《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》74 6階層
久しぶりのダンジョンへ……
模擬戦週間が終わると土日を挾む。
聡史たちは、土曜の午前中をのきを取り戻すための訓練に充てている。模擬戦週間中に空き時間で各自が訓練を行っていたのだが、こうして全員がまとまってをかすのは久しぶりであった。
聡史の周囲にはブルーホライズンが集まって何やら騒いでいる。
「師匠! 模擬戦で2勝したから、約束のデートを果たしてもらいたいっス!」
「おいおい、晴! あれは冗談じゃなかったのか?」
「師匠! もしかして私たちの必死の頑張りを、冗談で済ませる気ですかぁぁ!」
トーナメントで2勝を挙げた晴が、聡史の冗談で済まそうとする態度に頬を膨らませている。それはそうだろう! 彼たちは五人とも聡史とのデートを目指して歯を食い縛って模擬戦を戦ったのだから。
さすがに聡史も、晴にここまで言われると弱い。きちんとデートの約束をしたわけではないのだが、彼たちが戦う姿を見ていたら、ちょっとぐらいならご褒をあげてもいいかな… などと考えてしまう。
「わかったから! 晴が頑張ったご褒に、どこかに出掛けよう!」
「やったぜー! みんな! 全員で師匠とデートだぁぁぁ!」
「「「「やったー!」」」」
メンバー全員が、聡史の返事に飛び上がって大喜びをしている。だがこの反応に、聡史は頭の中に湧き起こってきた疑問をぶつける。
「なんで全員が喜んでいるんだ?」
「師匠! 一人も五人も一緒ですから、全員デートに連れて行ってください!」
「待て待て待て! 五人も一緒にどうやって連れて行くんだよ?」
「そこは師匠の腕に見せどころです! 私たちをエスコートしてください!」
子とまともにデートした経験などない聡史に、五人はとんでもなくハードルが高い無理難題を押し付けてくる。途方に暮れる聡史……
だが、そこで真が常識的な提案を出してくる。
「私たちもどこに行きたいか意見をまとめますから、師匠と一緒に相談しながら決めましょう!」
「そ、そうだな。うん、みんなも積極的に意見を出して、どこに行きたいのか決めてくれると助かる」
ホッとした表を向ける聡史、だがブルーホライズンの攻勢はここで終わるはずがない。
「それじゃあ、私たちのお禮の気持ちを師匠に示そうぜ!」
「「「「おお!」」」」
五人が一斉に聡史のにまとわりつく。真と絵が左右の腕に抱き著いて、晴とほのかが二人での正面に抱き著いてくる。さらに渚は背中から聡史にしがみついて、聡史は五人から盛大なお禮をけ取っている狀態だ。
ブルーホライズンは五人揃っていつまでも離れる気配がない。こんなことをしていれば、當然周囲の目に留まる。
「な、な、な、なんですかぁぁ! 聡史さんはなんで五人に取り囲まれているんですかぁぁぁ!」
ちょうどこれから渚と絵の相手をしようと用の棒の棒を素振りしていたカレンは、その景に珍しく転した大聲をあげている。もちろん背中からは撲殺天使のスタンドがヌ~ッと湧き上がる。
「むむ! これはもしかしたら、全國の視聴者の皆さんが喜びそうな、ゴシップネタでしょうか?!」
明日香ちゃんは好奇心アンテナが電波をキャッチした模様で、背後からレポータースタンドを浮かび上がらせては、マイクを手にするで聡史に向かって突進していく。
「お兄さん! 今のお気持ちをどうぞ! 何か一言お願いします!」
「言えるかぁぁぁl!」
「気持ちいいんですね! の子たちの囲まれて極楽なんですね!」
「それどころではないからぁぁ!」
明日香ちゃんのによって騒ぎが大きくなると、グランドの反対側で訓練をしているモテない男子たちがその様子に気付く。
「なんで聡史がぁぁぁ!」
「特権か?! トーナメントで決勝まで進んだ特権なのかぁぁ!」
「いつか必ず制裁を!」
「制裁を!」
「の制裁こそが、我らのむ道!」
「「「「「「制裁だぁぁぁ!」」」」」
藁人形と五寸釘を取り出す者が続出している。背後からどす黒いオーラを吹き出しながら、の涙を流して聡史を見つめるモテない男たちであった。
◇◇◇◇◇
晝食を取って午後からは、大山ダンジョンへと向かう。
本日の予定であるが、聡史はブルーホライズンの付き添いに回って、桜たちは6階層まで降りてオークを調達する予定となっている。
「それではお兄様! いってまいります!」
「ああ、きをつけてな」
2階層までは一緒に降りて、ブルーホライズンはその場でゴブリンを相手にする予定だ。今日の戦い方によっては、彼たちは単獨で2階層の活許可を聡史から得られるだけに、5人揃って張り切っている。
聡史たちと別れた桜率いるパーティーは、そのまま3階層~4階層を最短距離で通り抜けて5階層のボス部屋の前に立っている。
すでにこの部屋のゴブリンキングを過去4回倒しているだけに、四人とも余裕の表をして扉の前に立っている。
「さて、今日は誰が倒しますか?」
「私にやらせてもらえますか?」
桜の問い掛けに真っ先に返事をしたのはカレンであった。これまで鈴と明日香ちゃんのコンビが2回、桜単獨で2回この部屋のボスを倒しているので、いよいよ神聖魔法を試してみたいと腕捲りをしている。
「それではカレンさんに任せましょう! 鈴ちゃんは魔法の余波を防ぐためにシールドを展開してもらえますか?」
「ええ、守りには自信がついたから、任せてもらえるかしら!」
「鈴さん! 思いっきり強力なシールドにしてください! 試し打ちの時の威力が怖かったですから!」
明日香ちゃんからは、堂々としたヘタレ宣言が提出される。これを聞いて、第ゼロ室演習場でカレンが魔法を放った時に、明日香ちゃんが威力に驚いて後ろに引っ繰り返っていた件を思い出した桜が、ゲラゲラ笑い出す。
「く、苦しいです! 笑いすぎてお腹が……」
ヒーヒー言いながら桜は腹を抱えて笑い続けるが、笑われる側の明日香ちゃんは、々ムッとした表だ。
「桜ちゃん! 失禮じゃないですかぁぁ! 誰にも失敗はあるんですから、そんなに笑わないでください!」
「そ、そんなことを言われても、明日香ちゃんがひっくり返って…… 」
結局桜の笑いが止まるまで2分かかった。々トラブルはあったものの、四人は5回目となるボス部屋に踏み込んでいく。部にはゴブリンキングに率いられたゴブリンの集団が待ちけている。
「対理シールド!」
威力が高いカレンの魔法の余波で恐ろしいのは、風と飛ばされて飛來する破片の運エネルギーだ。したがって鈴は魔法シールドよりも理シールドを選択している。
「カレンさん! 準備オーケーよ!」
「いきます! ホーリーアロー!」
カレンの右手から白いが真っ直ぐに飛び出していく。その勢いは、鈴のファイアーボールなどの比ではなかった。選ばれた人間だけがれる神聖魔法、その威力は強大だった。
ドガガガーン!
ボス部屋の部は白いで満たされて、耳をつんざくような大音響が鳴り響く。シールドに遮られたこちら側は影響はないが、カレンの魔法の直撃をけた側は大変なことになっているだろう。
「な、何もなくなっていますよぉぉ!」
白いと土埃が晴れると、明日香ちゃんが聲を上げた通りにそこにはゴブリンキングの影も形もなくなっていた。床のあちこちにドロップアイテムが散らばっているだけだ。
「さすがはカレンね! 桜ちゃん、今度は私の闇魔法を試していいかしら? カレンよりも威力はあるわよ!」
「鈴ちゃん! それはもっと下の階層ボスで試してみましょう! お兄様から聞いた限りでは、かなりヤバい威力だそうですから」
どうやら鈴は、カレンをいろいろな意味でライバル認定しているようだ。聡史を巡るライバルであると同時に、魔法に関しても相當意識をしている。當然カレンも鈴の魔法を追い越そうと日々努力をしているだけに、同じパーティーでありながらも両者の鍔迫り合いは今後とも続くものと思われる。
ドロップアイテムを拾ってから6階層に降りると、この階層からはゴブリンは出なくなる。代わってオークの出現頻度が上昇するだけではなくて、コウモリの魔であるブラッディバッドや、グレーウルフの上位種であるブラックウルフが登場してくる。
5階層のボスを倒せるだけの実力を持った上で、きが早かったり宙を飛んでくるこれらの魔に対処する能力がないと、中々攻略が難しい階層といえよう。
だが、桜たちはすでにこの階層に足を踏み込むのは4回目となるだけに、すでに魔への対処は手慣れたものだった。
「明日香ちゃん! オオカミが來ますよ!」
「はい! 任せてください!」
桜の気配察知が魔を捉えると、明日香ちゃんがトライデントを構えて待ちける。飛び掛かろうとするブラックウルフを神槍の一閃で壁に叩き付けると、そのまま止めを刺す。
「鈴ちゃん! コウモリが來ました!」
「大丈夫よ! ファイアーボール!」
敢えて避けにくい至近距離まで接近を許してから、鈴は発しないタイプのファイアーボールを放つ。ブラッディバッドは炎に包まれて地面に落ちていく。
「オオカミは皮を落としてくれますけど、コウモリは魔石だけですね」
ブラックウルフの皮は1枚3千円程度に対して、ブラッディバッドの魔石は1個800円、まあそれでもゴブリンの魔石よりはずいぶんマシになっている。
そしてお目當てのオークは桜が手早く倒していく。學生食堂に納するをなるべく多く確保したいのであった。それでもさすがは6階層である。オークの出現頻度が相當高いので、桜がわざわざ探さなくてもすぐに姿を現してくれる。
「おやおや? この壁はなんだかおかしいですね!」
オークを追い掛けながらたまたまやって來た場所には、何やら壁にいわく有り気な窪みが存在する。
「桜ちゃん! また例の隠し部屋のように変な場所に連れていかれるんじゃないですか?」
「桜ちゃん! また無茶をしないで、今日は安全第一で戻った方がいいと思うわ」
明日香ちゃんと鈴が口を揃えて桜を止めるが、すでに壁に向いて拳を撃ち出す準備をしている。
「まあまあ、ここは隠し通路の疑いが濃厚ですからね。調べるだけ調べてみましょう!」
ガコッ!
桜が拳を一閃すると、壁には簡単にが空いて、その先には何やら通路が続いでいるようだった。
「それでは、この先に何があるか確かめてみましょう」
「桜ちゃん! どうか思い留まってくださいぃぃぃ!」
明日香ちゃんの呼び掛けも虛しく、桜がズンズン新たな通路へとっていくのだった。
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。この続きはちょっと間が空いて水曜日に投稿します。
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