃんはここで待っていてもらえますか?」
「いいですよ。ここから応援しています」
こうして、試合時間となった明日香ちゃんは槍を手にして控え室を出ていくのであった。
◇◇◇◇◇
「それでは第1試合開始です」
訓練場に流れるアナウンスにスタンドが一斉に湧き上がる。100人を超える目が、青い場口から登場してきた勇者に注がれている。プロテクターやヘルメットなどは他の參加者と同一であるが、勇者のから発散される雰囲気は観衆の目を引き付ける獨特のものがある。
対して、反対側から登場した明日香ちゃんには、誰も注目しない。
「Aクラス、浜川茂樹対Eクラス二宮明日香の対戦です」
場に両者が紹介されると、審判を務める教員から雙方に注意が行われる。いよいよ始まるオープニングマッチを、観衆は固唾を飲んで見つめる。この模擬戦は、どちらかが戦闘不能となるか、ギブアップによって勝敗が決まる。15分の制限時間に勝敗がつかない場合は、ランキング上位の者がトーナメントを勝ち上がる仕組みだ。
「試合開始!」
審判の合図とともに、いよいよトーナメント1回戦が開幕を告げる。果たして勇者がどのように相手を片付けるかと注目している生徒たちは、息をのんでそのきに注目する。
模擬戦が開始された直後の浜川茂樹は、手にする剣を中段に構えて余裕の表でどのように攻めるか考えていた。
(相手が手にするのは槍か… どのみちEクラスだから、軽く仕留められるだろう)
対して明日香ちゃんは、まったく別の事を考えている
(はあ~、早く負けて終わりにしたいですよねぇ。適當に相手をして、痛くないように負けましょう!)
つまらない模擬戦などさっさと終わりにしたいという気持ちがますます募っているのだった。こうして大勢が見守っているのだから、ちょっとぐらいはいい格好をしたいとは考えないものだろうか?
そうこうしているうちに、勇者がき出す。剣を上段に振りかぶって、一直線に明日香ちゃんに向かって踏み込んでいく。
「えいっ!」
ところが、小さな掛け聲とともに勇者の目の前に明日香ちゃんの槍の先端が鋭く突き出された。この予想外の一突きに、勇者は慌てて剣を振り下ろして対処する。だが、そのきすら最初から読んでいたかのように、明日香ちゃんは槍を引いて勇者の剣に空を切らせると、再びの正面に向けて槍を突き出していく。
明日香ちゃんとしては、気持ちは負けたいのだがが勝手にいてしまっている。あれだけ桜に毎日鍛えられた槍の腕は、すでに自的に反してしまうレベルまで高められているのであった。
「なんだとっ!」
新たに突き出された槍の穂先を、勇者はを捻って辛うじて回避する。気持ちを靜めるために一旦距離を置くと、戦前の『簡単な相手』という予想を覆して、手足の如く槍を扱う相手を見つめる。
(なぜだ? Eクラスのそれも最下位相手に、なぜ俺がこんなに手古摺るんだ?)
勇者の頭に疑問が湧き上がる。彼は何が何だかわからずに、絶賛混の最中にあった。
それは何も勇者だけではない。スタンドで観戦している生徒全員があっという間に決著がつくものと思っていただけに、勇者の方から間合いを取ったこのきは改めて意外に映っている。
「おい、勇者っていうのは、実は大して強くないのか?」
「なんだか手古摺っているように見えるけど、本當に大丈夫なんだろうか?」
徐々にこのようなざわめきが、生徒の口々に上り始めていく。それだけのインパクトを、明日香ちゃんの槍捌きが彼らにもたらしていた。
だが、一人だけこの様子を見ながら『うんうん』と頷いている人間がいる。控え室のモニターで試合を見ている桜であった。
「あの程度の踏み込みでは、明日香ちゃんの槍の前ではいいカモですわね!」
腕組みをしながら余裕の表でモニターを眺める姿は、明日香ちゃんの勝利を信じて疑わない様子であった。
距離を取ってから大きく深呼吸した勇者は、再び剣を構えてジリジリと前に踏み出していく。今度は大振りをせずに小刻みに剣をかして槍の穂先を躱した後に、その懐に飛び込んでいこうという策に出たようだ。
対する明日香ちゃんは……
(まったく! 早く來てくれないと、負けられないじゃないですか! いつでも負ける用意はできていますから、ガンガン掛かってきてください!)
相変わらず負けることを前提に試合を行っているのだった。
勇者が徐々に前進して剣先と槍の穂先がれ合う距離となる。
キン!
勇者が槍を払い除けようとして剣を橫に振るう。そのまま明日香ちゃんの元に飛び込もうと、一歩踏み込んだその時……
「グワッ!」
勇者のが、斜め後方に吹き飛ばされた。
明日香ちゃんは橫方向に弾かれた槍のきに逆らわずに穂先を流すと、を開いて右方向に移する。勇者の剣の切っ先を避けるようにして位置を変えてから、そのまま大きく自分から歩を進める。こうして素早く角度を変えて斜め右方向から槍を思いっ切り橫薙ぎに振るったのであった。
このきは、オークを壁に叩き付ける際に用いるすでに何十回も実戦で繰り返している槍捌きだけあって、実に板についたものだ。逆に200キロのオークを転がす威力の橫薙ぎをまともに食らった勇者は、堪ったものではなかった。
勇者が地面に転がされるという予想外の展開に、會場は靜まり返っている。試合を見ているほぼ全ての生徒には、この場で何が起きているのか理解できなかった。
だが、タネを明かすとこれは偶然でもなんでもない。
明日香ちゃんのレベルは23で槍スキルレベル4に対して、勇者はレベル13で剣スキルレベル3であった。初期數値では勇者が大きく上回っているものの、レベルにして10の開きがあると到底敵うものではない。力の數値で比較しても明日香ちゃんは100に達しているのに対して、勇者は80前後に留まっている。
つまり、桜が調子に乗って明日香ちゃんを鍛えすぎた結果がこれであった。學年最弱の存在であった明日香ちゃんは、いつの間にか特待生の二人を除くと學年最強の存在に鍛えられていたのだ。そもそもトライデントのアシストがあるにせよ、オークジェネラルを一人で倒せるのは一般生徒の中では明日香ちゃんしかいないのだ。
ただし、本人に全く自覚がない點は、中々困ったものである。その明日香ちゃんは、槍の一振りで勇者を吹き飛ばしたことに、大きく戸っているのだった。
(困りましたねぇ… あんな力を抜いた攻撃で飛ばされているようでは、どうやって負ければいいのか分からないじゃないですか!)
自由な時間がしくて、どうしても負けたい明日香ちゃん…… だがそろそろ諦める時が來たようだ。
(勇者なんて自分から名乗るような廚2病の人は、きっと弱いんですよね! しょうがないから次の対戦で負けるようにしましょうか)
相変わらずその勘違い振りは留まるところを知らない。対する勇者はと言えば……
「スキル〔不屈〕発!」
スキルまで用いて勇者は何とか立ち上がる。その顔はこれ以上ない程の屈辱に塗れており、どうしても相手を叩きのめさなくては腹の蟲が収まらないという表に変わっている。
地面に叩き付けられた衝撃であちこちを打撲して、ようやく立ち上がった勇者が剣を構える。どこかに相手の隙がないかと探る目を向けるが、そんな時間の余裕を明日香ちゃんが與えなかった。
「それじゃあ、いきますよ~!」
初めて積極的に明日香ちゃんからき出す。軽くフェイントを掛けて勇者の剣を右側に釣り出すと、その剣を槍の穂先で斜め下から思いっ切りひっぱたく。たったそれだけで勇者の手から剣が放り出されていった。すでにその一撃で、勇者の手は痺れて最早使いにはならなくなっている。一見軽く放ったようでも、レベル23の一撃ともなると、勇者には大きなダメージを與えているのだった。
ついには、明日香ちゃんの槍が勇者の元に突き付けられる。
「それまでぇぇ! 勝者、赤!」
審判の聲でオープニングマッチは終了した。勇者はこの結果がけれがたくて、拳を握りしめて小刻みに震えている。最下位に負けたというのは勇者として、またAクラスのトップとして簡単にはけれられないのであろう。
最弱が最強を負かした! このとんでもない番狂わせに、スタンドからは一切聲が上がらない。誰もがその信じられない瞬間を目撃して、何を言っていいのか分からなかった。
そんなシーンとしたフィールドで、一禮した明日香ちゃんはスタスタと控え室へと戻っていく。その表は、予定通りに負けられなかったことに対して大きく憤慨している。なんでこうなるんだろうと、納得いかない顔で控え室へと戻る。
「明日香ちゃん! 予想通りに圧勝でしたね!」
「桜ちゃん! あの廚2病の人は全然ダメです! 負けたかったのに、負ける方法が全然わからなかったです!」
「だから、『廚2病の人』なんて口にしたら、華麗なるブーメランが突き刺さりますよ」
「えっ! どういう意味ですか?」
最後まで訳が分からない明日香ちゃん、こんな人に負けたと知ったら、勇者は泣くに泣けないであろう。
ともあれこうして、トーナメントは本格的に開始されるのであった。
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。この続きは金曜日に投稿します。
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8 176 - 連載中17 章
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8 155 - 連載中20 章
クリフエッジシリーズ第四部:「激闘! ラスール軍港」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一八年九月。 自由星系國家連合のヤシマに対して行われたゾンファ共和國の軍事行動は、アルビオン王國により失敗に終わった。クリフォードは砲艦の畫期的な運用方法を提案し、更に自らも戦場で活躍する。 しかし、彼が指揮する砲艦レディバードは會戦の最終盤、敵駆逐艦との激しい戦闘で大きな損傷を受け沈んだ。彼と乗組員たちは喪失感を味わいながらも、大きな達成感を胸にキャメロット星系に帰還する。 レディバードでの奮闘に対し、再び殊勲十字勲章を受勲したクリフォードは中佐に昇進し、新たな指揮艦を與えられた。 それは軽巡航艦デューク・オブ・エジンバラ5號(DOE5)だった。しかし、DOE5はただの軽巡航艦ではなかった。彼女はアルビオン王室専用艦であり、次期國王、エドワード王太子が乗る特別な艦だったのだ。 エドワードは王國軍の慰問のため飛び回る。その行き先は國內に留まらず、自由星系國家連合の國々も含まれていた。 しかし、そこには第三の大國スヴァローグ帝國の手が伸びていた……。 王太子専用艦の艦長になったクリフォードの活躍をお楽しみください。 クリフォード・C・コリングウッド:中佐、DOE5艦長、25歳 ハーバート・リーコック:少佐、同航法長、34歳 クリスティーナ・オハラ:大尉、同情報士、27歳 アルバート・パターソン:宙兵隊大尉、同宙兵隊隊長、26歳 ヒューイ・モリス:兵長、同艦長室従卒、38歳 サミュエル・ラングフォード:大尉、後に少佐、26歳 エドワード:王太子、37歳 レオナルド・マクレーン:元宙兵隊大佐、侍従武官、45歳 セオドール・パレンバーグ:王太子秘書官、37歳 カルロス・リックマン:中佐、強襲揚陸艦ロセスベイ艦長、37歳 シャーリーン・コベット:少佐、駆逐艦シレイピス艦長、36歳 イライザ・ラブレース:少佐、駆逐艦シャーク艦長、34歳 ヘレン・カルペッパー:少佐、駆逐艦スウィフト艦長、34歳 スヴァローグ帝國: アレクサンドル二十二世:スヴァローグ帝國皇帝、45歳 セルゲイ・アルダーノフ:少將、帝國外交団代表、34歳 ニカ・ドゥルノヴォ:大佐、軽巡航艦シポーラ艦長、39歳 シャーリア法國: サイード・スライマーン:少佐、ラスール軍港管制擔當官、35歳 ハキーム・ウスマーン:導師、52歳 アフマド・イルハーム:大將、ハディス要塞司令官、53歳
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仏舎利塔と青い手毬花
田舎ではないが、発展から取り殘された地方の街。 誰しもが口にしないキャンプ場での出來事。 同級生たちは忘れていなかった。 忘れてしまった者たちに、忘れられた者が現実に向って牙をむく。 不可解な同窓會。會場で語られる事実。そして、大量の不可解な死。 同級生だけではない。因果を紡いだ者たちが全員が思い出すまで、野に放たれた牙は止まらない。 ただ、自分を見つけてくれることを願っている。自分は”ここ”に居るのだと叫んでいる。誰に屆くでもない叫び聲。 そして、ただ1人の友人の娘に手紙を託すのだった。 手紙が全ての真実をさらけ出す時、本當の復讐が始まる。
8 124 - 連載中4 章
ヤンデレ彼女日記
高校一年の夏休み前のある日、清楚で成績上位で可愛くて評判な同級生に告られた市川達也。(いちかわたつや)すぐさまOKしたが、彼女はヤバイ人だった…。
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