ログインしました。ゲーム時刻は夜中の0時過ぎ。忍び込むのには絶好の時間だ。早速、出掛けるとしよう。

日記に書かれていた通りに先ずは南に進む。二ブロック、というのが漠然としているが、恐らくは二筋先という意味だと思う。その予想が正しいものと仮定して進むとしよう。

「っと、小鼠男(レッサーラットマン)だな…」

し進んだ辺りで下水道の先に小鼠男(レッサーラットマン)が歩いているのを発見した。気付かれていないが、どうするべきか。

まあ、逃げの一択だな。遠距離攻撃手段が無いのだから仕方があるまい。…私、魔師の端くれなんだがなぁ。

私はローブを深く被ると所々に建っている柱の影にを潛めてやり過ごす。こうしてみると呼吸音も立たず、溫も無いく骸骨(スケルトン)のは斥候に向いているのかもしれないな。

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これまでの行経験から【隠】を獲得しました。

これまでの行経験から【忍び足】を獲得しました。

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こんなじで戦闘を避けつつ日記に記述されていた梯子にたどり著いた。道中で二つの能力(スキル)を獲得できたぞ。これで図書館に忍び込むのもしだけ楽になるだろう。

そうそう、説明してなかったな。このゲームは能力(スキル)を得るのに二つの方法がある。一つ目はレベルアップした時に手にるSP(スキルポイント)を消費する方法、もう一つは能力(スキル)に対応した行を何度も繰り返す方法だ。ここに來るまでずっと私はに隠れたり足音を立てないように歩いたので、この能力(スキル)を獲得したのだろう。

この時の私は知る由も無かったが、プレイヤーの間で後者の手段は非常に人気が無かった。SPを消費しないという利點はあるものの、ぶっちゃけゲームの中で修行するのは面倒臭いし苦痛でしかない。例えば【剣】を獲得するためには実際に剣を必要回數素振りし続けねばならず、新たな能力(スキル)がしいならレベルを上げて得たSPを使った方が手っ取り早いのだ。

「さて、上るとするか」

能力(スキル)談義は置いといて、今は梯子を上るのが先決だな。おお？骨なだけあって、が軽いな。私は學生の頃の育の績は平均的だったのだが、するすると上れるではないか。あれ？やはりく骸骨(スケルトン)は斥候向きの種族なのでは…？

い、いや、考えないようにしよう。たった十秒程で梯子を上りきると、出口を塞ぐマンホールのような蓋を押し開ける。ぐむむむ、重いぞ…っと！

大きな音を立てる事も無く蓋をかした私は、ようやく図書館に侵する。…プレイヤー多しと言えども、初めて建築にったのが不法侵というのは私だけなのではないだろうか？

「掃除道…ここは置か」

下水道と繋がっていたのは図書館の置だったらしい。扉に鍵は掛かっていないようだな。これは重畳、さっさと済ませよう。

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【隠】レベルが上昇しました。

【忍び足】レベルが上昇しました。

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「むふっ、むふふふふ！」

私は拠點の私室にて、思わず笑ってしまった。いやはや思った以上の収穫があったな。『魔の基礎』や『屬魔とは』、さらに『錬金の基礎』や『召喚門』のような手引き書は當然のこと、『初級能力(スキル)大全』や『錬金素材一覧』のような実用書、『応用魔』やら『応用錬金』とかの參考書っぽいもの、加えて『魔法陣學』という本まで手にったのだ！笑いが止まらんなぁ！

しかも最後の『魔法陣學』に関しては、これを読すれば【魔法陣】の能力(スキル)を獲得出來そうだな。キャラクタークリエイト時には選択肢に無かったが、このようにゲームで報を集めねばならない能力(スキル)は多くありそうだ。

因みに、盜んだ訳ではない。永遠に借りるだけ、などと言う詭弁も言わないぞ。代金は払ったからな！まあ、引き出しに殘っていた巾著の中を全て置いてきただけなのだが。【竊盜】の能力(スキル)は獲得していないので大丈夫、なはずだ。

「まずは、『魔の基礎』からだな」

前置きは兎も角、図書館から購(・)(・)した本を読みましょうかね。出來れば容が面白い事を祈るとしよう。

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これまでの行経験から【魔力制】スキルを獲得しました。

これまでの行経験から【無魔】スキルを獲得しました。

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はい、一冊目を読み終わりました。一言言わせてしい。思った以上に楽しいぞ！

本の容をざっくり纏めると、『魔とは魔力を用いて何らかの現象を起こすことで、その源である魔力のじ方と使い方を學ぶ』ものだ。中學生、いや小學校高學年でも十分に理解できる位に解りやすい解説と章の最後にある『実踐してみよう！』のコーナーに従うだけで二つの能力(スキル)を獲得出來た。

【魔力制】のおで己の魔力を自在にれるようになったし、【無魔】は無屬、即ち屬を持たない純粋な魔力を扱えるようになった。これで私は魔の世界にようやく足を踏みれたと言えるだろう！この調子でどんどん読み進めようじゃないか！

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『屬魔とは』と『錬金の基礎』を読み終わった。屬同士の相や長所と短所、さらにレベルを上げることで複合屬の魔を獲得出來ることも解った。ただ屬魔をSP消費無しで獲得するには各屬の専門書を読まねばならないこと、魔レベル10になると一段上の能力(スキル)に進化すること、進化させるにはSPが必要なこと、そして魔も錬金もレベルを上げる方法は実踐しかないという問題點を知ってしまった。

失敗したな。基本屬の専門書は盜ん…ゴホン！購していないぞ。まあ、屬魔に関しては必要なSPが全部1ポイントなのでそこまで苦しくは無いか。レベル上げもどうせ習得してからは使いまくるだろうしな。能力(スキル)の進化は未來の事だから今は無視。SPの無駄遣いをしなければいいだけだ。けど、錬金は由々しき問題だ。実踐しようにも素材が手元に無いからな。

「フィールドに出るしかないか」

『錬金素材一覧』によると、ここファースの街で手にる素材は南の森に自生している薬草に毒草、北の山で採取出來る鉱石類、あとは魔の臓や骨だけのようだ。

一応、私の持っている鼠の前歯は錬金素材らしい。だが、必要な最低レベルが3となっている。これでは絶対に功しない。しかも『錬金の基礎』によると【錬金】のレベルは功でしか上がらないそうだ。外出して素材を集める以外に道は無いようだな。ということで早速出発。

しかし、困った事にどうすれば下水道からフィールドに出られるのかが解らない。なので下水道のマッピングをしつつ道中の魔を狩ってレベルを上げるとしよう。ただ、レベル上げと言っても現狀の私はソロの魔師だ。魔力が切れた瞬間、ただの木偶の坊となるのは明白。無茶は出來ないぞ。

私は【隠】や【忍び足】を駆使しつつ、とりあえず北へと慎重に進む。下水道には燈り一つないものの、【暗視】のおでハッキリと見えるのは有難い。

「っと。いたな」

一分ほど歩いた所で下水道の常連である小鼠男(レッサーラットマン)を発見した。能力(スキル)のおで気付かれていないな。奇襲のチャンスだ。その前に、相手を【鑑定】してみよう。

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種族(レイス)：小鼠男(レッサーラットマン) Lv4

職業(ジョブ)：なし

能力(スキル)：【悪食】

【？？？】

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お？見える箇所が増えてるな。それにしても【悪食】とは…。この環境だからマトモな食事など摂れないのだろうな。まあ、私は食べる場所が無いが…いやまて。ひょっとして骨も食べるのだろうか？

どうでもいいな。とりあえず、先手必勝！漸く使えるようになった魔を食らえ！

「闇玉(ダークボール)」

魔の発と同時に、私の杖の先に黒い球が形されていく。數秒でボウリング球ぐらいの大きさになると、小鼠男(レッサーラットマン)に向かって真っ直ぐに飛んでいき、頭部に直撃した。

「ヂュ…」

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戦闘に勝利しました。

これまでの行経験から【奇襲】スキルを獲得しました。

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い、一撃だと？魔の威力はそんなに高いのか？それとも今獲得した【奇襲】の効果なのか？功するとダメージが倍加する、とか？これは要検証だな。次の獲を探すとしよう。ドロップは…無しか。次に期待だな、使い道無いけど。

…よし、いたな。今度は二匹だ。【鑑定】の結果はさっきと同じ4レベル。検証に持って來いだ。

「闇玉(ダークボール)」

「ヂュゥゥ…」

「ヂュッ！？」

奇襲に功。やはり一撃だ。もう一匹も気が付いてこっちに來る。検証が捗るというものだ。

「闇玉(ダークボール)」

「ヂヂッ！」

小癪にも小鼠男(レッサーラットマン)は私の闇の玉(ダークボール)を躱そうとステップを踏んだ。だが、無駄だ！私は門書を読したおで【魔力制】を習得している。これは己の魔力を自在にる技なので、放った後の魔をある程度コントロールすることが可能だ。

「ヂュァ！？」

私の闇の玉(ダークボール)は小鼠男(レッサーラットマン)を追尾するようにき、彼奴の顔面に直撃した。力は…げっ、ギリギリ半分を越える位に殘ってるじゃないか。まあいい。別の検証の機會に恵まれたと思えばいいさ。

「魔力球(マジックボール)」

「ヂィィ！」

魔力球(マジックボール)は【無魔】の基本的な攻撃魔だ。これも頭部にクリーンヒットした、んだが一割くらい殘ったな。どうやら闇球(ダークボール)よりも威力が低いらしい。

これは想定だ。教本である『魔の基礎』によれば、【無魔】は魔力の燃費と発速度に優れ、しかも屬を持たないのでどんな敵にも一定の効果が得られる裏腹、単発の威力で屬魔に劣るのだという。実際に試してみると実できるものだなぁ。

「闇球(ダークボール)」

「ヂュァァ…」

そしてもう一発の闇球(ダークボール)でお仕舞いだ。結構あっさりだったな。不意討ちすれば小鼠男(レッサーラットマン)二まで安定して倒せそうだ。

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種族(レイス)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

職業(ジョブ)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

【魔制】レベルが上昇しました。

【闇魔】レベルが上昇しました。

【無魔】レベルが上昇しました。

【奇襲】レベルが上昇しました。

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おっ、レベルアップか。能力(スキル)の長も順調だな。まあ10レベルまでは上がりやすいらしいから、決して高速とは言えないのだろうけど。

この調子で魔力が半分になる位まで狩りを続けるとしよう。それから研究室に戻って魔力が回復するまで魔を學ぶ。しばらくはこのローテーションでいいだろう。

あれ？そう言えば魔のレベルは上がったのに、杖のレベルは上がらないのか。最初の戦闘で上がったからか？ひょっとして【杖】レベルはそれで毆った方が経験値が多い…とか？ま、まさかね…。

それはそうと、そろそろSPを使おうか。どうせ全屬の魔を使えるようにする予定だったのだ。イーファ様が言っていたように私は屬を習得出來ないが、それ以外は問題ない。基本屬も四つで殘りSPも4だから丁度いいしな。

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【土魔】を取得しました。

【水魔】を取得しました。

【火魔】を取得しました。

【風魔】を取得しました。

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これでよし、と。さて、狩りを再開しますかね。なるべく満遍なく使って能力(スキル)レベルを上げていこう。魔に特化した悪役たるもの、主役側の賢者を越える魔の知識を持っておかねばなるまいよ。

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名前(ネーム)：イザーム

種族(レイス)：く骸骨(スケルトン) Lv2 up!

職業(ジョブ)：見習い魔師 Lv2 up!

能力(スキル)：殘りSP 100

【杖】Lv1

【魔力制】 Lv1 new!

【土魔】 Lv0 new!

【水魔】 Lv0 new!

【火魔】 Lv0 new!

【風魔】 Lv0 new!

【闇魔】 Lv1 up!

【無魔】 Lv1 new!

【考古學】 Lv5 up!

【言語學】 Lv3 up!

【錬金】 Lv0

【鑑定】 Lv3 up!

【暗視】 Lv-

【隠】 Lv2 new!

【忍び足】 Lv1 new!

【奇襲】 Lv1 new!

【狀態異常無効】 Lv-

【屬脆弱】 Lv10

【打撃脆弱】 Lv10

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