《異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンにりたい! えっ、18歳未満は止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育しようか》80 深部攻略 2
12階層で広大なフィールドに降り立った聡史たちは……
一夜明けて、パーティーメンバーは近くにある泉で歯を磨いて顔を洗っている。こうして水場があるのは、ダンジョン攻略に當たっては非常に助かる。もちろんポリタンクにれた大量の水を準備してはいるものの、量に限りがある以上は節約するに越したことはない。
服を著替えて朝食を取ってから、いよいよフィールドエリアの攻略にき出す。とはいえ、ダンジョンとしてはあり得ないほどの広大な空間が広がっているこの階層では、これまでのような通路に當たるものは存在しない。どこをどう歩けば下の階層に向かう手掛かりが摑めるのか、今のところは皆目見當が付かないのであった。
「まずはこのエリアの東側に向かってみましょう!」
こうなったら桜の勘に頼るしかないので、自信満々で指さす方向に向かって歩き出していく。しばらく進んでいくと、彼方の草原に黒い點が群れをして移している様子が目にってくる。
「あれはロングホーンブルのようですねぇ~! ほら、伊豆でステーキにして食べたおですよ!」
「ああ、あのステーキは味しかったわね! 桜ちゃんなんか3回もお代わりしていたし!」
桜の指摘で伊豆のバーベキュー大會を思い出した鈴、彼が調理擔當だったので強く印象に殘っているようだ。
「桜ちゃん! どうするんですか?」
明日香ちゃんは、まだ遠くにいる魔をどうするのか思案顔をしている。距離にして3キロほど離れているので、わざわざそちらへ向かうのもどうだかという表だ。
「お兄様! その辺に適當にファイアーボールを放ってもらえますか?」
「いいぞ」
聡史が草原に1発ファイアーボールを放つと、その音に過敏に反応したロングホーンブルが一斉にこちらに向かって走り出す。音を聞きつけると敵がいると判斷して群れで向かってくる習があるのだ。獰猛な息遣いと草原に鳴り響く蹄の音を轟かせながら、合計30頭以上のロングホーンブルが次第に迫ってくる。
「さ、桜ちゃん! なんだか凄い勢いでこっちに來ますよ! どうするんですか?」
「明日香ちゃん! 私に任せてください! もうちょっと引き付けてから一撃で仕留めますよ!」
不安をにする明日香ちゃんとは対照的に、桜は至って余裕の表であった。やがて真っ黒で軽自車よりも大きな格のロングホーンブルが、左右に張り出した1メートル以上はある角を振りかざしながら土煙を上げて迫ってくる。
いよいよ群れが近づいてきた様子に、桜はニンマリしながらやや腰を落とし加減で半の姿勢をとる。どうやら例のアレで仕留めるつもりらしい。
「太極破ぁぁぁぁ!」
ゴゴゴォォォォ!
桜の手の平から草原にこだまする勢いで闘気が飛び出していく。
ズッパアアアアアン!
太極破は草原に巨大なクレーターを作り上げながら大発をした。濛々と沸き起こる土煙と上空に高く上るキノコ雲が、その発の勢いを語っている。
「さ、桜ちゃん! 腰が抜けました!」
またまた明日香ちゃんは、発の勢いに驚いて後ろに引っ繰り返っているのだった。その姿に桜は大笑いし掛けたが、原因が自分にあったとやや反省気味に手を貸して明日香ちゃんを助け起こしている。
「桜ちゃん! なんて威力なのよ! ビックリしたじゃないの!」
「鈴ちゃん! 広い場所なので、遠慮なくぶっ放してみました!」
周囲には壊れるが何もないので、桜は威力高目で打ち出したようだ。その結果がこの大発と深さ2メートルに及ぶクレーターであった。
「さあさあ、を回収しましょう! 今夜はステーキ大會ですよぉぉぉ!」
ロングホーンブルの群れが一瞬で全滅した場所に向かって桜が駆け出していく。上質なの他に角なども落ちており、桜は一人でせっせと拾い集めてあっという間に戻ってくる。拾ったそばからアイテムボックスに放り込んでいくので、相変わらず手ぶらのままだ。
「桜ちゃんは、本當に便利にできていますよね!」
その様子を見ているカレンは、ほとほと心している。こんな便利な人間は、パーティーにぜひとも一人ほしいと考えている。だが、二人目をどうするかと聞かれたら、カレンは躊躇なく斷る可能が高い。さすがに桜が二人もいたら、パーティー全の収拾がつかないであろう。
フィールドエリアは、系の魔が出現するようだ。ロングホーンブルの他にはホーンシープやワイルドウルフなど、群れをして襲い掛かってくる魔が多く見けられる。ホーンシープのドロップアイテムは高級羊とが半々で、ワイルドウルフは皮と魔石が半々であった。どうやらそこそこいい値段で買い取ってもらえそうだ。
見通しの悪い森を歩くのは時間がかかるので今回は避けて、草原を進んでいく。桜の勘を頼りに東へ1時間ほど進んでいくと、地平線の先に高い塔が見えてくる。周辺には他に建造が見當たらないので、どうやらそこは他の階層に向かう目印のようであった。
さらに1時間歩いていくと、塔のり口に到著する。どうやらダンジョンを知り盡くしている桜の勘が的中した模様だ。
「桜ちゃんは凄いですね! こんな広い場所で簡単に目的地を見つけ出しました!」
「明日香ちゃん! もっと私を譽めていいんですよ! 明日香ちゃんは常日頃から、私に対する尊敬の気持ちを持たないといけませんから!」
「お言葉ですが、桜ちゃん! それは尊敬されるような行いをしてから言ってください!」
明日香ちゃん的には、桜に対する尊敬度は限りなくゼロに近いようだ。々と酷い目に遭っているだけに、尊敬とは程遠い存在と見做しているに違いない。
塔のり口には大きな扉があって、特にカギがかかっている様子はない。部に踏み込んでみると、そこにはボスの存在なども見當たらずに、単に下へ降りていく階段あるだけであった。やや拍子抜けした桜の姿がある。
「はぁ~、階層ボスでもいないかと期待したのですが……」
「なんで桜ちゃんはそこまで好戦的なんですかぁぁ! 安全が一番いいんですからね!」
「まったく、これだから明日香ちゃんはまだまだなんですよ~! ダンジョンの真の醍醐味がわかっていませんねぇ~!」
「そんなものは知りたくありませんからぁぁ!」
水と油のような二人の格、よくこれで長年友達としてやっていけるものだ。
本當はもっとこのフィールドを事細かに探索したいところではあるが、周辺全てのエリアを回りきるには最低でも5日程度必要であった。今回は2泊3日と時間が限られているので、已む無く下の階層へと向かっていく。
桜を先頭にして階段を降りていくと、當然次の13階層へと降り立つ。広々としたフィールドとは打って変わって、再び石造りの壁に囲まれた通路が続くダンジョンへと戻ってきた。しばらく広い場所に慣れたにとっては、石造りの閉ざされた空間というのは一種の圧迫をじてしまう。
「この階層はどんな魔が出てくるのかしら?」
「鈴、通路をよく観察してみるんだ。上の階層よりも幅と天井が広くなっているだろう! ということは、それなりに大型の魔が出現すると考えて間違いない」
「聡史さんは何でもよく知っていますね! もっと々と教えてください!」
「カレン、それはちょっと違うな。教えてもらうんじゃなくて自分で発見するんだ! そのほうがに著くからな」
「はい、わかりました」
聡史は中々厳しい。質問には答えるが、手取り足取り教えるような甘やかしはしない方針だ。まずは自分で経験してその中から學び取れと言っている。そしてカレンもその考え方を素直にけれているのだった。
しばらく歩いていると、桜が気配に気づく。
「足音からして人型の大きな魔ですね! おそらくオーガではないでしょうか」
「オーガって、あの鬼のような姿をしている魔かしら?」
「そうですよ! かなり狂暴で魔法が効きにくいですから注意してください!」
桜の話が終わったちょうどのタイミングで、曲がり角の向こう側から高2.5メートルはありそうなオーガが現れる。獲はいないかと煌々と目を輝かせて、聡史たちの姿を発見するや否や手にする棒を振り上げて咆哮を上げる。
「グオォォォォ!」
オーガの咆哮、それはレベルが低い人間であればそれだけでが竦んできが取れなくなる恐ろしいものであった。だがこのパーティーのメンバーは神値が全員それなりに高いので、誰一人としてけなくなる者はいない。
「それでは、私が見本を見せましょう!」
最初にき出したのは桜であった。軽なきで正面からオーガの巨に突っ込んでいく。対するオーガは、接近してくる桜目掛けてその怪力にを言わせて棒を振り下ろす。
ガキーン!
桜がアッパー気味に振り上げたオリハルコンの籠手と、オーガの怪力で振るわれた棒が正面から激突する。その結果、桜の拳が棒を見事に打ち砕いた。
相手の得を砕いた桜は、その勢いに任せてオーガの懐へとり込んでいく。対してオーガは反対側の拳を桜に向けて振り下ろす。
ドッパァァァン!
桜が打ち出した正拳が圧倒的に早くオーガの腹部を捉える。軽く放ったように見えてもそこはレベル600オーバーの一撃、オーガのごと吹き飛ばしていた。
「ふふふ、桜様の前に立ちはだかるには、オーガごときでは力不足!」
桜がドヤ顔を決めている。
対して水平方向に50メートル飛んで石の床に顔面から著地したオーガは、まるで顔をおろし金で削られていくかのように、華麗に顔面スライディングを決めている。ようやく停止した時には、首があり得ない角度で曲がっていた。息絶えたオーガの様子を確認した桜は、パーティーメンバーに振り返る。
「こんな合でオーガは倒せます!」
「「「出來るかぁぁぁぁぁ!」」」
いつものように、鈴、明日香ちゃん、カレンの聲が、見事なユニゾンを奏でるのであった。
またまたしばらく歩いていると、今度はシルバーウルフ3の群れが現れる。唸り聲をあげながら迫りくるオオカミのトリオは、やや時間差をつけて襲い掛かろうと前後に並んで獰猛な牙を剝き出しにしている。
「桜ちゃん! なんだか走ってくるスピードが段違いですよ! 3一度に対処なんて出來ません!」
明日香ちゃんもちょっとお手上げのようだ。
「仕方がないですねぇ~! 軽く私が手本を見せますから、次からは明日香ちゃんが頑張るんですよ!」
と言いつつ、桜はシルバーウルフを上回る速度で前進していく。そしてその勢いのまま3まとめて當たりで撥ね飛ばした。その景は、まるでボーリングでもしているかのようだ。
「こんな合でシルバーウルフは倒せます!」
「出來るかぁぁぁぁぁ!」
今度は明日香ちゃん一人の聲が通路に響き渡るのだった。
明日の投稿はお休みさせていただき、続きは火曜日を予定していますが、仕事の都合でひょっとしたら水曜日までズレ込むかもしれません。はっきりしないので、一応の予定ということでどうかご承知おきください。
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