《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》70 全學年トーナメント 2

短めですが、本日2話目です。

明日香ちゃんファイナル?

トーナメントは順調に進行して、1回戦第3試合でカレンが登場する。

フィールドに姿を現すカレンを目にした1年Eクラスのどスケベ男子たちは、大盛り上がりでカレンを応援している。プロテクター越しにもクッキリと盛り上がっているプルンプルンを見るために、アホの一人は小遣いをはたいて雙眼鏡まで購していた。モテない男たちのオッパイに懸ける執念は、いよいよ止まる所を知らなくなっている。一刻も早く真人間に立ち返ってもらいたい! なんだったら然るべき場所で、お薬を多めに処方してもらってくるがいい!

カレンの相手は3年生のベスト4にった男子生徒であった。彼はステータスレベル17で、剣スキルレベル3を所持している。力面ではカレンとほぼ互角で、技面では棒スキルレベル2のカレンを上回る存在であった。

「試合開始ぃぃ!」

カレンはモテない男子生徒の熱狂的な聲援を背に上半をプルンプルンさせながら健闘するものの、技の差から次第に追い詰められて、最後は橫合いから剣を突き付けられて敗退する。

「勝者、青!」

互いに禮をすると、カレンは聲援を送ってくれたスタンドにペコリと頭を下げてから控室に戻っていく。その表には、今回はやり殘したことはないという清々しい笑顔を湛えていた。

だがカレンのこの態度を巡って、Eクラスのモテない男たちの間では毎度お馴染みの騒発する。

「カレンさんが俺に向かって挨拶をしてくれたぁぁぁぁ!」

「カレンさんがテメーなんぞに挨拶なんかするもんかぁぁ! あれは俺に向かってだぁぁ!」

「鏡を見てからほざきやがれぇぇ! そんなゴキブリ顔にカレンさんが頭を下げるかぁぁ!」

「なんだとぉぉ! テメーこそイエダニ顔だろうがぁぁぁ!」

今回は害蟲同士の罵り合いがスタートしている。一刻も早く駆除されてしまえ! この場でバルサンを焚いてやろうか!

バカたちは橫に置いて、一つ空いた第5試合は明日香ちゃんの登場であった。槍を手にして、いつものようにヤル気のない態度で赤い場口から姿を現す。

(せっかく模擬戦が終わったと思ったら、また変なトーナメントが始まってしまいましたよ~! さっさと負けてお休みしたいです!)

まあ大いつもの調子であった。ここまで來たらもう諦めて、ちょっとくらいやる気を出してもいいだろうに、何とか口実をつけてはサボりたい明日香ちゃん…… お願いだから、もうちょっと頑張ろうよ!

そしてやや遅れて、対戦する近藤勇人が場口から出てくる。その姿を見た明日香ちゃんといえば……

(ひょえ~! 大きな人が來ましたよ~! あんな人が振るう剣に當たったら、絶対痛そうですぅぅ!)

長190近く、重も100キロオーバーの勇人の格を目の當たりにした明日香ちゃんがビビるのは無理もなかった。常日頃からもっと大きなオークを見慣れているだろうに、相変わらずビビりな格は健在だ。

「試合開始ぃぃ!」

審判の手が振り下ろされて、明日香ちゃん対近藤勇人の対戦が幕を開ける。

剣を正眼にドッシリ構える勇人はステータスレベル19で、剣スキルはレベル4… 大元の初期數値が最初から高い勇人とゴミ數値の明日香ちゃんでは、ステータス上のレベル差はないも同然であった。

つまり明日香ちゃんは、トーナメントが始まってようやく互角の実力を持つ相手と戦うのだった。殊に勇人は先日単獨でオークを討伐して勢いに乗っている。対する明日香ちゃんはオークジェネラルを倒しているとはいえ、それはあくまでもトライデントのアシストがあってこそであった。

ということは、この対戦はどちらに勝敗が転ぶか全くわからない。

「1年生とはいえ、勝負にけは掛けないぞ!」

勇人の目は、相手が元最弱子などとは全く見ていない。明日香ちゃんの構えを見て、ここまで登ってくるに相當する実力が伴っていると看破している。

「いくぞ!」

剛腕から繰り出される橫薙ぎが明日香ちゃんの槍に向かっていく。

(これは絶対に當たったら痛いやつですぅぅ!)

痛いのが嫌いな明日香ちゃんは、懸命に応戦する。

ズズーン!

金屬同士がぶつかり合ったとは思えないような重低音がフィールドに響き渡る。勇人の剛腕を明日香ちゃんの細腕がけ止めている景に、スタンドの生徒全員が息を飲んでいる。

そこから一気に両者の打ち合いがヒートアップしていく。勇人が先制して明日香ちゃんがけ止める展開が延々と繰り返される。

「見事だな! 俺の剣をここまで止める人間に出會ったことはなかったぞ!」

「痛いのはイヤなんですぅぅ!」

上段には下段から、橫薙ぎには橫薙ぎで、袈裟斬りには斜め下から払う如くに、勇人と明日香ちゃんの限界まで引き絞られた技の応酬が続く。

(これは中々…… 外見では判斷できない使い手だな)

(桜ちゃんよりはまだマシですが、対応するのが一杯ですぅ!)

繰り広げられる剣と槍の攻防は、見ている者を思わず引き込んでしまうほどの高度な技の數々だ。槍を跳ね飛ばそうとする勇人に対して、その豪剣をけ止めては撥ね返していく明日香ちゃん。まさに火花が飛び散る熱戦が、フィールド上で繰り広げられていく。

両者とも無限に力が続くが如くに、開始時點と全く変わらない様子で剣と槍を振るい続ける。元々勇人はストイックに剣の道を追求してきただけに、高々15分間の戦いでスタミナ切れなど起こさないように鍛えている。

対する明日香ちゃんは桜によって魔改造されており、延々とスタミナが続くように質そのものが本から改善されていた。

誰もがまだまだこの戦いを見ていたいとじている。だがトーナメント史上屈指の好勝負は、突然終焉を迎えた。

「そこまでぇぇ! 時間切れで、両者引き分けぇぇ!」

観衆を夢中にさせる二人の打ち合いは、さながら時間の経過を忘れさせるが如く、あっという間に15分が経過していたのだ。

雙方が開始戦まで戻って一禮する。會場からは稀に見る好勝負に萬雷の拍手が送られている。その中で、勇人が明日香ちゃんに歩み寄っていく。

「1年生とは思えないいい腕だ。先々を楽しみにしているぞ!」

「は、はい! ありがとうございました!」

互いに握手をわして控室へと戻っていく。あれだけヤル気がなかった明日香ちゃんも、この一戦にちょっとした満足を味わっているのだった。

その時、場にアナウンスが響く。

「ただいまの第5試合は引き分けに終わりましたので、規定によりランキング上位の近藤選手がトーナメント2回戦に進出します」

それを聞いた會場からは大ブーイングが沸き起こる。その大半は、3年生最強の近藤勇人を相手にして真っ向勝負で引き分けた明日香ちゃんの試合をもっと見たいという抗議の意思表明だった。

同時にアナウンスが耳にった明日香ちゃんの足が止まる。

(ちょっと待ってくださいね! 引き分けの時はランキング上位が勝ち上がる規定? ということはもしかして、私が初戦で引き分けに持ち込んでいれば、そこで模擬戦はお仕舞だった……)

そこに気が付いた瞬間、明日香ちゃんのから力が抜けてフィールドに崩れ落ちる。

(しまったぁぁぁぁ! なんでルールをよく見ていなかったんでしょうかぁぁ! 知っていれば、初戦で引き分けて終わりだったのにぃぃぃ!)

悔やんでも悔やみきれない表で、明日香ちゃんの手がフィールドの芝生を叩いている。ここまで勝ち殘らずに楽しい自由時間を得るには、何も負ける必要はなかったのだ。ちょっと手を抜いて引き分けにすれば、明日香ちゃんの模擬戦はそこで終わっていた。

これは明日香ちゃん本人にしては、あまりに痛恨の大慘事であった。

だがスタンドから観戦している生徒は、こんな明日香ちゃんのどうでもいい個人的な事など知らない。芝生を叩いて悔しがる(ように見える)明日香ちゃんに対して、あちこちから激勵の聲が上がる。

「いい試合だったぞ! を張るんだぁ!」

「別の機會にリベンジするんだぞぉ!」

「まだまだ先があるから、気を落とすんじゃないぞぉ!」

その激勵に合わせて、明日香ちゃんに対して一段と大きな拍手の渦がスタンド全に広がっていく。

一人、フィールドに膝をついている明日香ちゃんだけは……

(そうじゃないんですぅぅ! 引き分けが悔しいんじゃなくって、初戦から引き分けにしなかったのが悔しいんですぅぅ!)

拍手の中でただ一人、心の中にやるせない思いを抱えて蹲っている。そんな明日香ちゃんを見かねて、ちょうど手が空いていた桜と聡史がフィールドに出て彼を両側から抱えて控室に戻っていった。

明日香ちゃんの姿が控室に消えるまで、勘違いしたスタンドの大きな拍手は鳴り止むことはなかった。

最後までお付き合いいただいてありがとうございました。この続きは水曜日に投稿します。

本日の順位は30位臺… もうちょっと浮上したいところであります! 今後ともネジリ鉢巻きで執筆してまいりますので、どうか皆様ご支援をよろしくお願いします。

ということで皆様にいつものお願いです。ランキング浮上のために、どうか以下の點にご協力ください!

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